公益財団法人 東北活性化研究センター

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令和2年度 【自主事業】
地域再生可能エネルギー事業の事例調査

調査報告書地域活性化地域政策・地域経済環境・エネルギー地域コミュニティ維持地域資源活用令和2年度地域新電力

事業目的

わが国では2011年大震災時の原子力事故や2015年の国連SDGs採択などを背景に、再生可能エネルギーの活用機運が高まり、各地でエネルギーの地産地消(地域に必要なエネルギーを地域のエネルギー資源によって賄う)の動きが活発になっている。政府はその動きを後押しするとともに、民間団体も多くのプロジェクトを支援している。

各地で地域新電力(特定地域の小売電気事業者)が生まれ、東北でも東松島市(SDGs未来都市)などにおいていくつかの「エネルギー地産地消」事業が企画・実施されている。さらに、ドイツのシュタットベルケ(都市公社)のようにエネルギー事業以外の公益的事業を兼営する例も見られる。

本調査では、いくつかの成功と思われる事例を調査し、事業モデル、日々の運営、収支状況、成功要因、今後の展望などを詳細に紹介し、これから地域新電力に取り組もうとする関係者の参考に供する。また、専門知識のない住民の方々の理解の一助とする。(地域新電力以外の地域再エネ事業については次の機会に譲ることとする。)

進め方

  • 文献調査および事例先(特色のある4事業者と民間支援団体1団体)のインタビュー調査。
  • 東北経済産業局『東北地域における地域新電力の競争環境に関する調査』(東北、新潟に本社のある新電力事業41社へのアンケート調査とインタビュー調査)2020年4月30日公開)をレビュー。同局と意見交換。
  • 専門家による、電力制度改革の地域新電力に対する影響の論考。

概要報告

《概論》

  • 東北経済産業局が地域新電力と認定した事業者は18、いずれも小規模。多くが再エネの地産地消と地域活性化への貢献を標榜。課題は電気事業制度改革への的確な対応やDRなど新サービスの検討等。
  • 地域新電力のあるべき方向性(考察の視点)として、地域付加価値の最大化を提示。

《事例》

  • (一社)東松島みらいとし機構(略称HOPE):宮城県東松島市の再エネ振興を含むSDGs政策を担う法人。小売電気事業(新電力事業)のほか特定送配電事業(市の防災拠点の発電、蓄電、配電設備などを運営)も営む。
  • (株)やまがた新電力:山形県の再エネ戦略を担う会社。調達の6割程度を県内の再エネから調達し、県全域を供給エリアとする全国的にもユニークな存在。
  • おもてなし山形 (株) :山形市を中心とする観光振興会社(いわゆるDMC)。新電力業務をすべて外部委託し、その利益を観光振興事業の財源とする。
  • (株) 三河の山里コミュニティパワー(通称MYパワー):愛知県豊田市山間部の課題解決を目的とする新電力。豊田市、中部電力と密接な連携。高齢者対策事業も営む。再エネ開発にも着手。コンセプトは地域新電力の理想形と言える。
  • 支援団体の(一社)ローカルグッド創成支援機構(略称LGD):地域活性化のプラットフォームを提供。地域付加価値向上の視点から多数の地域新電力を支援。地域観光などのテーマでも支援。

《専門家論考》

  • 稲垣憲治氏(LGD事務局長):「電力システム改革の地域新電力への影響~容量市場を中心として~」

2021年7月30日追記

  • 2021年に「 株式会社タケエイの事例 」(木質バイオマス発電と地域新電力を複数拠点で展開)を調査

情報発信

  • 概論、各事例ともに調査終了の都度、機関誌に詳細内容を掲載
  • 全体報告書を分冊の形で当センターHPに掲載

報告書 等

『地域再生可能エネルギー事業の事例調査』 報告書

機関誌「東北活性研」vol.44 (令和3年7月発行)

機関誌「東北活性研」vol.47 (令和4年4月発行)

 

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