公益財団法人 東北活性化研究センター

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平成28年度事業 【自主事業】
6次産業化による東日本大震災からの復興加速

産業活性化1次産業2次産業調査報告書震災復興3次産業国・自治体の政策地域資源活用平成28年度6次産業化

[事業目的]

東北地域における6次産業化については複数年で取り組み、平成26年度は基幹産業である食品関連産業の付加価値にかかる全国比較を行ない、27年度は6次産業化加速にかかる人財育成のあり方について調査を実施した。

平成28年度は、これらを踏まえ、被災から5年目を迎える太平洋沿岸地域における東日本大震災からの復興状況、特に復興を加速するための主産業となり得る6次産業の復興状況を把握した上で、復興を加速させるためのビジネスモデルを検討した。

[進め方]

東北地域において成長が期待される6次産業(農水産業及び飲食品加工業)に着目し、復興加速化に向けた振興策を探った。

先ず、生産要素(自然、資本、労働)を東北の産業の特徴から整理し、産業分類毎に復興状況の全体像を概観。次に期待される農水産業及び飲食品加工業についてヒアリング調査を実施し、注目されるビジネスモデル(清酒・米、酪農、漁業)を明らかにした。

まとめとして、6次産業化による復興を加速化させるための方策について取り纏めた。

[概要報告]

東北の震災復興は、東北の地域資源を活用する農水産業及び飲食品工業が担う。かつては労働集約的で生産性が低かったが、人口減少時代を迎え、労働投入を抑えた効率の向上や付加価値上昇が求められている。

東北の産業の特徴を生産要素で整理すると、自然資源に恵まれており、資本(知識)として飲食品工業の研究開発や機械設備に優れていることがわかった。東北の豊かな自然を生産要素として重視し、6次産業化による生産性の向上を目指すことが必要である。

特徴的な産業とビジネスモデルとして震災後全国の業界をリードしつつある清酒・米と、自然の活用が注目される酪農、最も被害の大きい水産業を検討した。復興加速にはそれぞれの産業特性を見極めて、自然と資本、若しくはどちらかの生産要素を重視し、産業振興を行うかがポイントとなる。

東日本大震災からの復興加速には2つの方向性、①高価格・ブランド戦略による付加価値向上と②効率化による生産性の向上がある。また、①には産品に対する自然の寄与に関する知識、②は機械や組織を効率的に運用する知識がそれぞれ必要となる。知識の獲得や提供には飲食品工業(加工部門を担う主体)が担うべき役割は大きい。

東北の産業に対する将来的な期待は、飲食品工業(加工部門を担う主体)が東北の魅力を活用できるように進化することである。東北の魅力とは自然の豊かさであるが、自然の価値を産業に付加価値として織込むためには、飲食品工業に高度な知識やノウハウが必要と考えられる。

[情報発信]

  • 電気新聞 掲載(2017年4月21日)

[報告書]

6次産業化による東日本大震災からの復興加速 調査報告書(PDF:2.79MB/75ページ)

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