公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年3月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「43.4」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+1.3ポイントとやや上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「43.8」と3か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲5.2ポイントと大幅に低下した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「43.0」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+4.5ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「44.0」と3か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲6.9ポイントと大幅に低下した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年3月25日~31日
回答者数 174/189名、回答率 92.1% (全国1,825/2,050名、89.0%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(百貨店)…ここ数か月徐々に上向き傾向だったが、今月は衣料品も稼働している。気温の上昇もあり、購買意欲が比較的高くなっている。
(建設業)
…複数の民間大型案件の受注に至っている。

○「やや良くなっている」
(商店街)…春の訪れとともに卒業入学準備等でいつもの人の流れに戻りつつある。新型コロナウイルスの影響で冬場は自粛ムードが高まっていたが、予防接種の開始やコロナ禍の長期化による自粛疲れからか外出が多くなってきている。
(一般小売店[医薬品])…天候のせいもあってか最近は客が戻ってきている。そして、ある程度のまとめ買いが増えているので、販売量の動きは良い。
(衣料品専門店)…前年はほとんどなかった入学、卒業、新生活に向けた需要が出てきている分、回復基調にある。
(住関連専門店)…新型コロナウイルス感染者が増加しているにもかかわらず、今月はお彼岸もあり、線香等の小物や仏具の売行きが順調で売上を押し上げている。
(旅行代理店)…首都圏の緊急事態宣言が解除され、徐々に来客数が増えている。近場の温泉の申込みが多く、ゴールデンウィーク期間も動き出している。
(観光名所)…来客数は緊急事態宣言明けを見込んだ予約も少しずつ入っているので、3か月前よりも1年前よりもやや良くなっている。ただ、通常時と比べると景気は悪いと言わざるを得ない。
(設計事務所)…中小企業等事業再構築促進事業や新型コロナウイルス感染症特別貸付などを活用した事業を検討したい旨の問合せが出てきている。
(食料品製造業)…3月前半は人の動きもあり、売上も前年近くまで回復していた。しかし、県内で新型コロナウイルス感染者数が増え、緊急事態宣言が発出され売上がダウンしている。しばらく回復は見込めない。
(金融業)…個人消費関連では、宿泊業や夜間営業飲食業の苦戦は継続しているが、住宅販売、自動車販売は業況回復基調にある。新型コロナウイルス対応の民間設備投資の動きも見られる。
(新聞社[求人広告])…飲食店の客入りが明らかに上向いている印象を受ける。昼間の来客数だけでなく少人数での夜の会合が明らかに増えている。旧来の歓送迎会などの大規模宴会はほとんど見受けられないが、密を避けた4人程度の飲食が多くなり、店によっては入店をお断りする状況である。当然店舗は席数を減らして密を避けているが、明らかに人の動きが増加している。
(職業安定所)…新規求人数は前年同月比で減少が続いていたが、19か月ぶりに僅かではあるものの増加に転じる見込みである。

○「変わらない」
(コンビニ)…朝から夕方に掛けては大分客足が戻ってきている。しかし、新型コロナウイルスの感染者が多く、当地で緊急事態宣言が出されていることもあり、21時くらいから朝方に掛けては人が出てこない。良くない状態が続いている。
(通信会社)…新生活の準備の時期であるが、引っ越しなどの動きがそれほど多くみられない。このため、転入転出による加入解約にも大きな動きがなく、新生活応援キャンペーンなどによる新規加入者の増加も余りみられない。
(その他サービス[自動車整備業])…1月からの緊急事態宣言下での最悪の状態は脱したが、他県で新型コロナウイルスの感染が急拡大した地域があったことにより、地元客の来店が再び激減している。
(住宅販売会社)…オープン形式での展示場営業が完全予約制になり、集客人数の減少と客との打合せに時間を要し、契約までの時間が掛かっている。
(電気機械器具製造業)…前月から引き続き、電子部品、主に半導体部品の受注価格が高値を維持している。
(人材派遣会社)…3月中旬までは県全体で求人の声掛けが多かったが、緊急事態宣言発出後はまた求人を控える、様子を見る、新しい増員をしないという企業が多数ある。

○「やや悪くなっている」
(スーパー)…3月の1品単価前年比は103%である。来客数の減少に併せて買上点数も減っている。前年度のような保存食需要、内食需要の増や5%還元といった追い風もないためか、売上の前年比は厳しい。消費傾向は余り良くない推移となっている。
(家電量販店)…3月はシングル向け商品が売れるが、販売量が少ない。来客数も少ない。新型コロナウイルスの影響ももちろんあるが、金の使い方が内向きな消費需要から、旅行など外向きな需要に変わっているのではないか。
(その他小売[ショッピングセンター])…3月に入り県内の感染が拡大傾向にある。客足はそれほど落ちていないものの、消費マインドがかなり後ろ向きになっている。
(高級レストラン)…ランチの売上は2019年と比較し8割ほどだが、ディナーの売上は4割で推移している。ビジネス利用はほとんどゼロである。家族や友人同士の会食のみである。
(観光型ホテル)…客足が戻りつつあると思われた矢先の県の緊急事態宣言で、再度客足が遠のく。新型コロナウイルスに振り回されて先が読めない。
(美容室)…感染対策として緊急事態宣言中は顔そり等を自粛しているため、単価が下がっている。
(その他住宅[リフォーム])…リフォーム工事は、外壁塗装、増改築などの高額の工事が減っている。住宅設備機器販売は、暖房器具の販売や交換工事受注の伸びが落ち着いている。
(コピーサービス業)…今月に入り県内の新型コロナウイルス感染者の増加が見られ、営業活動に制限が掛かってきている。直接会わなくても商談できるツールなどを駆使しているが、もどかしさを感じる場面も多々ある。いろいろな助成金や補助金などを利用しての提案活動をしているが、こちらも受注につながっていない。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…最近、当県の新型コロナウイルスの感染状況が非常に悪い。商売にも影響が出ており、販売が慎重になっているような状況である。今の状況は以前と比べて多少悪い。

○「悪くなっている」
(その他専門店[白衣・ユニフォーム])…例年3月は繁忙期で、売上的には年間で一番上がる月なのだが、観光業、飲食店関連の客の注文はほぼゼロである。また、一般企業でも新入社員採用が極端に少ないなど制服関係の売上はかなりダウンしている。2月までは何とかやり繰りしていたが3月に入り極端に差が出てきた。
(一般レストラン)…今月に入り、新型コロナウイルスの影響が顕著になってきている。1日の来客数が0~4名の日が続いており、壊滅的な状況が続いている。
(土石製品製造業)…官民工事の減少により出荷は低迷している。地震の連続発生と当県の新型コロナウイルス感染の急拡大により、地域経済に明るさがみえない。

 

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(住宅販売会社)…小坪数の分譲地を整備中で、問合せもあり、受注拡大の段取り中である。

○「変わらない」
(コンビニ)…気候が良くなってきて少しずつ人出は多くなってきているが、新型コロナウイルスの影響のため、余り変わらないとみている。
(通信会社)…新型コロナウイルスの感染状況は多少改善されるとみているが、営業しにくさは変わらない。
(設計事務所)…少し良い状態のまま変わらないと考えている。官公庁においては東日本大震災の余震による復旧設計が、民間においては補助金などを当て込んだ依頼が、次年度は予定外の案件として増えることが予想される。
(出版・印刷・同関連産業)…人口減少、少子高齢化による地方の衰退、疲弊感に震災復興の一巡とコロナ禍の長期化が加わり、人の往来が途絶えたことで地方経済に勢いが戻る前にしぼんでしまっている。
(金融業)…ワクチン効果が現れるまでは厳しい状況が続くとみられる。
(広告業協会)…ワクチン接種が順調に進み、新規感染者も減少して、イベントやGo Toキャンペーンの復活となれば、急上昇する可能性はあるが、リバウンドしている状態ではその逆もある。
(新聞社[求人広告])…いずれの業種もコロナ禍で苦境が続いている。地方、特に感染上昇率全国トップクラスの当県では、流通、飲食等が大打撃を受けている。前年比較でどうかではなく、倒産の危機にひんしている。国なり自治体の早急な支援対策が望まれる。
(職業安定所)…新規求人数は僅かながら増加しているものの、新規求職者数の増加の方が上回っており、気になるところである。

○「やや悪くなる」
(百貨店)…現在感染状況は比較的落ち着いており、客足も回復しつつある。しかし、新型コロナウイルスワクチン接種の見通しがはっきりしておらず、先行きは不透明である。感染が広まれば外出自粛につながるのは明らかで、感染状況次第と考える。
(スーパー)…前年4月は月初めから客単価が急激に上がり5月末頃まで売上が伸長した。今年も同様の販売状況になるとは考えにくく、今後2か月程度は厳しい状況になると推測している。
(衣料品専門店)…これまでは何とか持ちこたえていたが、ここに来て新型コロナウイルス感染者が増えてきて、入学式の簡略化や中止等々が出てきている。このような状況が続くと、儀礼でのスーツ着用を予定している人にも大きく影響するので、感染状況を大変懸念している。
(乗用車販売店)…決算期である今月が一番販売台数が伸びる時期だが伸びておらず、今後も販売台数は伸びないのではないかと予測している。
(観光名所)…ワクチンに期待をしたいところだが接種が進んでいない様子がうかがえる。隣県で感染者が急増しており再び自粛モードに逆戻りする心配がある。桜ツアーも前年同様、キャンセルが発生している。
(建設業)…2~3か月後に契約見込みの案件が控えているものの、今月の契約額より低下する見込みである。
(経営コンサルタント)…東北のハブである当県での緊急事態宣言発出は東北各県にも悪影響を及ぼす。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…首都圏の感染者数拡大でゴールデンウィークへの影響を懸念している。県内の緊急事態宣言も延長の可能性がある。再び人の移動が制限される可能性が高まっている。
(人材派遣会社)…企業の採用意欲は上向きつつあったが、当県の緊急事態宣言発出と新型コロナウイルス感染状況の悪化により、一気に先行きが不透明になっている。

○「悪くなる」
(一般レストラン)…今の頼みの綱はワクチンだと思うが、新型コロナウイルスワクチンの接種は遅れている。ほかには景気が良くなるような要素はなく、夜の街はかなり閑散としている。ワクチン次第である。
(輸送業)…県内で新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、長期化すると予想する。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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