公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和2年8月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「40.8」と4か月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.2ポイントとわずかに上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「40.2」と前月を上回った。前月と比較し+4.7ポイントと大幅に上回った。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「41.9」と4か月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.3ポイントとわずかに上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「38.4」と前月を上回った。前月と比較し+3.7ポイントとやや上回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 令和 2年 8月25日~31日
回答者数 173/189名、回答率 91.5% (全国1,834/2,050名、89.5%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「良くなっている」
(高級レストラン)…3か月前はレストランとして完全に休業していた。8月現在の売上は西洋料理と中国料理で800万円ほどであり、前年比27%の減少である。内訳はランチは同19.5%の減少、ディナーは同32.1%の減少である。

○「やや良くなっている」
(一般小売店[酒])…3か月前と比べれば持ち直してはいるが、依然厳しい状態である。お盆期間中に休業した取引先飲食店も少なくない。繁忙期に休業するなど今まででは考えられないような状況である。今月は初めて新型コロナウイルスの影響で閉店を決めた取引先もあり、持続化給付金などがあっても長期化すればするほど耐え切れなくなってきている。
(コンビニ)…新型コロナウイルス禍に加え、梅雨明け宣言が見送られるなど7~8月上旬の天候不順もあり来客数も下降気味だったが、このところの高気温で上向きになってきている。
(乗用車販売店)…来客数が大分戻ってきている。特に新規来場者が増えたことで、即決商談も目に付くようになってきている。購入を控えていた客層の動きが目に見えて活発である。
(その他専門店[酒])…緊急事態宣言の影響があった3~5月よりは売上が戻ってきているが、状況が悪いことに変わりはない。先々の見通しもある程度は立ってきたが厳しい予測になる。特に8月は帰省客が少なく、成人式や同窓会等も全くないため飲食店のダメージが大きい。応援の施策等もしてはいるが、もっと国や行政が直接的に支援しないとどんどん廃業する店が増える。
(観光型旅館)…先行予約が少なく間際での申込みが極端に多くなっている。Go To Travelキャンペーンの関係で、宿泊人数は少ないが単価がアップしている。
(美容室)…3か月前の5月は途中から県をまたぐ移動ができるようになり、それまで完全にアウトであった移動部分が良くなった時期である。そこの落ち込んだ数値と比べてやや良くなったということである。
(建設業)…民間の大型設備投資案件について、当初より遅れはあったものの契約に至っている。
(金融業)…インバウンド効果は消滅したままだが、新型コロナウイルス感染例の少ない地域でもあることから、3か月前に比べ地域における消費行動は相対的に活発化している。外食産業の業況も持ち直しの兆しがみられる。
(新聞社[求人広告])…相変わらず低迷状態が続く求人数だが、前月よりは回復し前年比85%くらいまで戻してきている。ただ、業種的にはIT、通信分野が主流で、新型コロナウイルス流行以前の主流であった流通・サービス業はほとんど見当たらない。

○「変わらない」
(百貨店)…来客数が前年よりも減少傾向にあることは変わらない。客単価は向上しているが販売量も前年には届かない。食料品、特選品以外の領域は商品の鮮度も落ち、苦戦している。
(家電量販店)…一部商品の売行きが伸びているが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、年配の方の来店数が減っているようである。よって全体では変わらない。
(旅行代理店)…新型コロナウイルスの新たな感染者が、減少から急激な増加に変わり、客が増加に向かっていた傾向が急速に冷え込んでいる。Go To Travelキャンペーンによって出掛けようとする客層と、新型コロナウイルス感染者数の増加によって出掛けることを控える客層が共存し、販売が伸びない状況に陥っている。よって、3か月前と変わらず、いまだに非常に厳しい状況にある。
(観光名所)…新型コロナウイルスの影響は大きく、また県内で新型コロナウイルス感染者が確認されたことで地元住民の来場が激減している。
(設計事務所)…官公庁の入札において、最低制限価格を下回り失格となる業者が現れ始めている。受注業務の量と金額の減少が発生することが想定されることから、変わらず悪い状況が続いていると判断している。
(その他住宅[リフォーム])…住宅設備機器は猛暑によりエアコン交換を急ぐ問合せが急増している。リフォームは特別定額給付金の特需で増改築、塗装工事が増えている。
(広告業協会)…地域の夏祭りも軒並み中止で、イベント関連の集客人数緩和に期待していたが先送りされ、広告業界復調の兆しが見当たらない。
(人材派遣会社)…景気はやや悪い状態が続いている。飲食業、旅行業、サービス業は少し回復してきたとはいえ、相変わらず前年の半数、良くても7割くらいしか戻っていない。建設業は新型コロナウイルスの関係で設備投資を控える動きが出てきている。
(職業安定所)…新規求職者はそれほど増えていないが、新規求職者に占める事業主都合離職者の割合が増えている。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…各所で毎年あったイベントが中止となり、それに伴う売上がゼロになっている。
(スーパー)…大雨による被害と青果物の高騰、高温による需要の変化、お盆期間の帰省客の減少で地域の経済環境は確実に悪化している。来客数は95%ながら、パック単価の高騰とまとめ買いで客単価は上がっているが、曜日対比では前年を下回る日が多くなっている。
(衣料品専門店)…例年お盆に関しては、首都圏にいる方々が帰省されて、帰省された御家族を囲んで買物するといったマーケットがある。しかし、今年は首都圏からの帰省がなく、そのマーケットが全くなくなったといっていいくらいお盆商戦が大きくへこみ、大打撃を受けている状況である。
(住関連専門店)…夏の祭りが中止になっており、消費動向がストップしている。
(通信会社)…新型コロナウイルスの影響で客の状況も悪く、新規サービスにつながらない。
(その他サービス[自動車整備業])…6月下旬から7月中旬までは回復基調にあったが、7月下旬の連休以降は一気に冷え込み、来客だけでなく、市中の人の動きが全くない状況である。
(食料品製造業)…6~7月と新型コロナウイルスの影響から少しずつ回復していたが、8月は七夕祭りの中止やお盆の帰省の自粛から、売上は前年の約半分となっており大変厳しい。
(電気機械器具製造業)…米中貿易摩擦により、取引先の生産数が減少傾向で、半導体の受注量が影響を受けている。
(公認会計士)…客の月次、決算状況から判断している。飲食関係は売上が前年水準まで戻らず低空飛行を続けており、苦しい企業が多い。小売店も同様であるが、一部業種は巣籠り需要で業績が伸びている。建設関係は一定程度の業績を維持しているところが多い。
(コピーサービス業)…雇用調整助成金を活用し、社員を計画的に休業させて販売活動を調整してきた。最近は売上を拡大するため徐々に稼働日数を増やしてきたが、計画どおりには売上が伸びず苦労している。まだまだ新型コロナウイルスの影響が続いている状況である。目先の受注獲得のための新型コロナウイルス感染拡大防止商品の扱いを増やしているが、単価が低く業績回復までには至っていない。

○「悪くなっている」
(一般レストラン)…7月に市内で新型コロナウイルス感染者が出た影響を引きずっているようである。来店ではなく出前での注文は増えたが、店内飲食とは違いアルコールやつまみなどの注文がないために売上は伸びない。
(タクシー運転手)…人の移動に関しては公共交通機関の利用客が減ったままの状況である。我々の仕事としても、接遇のチャンスがほとんどない状況になっている。

(2)先行き判断理由
○「やや良くなる」
(その他小売[ショッピングセンター])…新型コロナウイルス感染が多少落ち着いてきたことと、ウィズコロナでの消費スタイルがある程度浸透してきたことによる消費の底上げが期待できる。
(建設業)…公共工事はコンスタントに出件しており、一方で契約までに遅れが生じていた民間案件も、徐々に契約までの道筋が見えてきている。

○「変わらない」
(一般小売店[酒])…売上は少しずつ戻りつつあるものの、ここで上げ止まるとみている。現在の状況が長期化することを考えれば、いかに現状維持で持ち堪えられるかに懸かっている。取引先の状況なども注意深く見ていかなければならない。
(コンビニ)…イベントの開催制限解除がなければ、土日の来客数の増加は見込めず、今後も悪い状況が続く。近隣の会社員客の単価や買上点数は戻っているので、あとはフリー客の回復を願っている状況である。
(衣料品専門店)…来客数及び買上点数等見てみると景気が良いとは感じられない。新型コロナウイルス禍のなかで外出を控えている方はまだまだ多いため、傾向としては変わらない状況が継続すると考えられる。
(その他専門店[酒])…新型コロナウイルスの影響がある限りは大きく変わらない。商売も在宅の消費者を対象にしたものにシフトする等工夫もするが、売上減をカバーするのは難しいとみている。
(高級レストラン)…8月は売上、来客数共に前月より伸びている。9月以降も現状の売上で推移するとみているが、夜の来客数がなかなか伸びず、横ばいである。単価の低いランチ売上が多少の増加になるくらいだろう。ディナーはアルコール飲料の売上が上がってこないため厳しい。
(観光名所)…やはり景気の回復に関しては観光業が最後に回ってくるのではないか。政府のGo To Travelキャンペーンは全く何をやっているのか分からないような状況で、関東方面の客、特に東京由来の客が少なすぎて、なかなかその効果が現れていない。この状況が続く限り、明るい兆しは見えてこない。特に、商品管理、発注管理、賞味期限の管理と管理に回る労力が大きく、売上よりも店をどう維持していくのかが大切になってきている。大変厳しい状況は変わらない。
(通信業)…働き方改革推進支援助成金の影響でテレワーク環境構築を考える取引先は増えたが、助成金の条件などからなかなか受注には至らないケースが多い。
(金融業)…新型コロナウイルス禍の影響は現状水準が維持されるものと見込まれ、小売業、飲食業にも客足は戻りつつある。一方で、観光業、宿泊業は大規模な夏祭りが中止された負の影響をリカバーしきれないまま推移するものとみている。
(経営コンサルタント)…各種給付金、交付金の効力がはげ落ちる時期になり、体力の乏しい企業にとっては正念場となる。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…出張や旅行などによる県外からの人の流入は見込めない。また、県内在住者も旅行や外食を控える傾向は変わらない。
(人材派遣会社)…当面、9月末の契約継続に全社挙げて注力している。新型コロナウイルス禍の中途解約は止まったので、いかに減少幅を最小にするかに集中している。現状維持が目下の目標となる。
(職業安定所)…企業は特例措置が拡充された雇用調整助成金を活用して、失業予備軍といわれる休職者の解雇を何とかしのいでいるといった印象が強い。

○「やや悪くなる」
(家電量販店)…上半期は新型コロナウイルスバブル、いわゆる給付金での底上げ、猛暑でのエアコン需要などが寄与して売上が上がった。しかし、年末に向けて、暖房商品が売れるまでの時期は景気も含めてやや悪くなるとみている。
(乗用車販売店)…新型コロナウイルスの影響で冬のボーナスが出ないという法人が出てきていることで、個人の買い控えが増えてきている。
(コピーサービス業)…新型コロナウイルスの終息がみえず、先行きが見通せない状況である。仕入先も営業時間の短縮や、配送コストの見直しなど厳しい条件が増えつつある。新たな環境下で売上拡大を考えないと、このままジリ貧になっていく可能性がある。
(新聞社[求人広告])…求人業種の主流である流通、観光、サービス等の業種は接客が基本であるため、ウィズコロナの時代にどこまで耐えられるのか、正念場を迎えている。国のGo To Travelキャンペーン政策に頼るところが大きいが、回復までには至らず、求人数の低迷は廃業も増えればますます深刻になることが予想される。

○「悪くなる」
(一般レストラン)…新型コロナウイルスが終息しなければ夜の街全体が元には戻らない。将来の予測が全然できない。
(土石製品製造業)…公共工事、民間需要も低調で、東北全体として7年連続前年実績割れは確実な状況である。コストが上昇しているが価格に反映されていない。物価は上がるが所得が上がらないので消費も低調である。新型コロナウイルスの感染拡大による自粛ムードも影響している。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

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