公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和2年5月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「14.7」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+5.0ポイントと大幅に上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「37.3」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+18.7ポイントと大幅に上回った。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)

現状判断DIは「14.7」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.6ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「38.2」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+19.0ポイントと大幅に上回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 令和 2年 5月25日~31日
回答者数 168/189名、回答率 88.9% (全国1,823/2,050名、88.9%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「良くなっている」

(書籍販売店)…東日本大震災後の販売状況に酷似している。子供たちのために家族が本を買う、あるいは巣籠り状態のために趣味や教養を高めるための簡単な本を買う傾向が強いため、客単価が異常に上昇している。
(家電量販店)…新型コロナウイルスの影響で前半は客の買物も慎重であったが、10万円の給付金が入ることによって客の購買意欲が増しバブルが起きており、前年比で140%になっている。高額なエアコンや、今まで客が買い控えていたような大型テレビなどがよく売れている。ただし、これは一過性のものだとみている。

○「変わらない」
(スーパー)…5月は新型コロナウイルス感染拡大防止対策で、チラシ等販促を中止したため平均1品単価が上昇したが、来客数は減少し、買上点数も前年割れをしている。しかし、売上高は前年をクリアしている。内食化消費が続いている。政府や自治体からの特別定額給付金や補助金が消費の維持につながっているものとみられる。
(コンビニ)…さんざんいわれている不要不急の外出自粛は身に付いているようである。まだまだ不安感は払拭されていない。
(住関連専門店)…新型コロナウイルスの影響で、中旬まで開店休業の状態であったが、今月の後半になってやっと来客数が増えてきて、売上も少しずつ伸びてきている。
(靴専門店)…ゴールデンウィークは休業のため、売上がなかった。営業再開後も行楽や旅行需要がないため、全ての靴が売れていない。
(農林水産業)…稲作等の春作業は特に新型コロナウイルスの影響もなく順調に進んでいる。

○「やや悪くなっている」
(医薬品販売店)…4月は新型コロナウイルス禍による緊張の高まりで特需的な売上があったが、今月はその反動が出ている。さらに、買いだめのなかった客層でも、単価が落ちてきている。特に月末に向けてその傾向が大きくなってきている。
(百貨店)…緊急事態宣言解除後の来街、来店の動きはみられるが、県をまたぐ移動や観光客は少なく、戻ってきたとまではいえない。
(衣料品専門店)…新型コロナウイルスの感染拡大のなか、緊急事態宣言でゴールデンウィークも人出が全然なく、買物客も皆無の状態であった。商品の動きも、マスクの売上が多少増加した程度で他は動きがなく、悲惨な状況である。
(乗用車販売店)…市場環境が悪く前年比60%の実績で推移している。新規の来客数は今月に入り少し例年並みに戻りつつあるが、実績につながっていない。買い渋り傾向にある。
(タクシー運転手)…最近の客は直行直帰のタクシー利用になっている。例えば、新型コロナウイルス前は病院の帰り際、タクシーを待たせた状態で墓参りをする客、買物を済ませ友人宅へ遊びに行く客が多く見られたが、前月からは見受けられない。どうしても必要な区間のみのタクシー利用となっている。
(住宅販売会社)…直接接客ができなくなり、受注及び契約締結の進捗がなく受注が伸びない。
(リフォーム業)…リフォームでは塗装工事が減っている。住宅設備機器の販売では給湯器の交換が減っているが、エアコンを新設、増設する問合せが増えている。
(電気機械器具製造業)…新型コロナウイルスの影響で半導体市場が全体的に縮小傾向であり、半導体メーカーの業績に直接影響しつつある。
(人材派遣会社)…求人数は前月に引き続き減少傾向である。特に業績の先行きが不透明という理由での求人終了が増えている。また、新型コロナウイルスによる外出自粛に伴い、採用活動、面接対応自体が動かないという企業も増えており、採用決定数が下がっている。

○「悪くなっている」
(スーパー)…5月14日に39県の緊急事態宣言が解除されたが、いまだ不安定で不安な状況が続いているため、客は外出を控え、なおかつ買物も控えているという状況である。
(ガソリンスタンド)…緊急事態宣言による外出自粛の影響で出荷が激減している。特にゴールデンウィーク中の出荷が悪い。下旬は上旬と比べて回復しているものの、前年比3割減である。
(高級レストラン)…新型コロナウイルスの影響で1か月ばかり休んでいた。再開したものの、客は全く戻ってこないため、ほとんど収入がない。
(観光型旅館)…前半は休業しており、再開後も外出の自粛などにより細々とした営業状態である。
(旅行代理店)…新型コロナウイルスの関係で、5月は個人旅行店舗の全てを臨時休業としている。そのため売上が全くなく、前年比5%ほどの販売しか見込めないという状況である。
(通信会社)…業種にもよるが、客の設備投資意欲が思わしくない。
(遊園地)…22日まで臨時休園をして、23日からようやく新型コロナウイルスの感染対策を講じて再開している。山場のゴールデンウィークを営業できなかったのは開園以来初めてで、売上への影響は甚大である。
(美容室)…来客数も減少しているが、時間を短くしたいのでカットだけでいいという客が多く、単価も下がっている。
(設計事務所)…新型コロナウイルスの影響で工事が遅延しているものはまだ被害が少ないかもしれないが、中止や見直しを求められている案件を多数聞いている。現在の落札金額も競争の激化と最低制限価格がないために予定価格の30%となるような案件もある。市場の縮小と激化がみられる。
(食料品製造業)…新型コロナウイルスの影響でゴールデンウィークが全く駄目であった。テナント店や直営店のほとんどが休業しており、連休以降営業再開するも売上はひどい状況である。駅など土産中心の店が特にひどい。
(出版・印刷・同関連産業)…売上高は3か月前の約50%弱となっている。緊急事態宣言が発令されてから、イベント関係のチラシ、パンフレットが軒並みキャンセルになっている。
(建設業)…新型コロナウイルス禍の影響で、客先の設備投資計画が遅延や延期に至る状況が出始めている。
(金融業)…新型コロナウイルス禍に係る外出自粛やインバウンド需要消滅の影響が顕在化している。飲食業や宿泊業を中心に、従来規模の営業ができずにこれまで手元資金でやりくりしてきたものの、今になって資金繰りにも苦慮するケースが頻発している。
(飲食料品卸売業)…以前から景気は低調であった。そこに新型コロナウイルスが発生したことから大変な状況である。商品がありさえすればその商品は動くが、小麦粉から作られている粉製品がほとんど入らず、調味料も品薄で非常に困っている。非常に良くない状況である。
(新聞社[求人広告])…地方都市求人の主要業種である流通、飲食、サービス等で経済活動がストップした状態で、その業種はほとんどの求人がない。求人全体でも半分以下である。
(職業安定所)…新規求人数は前年比で4割減少している。求人の取消しもある。

(2)先行き判断理由
○「良くなる」

(観光名所)…県の緊急事態宣言も解除され、これから上向きになっていくとみている。当地の観光資源であるさくらんぼ等も見通しが立たず、舟下りも何日からという予定もないが、今現在がゼロである状況を考えれば、今後は若干は良くなっていく。

○「やや良くなる」
(寝具販売店)…緊急事態宣言が解除されたので、感染に十分注意しながら客回りを開始するため、幾分状況が改善され商品が動くと予想している。
(コンビニ)…外出自粛解除により来客数の回復が見込まれるが、各地で夏祭りが中止されるなど、今後も厳しい状況は続く。
(衣料品専門店)…首都圏での感染が少なくなり、東北では新規の感染者が出ていないという状況で、感染防止の対応をしていけば大丈夫だという空気になりつつある。特別定額給付金の10万円の支給が本格的になれば、震災後のプチバブル的な需要喚起が起きるのではないかとの希望的観測を持っている。そのような兆しがうかがえる客がいる。10万円の支給が景気の起爆剤になるのではないかと期待している。
(ガソリンスタンド)…緊急事態宣言中と比較すれば人の動きは増え、それに伴い燃料油の出荷は増えてくると想定される。経済活動が完全に戻るとは思えないが、今月よりは回復する。
(旅行代理店)…緊急事態宣言が全国で解除になった。新型コロナウイルス終息に向けての兆しが見えてきている。旅行業界では「Go To Travelキャンペーン」が成功することによって客が動き、良くなってくるとみている。
(出版・印刷・同関連産業)…緊急事態宣言が全国的に解除されたが、各業種とも回復には数か月掛かるとみられることから、印刷物の需要は戻りが小さいとみている。しかし、少しずつ良くなっていくのではないかと予想している。
(広告代理店)…緊急事態宣言解除により、少しずつ経済は回復していくだろうが、以前の状態には戻らないとみている。仕事の内容や受注の方法を変えていかないと生き残れない。
(経営コンサルタント)…緊急事態宣言が解除され、多少なりとも経済活動が上向きになることを期待している。第2波が来たらアウトだが、上手く乗り切れれば、下半期には回復する業種も期待できる。
(人材派遣会社)…新型コロナウイルスが落ち着き、新しい生活スタイルに慣れてくれば変わっていくとみている。

○「変わらない」
(乗用車販売店)…新車の入荷は工場の休止や時短もありしばらくは納期が掛かるため、売上が先延ばしになりすぐにはばん回できる見通しは立たない。中古の相場もやや落ちているため、年内で併せて見込んだ収益まで戻るかどうか分からない。
(美容室)…売上はもう少し戻るとは思うものの、新型コロナウイルスの状況がどのように変わってくるのかは先行き不透明な部分が多い。そういったことを考えると安穏とした気分にはなれない。
(金融業)…大型イベントが相次ぎ中止となり、観光関連業界のダメージが大きい。地場老舗ホテルが破産する等インパクトある事象も発生しており、関連事業者への影響拡大が懸念される。雇用動向も上振れが期待できないなか、消費マインドも当面は保守的に推移するものと予想している。
(新聞社[求人広告])…緊急事態宣言の解除を受け、少しずつだが経済活動が再開されているものの、そのまま良い求人や求職活動につながる気配は全くない。依然として厳しい状態が続くとみている。その中にあって、通販等の新しい対応に力を入れ始めている企業も増えている。それがうまくいくかどうかが活性化の兆しになるかどうかのポイントになるとみている。

○「やや悪くなる」
(リフォーム業)…新型コロナウイルスの影響により問合せが減っている。営業の自粛を継続している。
(食料品製造業)…5月後半から6月に掛けて店舗の営業時間も通常に戻るところが多いが、人出はまだ少ない。県外からの客が来るまでにはまだまだ時間が掛かりそうで、土産が売れ始めるのはまだまだ先である。あと何か月我慢すればいいのか分からない。
(人材派遣会社)…新型コロナウイルスの影響が長引く恐れがある。新しい生活様式は消費に大きな影響を与え、経済がやや縮小するとみている。

○「悪くなる」
(スーパー)…新型コロナウイルス関連で収入が減ることにより、消費の減少が生まれる。特に価格に敏感になり、買上点数も減少の傾向になる可能性は高い。今後ますます収入減の影響が大きくなる。現在も生鮮の売上は良いがグロサリーの売上は慎重になっているため、来客数の減少が大きな影響を与えている。
(建設業)…客先の設備投資計画の延期や中止は、受注予定の減少につながり、受注の減少は競争の激化、さらには売上の低下に直結する。また、関連する専門工事業者にもその影響が及ぶと推察される。
(コピーサービス業)…政府の経済政策の遅れが気になる。体力のない企業は倒産に追い込まれ、先行きが不安である。当社の客は中小企業及び零細企業が多く、どれだけの企業が持ちこたえられるか見通しが立たない。既に飲食業からは何か所かから閉店の連絡が届いている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。    以上

 

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