公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年1月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「34.4」と3か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.8ポイントとわずかに低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「40.5」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+5.7ポイントと大幅に上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「30.8」と3か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲7.2ポイントと大幅に低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「41.2」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+6.3ポイントと大幅に上昇した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年1月25日~31日
回答者数 173/189名、回答率 91.5%(全国1,840/2,050名、89.8%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由
○「良くなっている」
(建設業)…大型公共工事の受注により、3か月前と比べて上向いている。

○「やや良くなっている」
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…緊急事態宣言が発表されたことから、1月の客の動きは鈍化することを予想していたが、前年比8割での推移となっている。例年よりも積雪などで天候不良が多かったことを考慮すると良い状況である。
(電気機械器具製造業)…半導体部品の需要が徐々に上がってきたことに伴い、受注価格、販売価格も徐々に上がっており、景気は上向き傾向である。
(人材派遣会社)…飲食店業界は非常に厳しい状況が続いているが、一方で、電子商取引のシステムや提案をしている企業は非常に堅調である。あるいは、スーパーの企業も求人活動を開始したり、大卒の採用の準備を始めたりしている。そういう意味では、業界、業種によって差はあるが、やや持ち直してきているという印象を受ける。

○「変わらない」
(スーパー)…平均1品単価の前年比の伸びが落ちてきている。買上点数の推移は変わらないが、来客数の前年割れがやや拡大している。反面、緊急事態宣言を受け、外出を控える傾向が強くなっていることから、まとめ買いとなってきて客単価が前年比1割以上伸びてきている。ただ、全体的な消費の推移、傾向は変わらない。
(乗用車販売店)…新車販売はおおむね前年並みである。しかし、例年年明けに活発になるはずの中古車商談が少なく、2~3月にかなり不安を残す状況である。ディーラーに余り在庫のない、現状渡し、保証なし、訳アリ等のごく低価格帯の車を要望する客からの声がいつも以上に強い。家庭によって車に掛ける金額の差がかなり拡大していることがうかがえる。
(金融業)…年末年始商戦が終わり小売業を中心に一服感はあるものの、観光、ホテル業界においては他地域での緊急事態宣言の発令などにより、引き続き新型コロナウイルスのマイナスの影響を受けている。消費マインドの面でも同様にネガティブな影響を受けている。
(新聞社[求人広告])…求人数だけみれば前年を上回り110%近くになっている。ただ、テイクアウトスタッフや介護関係、在宅バイト等、コロナ禍での需要がある業種に限られており、通常募集の主流である飲食、流通、サービス等は少なく、景気は上向きとはいえない状況である。
(職業安定所)…直近3か月の有効求人倍率は、0.96倍、0.99倍、0.99倍で、足踏み状態となっている。

○「やや悪くなっている」
(一般小売店[酒])…首都圏に緊急事態宣言が発令されて以降、飲食店、旅館、観光施設などへの販売量が更に減少している。それぞれ、生き残っていくために定休日を設けたり、当面休業に踏み切るなどの対策を講じている。今月中旬以降、販売量の減少に拍車が掛かっている。
(百貨店)…今月は新型コロナウイルスの感染拡大に加え、天候面でも低温や降雪の影響があり、来客数が平年より非常に少なくなっている。
(衣料品専門店)…何かの行事に合わせて必要なものや、子供服のように成長に合わせて必要なものへのニーズはある。しかし、一般消費者のおしゃれを楽しむためといった理由のニーズは目に見えて減少してきている。
(住関連専門店)…雪で天候が悪かったこともあって来客数が減少しており、悪戦苦闘が続いている。
(その他専門店[ガソリンスタンド])…以前から落ち込んでいた販売量が更に前年比3~5%落ち込んだ。年末年始の移動需要の減と外出自粛が影響しているとみている。
(住宅販売会社)…展示場が古いため集客に乏しく、受注が減っている。
(土石製品製造業)…令和2年度の出荷は、4月以降前年比で毎月10%程度減少し続けている。回復の兆しが見えない。
(輸送業)…新型コロナウイルス感染症の第3波が拡大し、年が明けてから緊急事態宣言が発令された県が11都府県に及んだ。この影響を主要製造業取引先も受けており、売上は前年比で15%の減少見込みである。
(広告業協会)…Go Toキャンペーンの一時停止の影響で、旅行会社、ホテル、旅館、飲食業等の広告出稿が完全にストップしている状態である。イベントの復活もままならず、主要都市に発出された緊急事態宣言が広告市場を更に落ち込ませている。 
(コピーサービス業)…テレワーク及びオンライン授業の影響で、オフィスや学校で印刷出力する機会が減り、メンテナンス関係の収益の前年割れが続いている。それを補う販売活動はここに来て小休止している。

○「悪くなっている」
(コンビニ)…大雪と新型コロナウイルスの影響で、売上は大幅に減少し、除雪代、光熱費は高騰している。そして、相変わらずの人手不足である。国の補助の対象になっていないので厳しいというレベルではない。冬を越えらないオーナーも出てくるのではないだろうか。
(高級レストラン)…新型コロナウイルスの影響で客が全く来ない。
(一般レストラン)…全くもって1月はひどい状態である。予約もほとんど入らず、今まではある程度入っていたランチタイムの客も極端に減っており、経営がかなり困難な状態になってきている。
(観光型旅館)…新型コロナウイルス感染者の増加に伴いGo To Travelキャンペーンが停止したため、キャンセルが多くなっており、運営ができない状況が続いている。2月末までは休業する予定である。
(旅行代理店)…Go Toキャンペーンの停止に続き、緊急事態宣言の発令により、法人団体旅行のキャンセルのみならず、延期、再延期だった3月までの修学旅行も全面的にキャンセルとなっている。個人旅行も動きが止まったままで、最悪の状況に陥っている。
(通信会社)…商品の購入場所が店舗からネットに流れており、来客数が前年の8割程度になっている。
(観光名所)…会社自体が休業している。景気うんぬんの数字を語る前に、どのように会社を存続させていくかという話になっている。客が来る来ないにかかわらず、出るものを抑えるための休業ということで、客を呼び込むこともできない非常に厳しい状況である。
(競艇場)…何が原因なのかはまだ分かっていないが、最近リピーターが少なくなっている。
(美容室)…新規客は前年比70%くらい、既存客の再来店率はこのところずっと90%であったのが80%くらいに落ちてきている。新型コロナウイルスを警戒する客がまた増えてきているのではないかとみている。
(設計事務所)…契約の先延ばしや単価率の低下が出始めてきた。復興期を過ぎ、ただでさえ業務量が縮小しているなかで、大きな痛手となりかねない状況である。
(食料品製造業)…新型コロナウイルス感染拡大、緊急事態宣言、Go Toキャンペーンの一時停止により、年明けから人の動きが停滞している。取引先である観光関連施設は休業する店舗も出てきており、受注もほとんどないため、工場の稼働も縮小している。

 

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(百貨店)…気温の上昇やワクチン接種などにより新型コロナウイルスの感染者数が減少し始め、消費マインドも新年度に向けた晴れの需要とともに回復してくることに期待している。
(コンビニ)…新型コロナウイルスの感染状況にもよるが、気温の上昇とともに来客数の微増が見込まれる。
(衣料品専門店)…緊急事態宣言が終了し、各学校の入学式が開催されることになれば、スーツ需要が喚起され、景気は上向きになると予想される。
(観光型ホテル)…新型コロナウイルスの感染状況次第だが、ワクチン接種が進み、気候が暖かくなれば、少なくとも今よりは状況が良くなることを願いたい。
(観光名所)…新型コロナウイルスワクチンの接種が進むことが条件となりそうだが、前年は花見を我慢した観光客が来場してくれることに期待している。
(新聞社[求人広告])…新型コロナウイルス対策のワクチン接種の道筋が見えてきたため、一部で混乱はあるかもしれないが人の動きや消費マインドに明るい兆しが見えてくるとみている。年度替わりとも重なるため、地方においても期待感が膨らむ。

○「変わらない」
(スーパー)…来客数は減少しているが、単価がアップしている分、売上は何とかぎりぎりのところで維持している状態が続いている。一概に良いとはいえないこの状況はこれからも続くとみられる。
(乗用車販売店)…雪が解け、決算期になると現在より受注実績は伸びるが、半導体不足により新車生産台数に制限があり、入庫台数が減少すると売上も減少する。
(住宅販売会社)…近日中に新展示場がオープンするので、新規客及び契約見込み客が増加し、受注が拡大する見込みである。
(広告代理店)…ワクチン接種はまだ先であり、東京オリンピック開催も怪しい状況で、好転するきっかけも見いだせない。
(コピーサービス業)…本来は年度末に向けて商談件数が増えていく時期だが、今年は年が明けても動きが鈍く、新型コロナウイルスの影響か、様子を見ている感じがある。本当に先がみえない状況である。

○「やや悪くなる」
(商店街)…地方であっても自主的に自粛しているので、このまま経済活動は停滞していく。
(農林水産業)…大雪により融雪剤等の出費が増えることが予想される。
(建設業)…新年度へ期をまたいで契約する案件の受注が見込まれるものの、コロナ禍による民間投資減による受注量低下は避けられないと推測される。
(輸送業)…緊急事態宣言が解除になり、ワクチンの接種が国民に実施されるまでは、景気回復は難しいとみている。
(経営コンサルタント)…資金繰りに行き詰まり倒産、廃業の瀬戸際に追い込まれる事業体が増えるとみている。
(人材派遣会社)…新型コロナウイルスの影響が大きく、政府からの雇用継続の要請が出ている。しかし、3月の派遣契約の延長なしに加え、求人数の動きが少ないこともあり、離職者が増える可能性が出てきている。
(職業安定所)…助成金などを活用しながら、厳しいなかでも雇用を維持してきたものの、雇用調整を行わざるを得ないという事業所の情報が入ってきている。

○「悪くなる」
(旅行代理店)…緊急事態宣言も2月7日で終わるとは思えず、先行きは更に不透明感が増している。このような状況下では旅行需要が増える要素は何もないため、かなり前から入っていた予約も今後の状況次第ではキャンセルになるとみている。
(食料品製造業)…新型コロナウイルスの影響が大きく、先がみえない。この状況がいつまで続くか分からず、資金面も心配である。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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