公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年9月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「36.3」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+4.5ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「56.9」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+17.0ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「38.5」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+6.2ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「55.5」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+17.6ポイント上昇した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年9月25日~30日
回答者数 168/189名、回答率 88.9% (全国1,830/2,050名、89.3%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(建設業)…取引状況については良くなっている。街中でも新規着工している様子が見られる。

○「やや良くなっている」
(スーパー)…6月時点の売上は前年比96.6%、来客数は前年比97.2%に対して、現在の売上が前年比100.9%、来客数は前年比99.4%となっている。売上、来客数共に月を追うごとに前年並みに近づいている状態である。
(家電量販店)…季節的な商品は前年よりも売上が悪いが、テレビなどの大型商品が好調となっている。新型コロナウイルスの影響も収まりつつあり、客の購買意識も改善しているようである。
(住関連専門店)…新型コロナウイルス新規感染者数が減少している。また、お彼岸で当店の主な客である高齢者が買物等にやや動き出しているため、売上もやや持ち直している。
(観光名所)…様々な場所での宣言解除により、来客数は少しずつではあるが増えている。さらに、訪れた客が金を使い単価が非常にアップしており、やや上向きになっている。
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…9月の来場者数は前年比約70%、過去5年平均比約65%となっている。週末の来場者数は少しずつ向上しているが、感染症対策の兼ね合いから集客を狙ったイベント開催はまだ難しい。

○「変わらない」
(商店街)…割り増し商品券等の効果がみえず、景気が浮上する気配がない。
(百貨店)…新規感染者数の増加、自治体のワクチン接種の遅れ、県独自の緊急事態宣言により、8月から状況がどんどん悪化していった。月中の緊急事態宣言解除後も状況は変わらず厳しかったが、月末になりようやく改善し、上向きになってきている。
(乗用車販売店)…ここ数か月で各社の新型車発表が続いたこともあり、その話題性から来客数も多くなってきている。販売店としてはうれしいことといえるが、一方でメーカーの生産調整による長納期の影響も大きく、来場増が販売にうまく結び付かないのが現状である。
(その他専門店[白衣・ユニフォーム])…前年よりは観光地などに客が少し戻りつつあるが、それでも例年の半分以下で、そこから制服への注文にはならない。外食産業も同じく、地元のレストランや食堂からの注文はほぼゼロに等しい。
(その他小売[ショッピングセンター])…感染状況が落ち着いてきたせいか多少客足は伸びてきているが、まだまだ購買にはつながっていない様子がうかがえる。
(高級レストラン)…僅かだが、レストラン利用の客が増えてきている。
(一般レストラン)…低空飛行が続いている状況である。最近は感染状況が落ち着いてきたこともあり、来月以降の予約問合せの電話が多少入り始めているが、今のところはまだまだ客が来ない状況である。
(観光型ホテル)…全国的に緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ている限り、消費者の経済活動は活発化しないとみている。
(旅行代理店)…緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による人流抑制により、個人旅行や団体旅行が上向きに転じるには至っていない。ワクチン接種と県をまたぐ移動の規制解除が業界にとっての生命線である。
(通信会社)…前月同様変化はない。高級志向が年々下がり、ブランド志向も変わり、良いものを安く購入する人が増えている。薄利多売のため変わらない。
(その他サービス[自動車整備業])…コロナ禍による消費者マインドの疲弊は大きく、売れない状況が続いている。引き籠り状態で、前向きの明るい気持ちになれない人があふれている。
(出版・印刷・同関連産業)…今年も秋のイベントが軒並み中止となり、印刷物の注文がない。
(輸送業)…9月に入って若干ではあるが売上が前年並みのところまで戻ってきた。上半期の売上は前年比99%である。ただし、前々年比だと85%であり、依然として厳しい状況である。
(通信業)…客もリモートワークにシフトするニーズに変わりつつあり、その傾向に合わせていく必要を感じる。
(広告代理店)…新型コロナウイルスによるイベント中止などが引き続きある。
(人材派遣会社)…現状、企業側の採用の動きも大きな変化はない。年内はこの動きは続くと考えられる。
(職業安定所)…求人数に大きな増減はない。

○「やや悪くなっている」
(一般小売店[酒])…新型コロナウイルス新規感染者数の増加が続いたことが影響し、夜の飲食店及び旅館関係への販売量が著しく減少している。週末の日中は多少なりとも人の動きはあるが、平日の夜ともなると繁華街でも人通りが全くないと客からは悲鳴があがっている。
(美容室)…今月前半は来客数が前年の8割程度まで落ち込んだ。しかし、まん延防止等重点措置が月末で解除となりそうな状況になってきたことから、前年比90%くらいに戻りつつある。景気は悪いが良い兆候もみられるようになってきている。
(設計事務所)…専門誌の官公庁案件の建築設計及び工事監理業務の落札率を確認すると、直接工事費にも満たない落札、最低制限価格や調査基準価格を想定した金額での応札の割合が増えていることから、低価格での受注が増え、状況が悪化していることがうかがえる。
(金融業)…新型コロナウイルス感染の一服感とともに観光、宿泊関連が活気を取り戻しつつあった。しかし、東京オリンピック開催前後から県内でも感染が再拡大し、県外からの人の流れも再び細った。9月には県が独自の対策により、人の移動や密状態形成の自粛を主導している。その結果、個人消費も伸び悩んでいる。
(コピーサービス業)…半導体の品薄状況に変化はなく、メイン商品であるIT機器の入荷が遅れた状態が続いている。他の商品でカバーしようとしたが埋めきれていない。

○「悪くなっている」
(衣料品専門店)…新型コロナウイルスで停滞感があるのか、来客数が少ない。
(食料品製造業)…4~7月までは前々年よりは悪いが前年よりはプラスで推移していた。しかし、8月からは前年も割るようになってきた。新型コロナウイルスの影響で当県も緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ているため、売上がかなり厳しい。
(新聞社[求人広告])…緊急事態宣言発出に伴い、若干動きが見えた経済活動、イベント、広告などが一気にストップし、7~8月の売上が急減している。今月も先が見通せず動きは止まったままである。経済活動再開の見極めもできず、宣言が解除されてもしばらく様子見が続きそうである。

 

(2)先行き判断理由

○「良くなる」
(人材派遣会社)…緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が9月30日で解除されるため、飲食業でも10月の予約が入ってきている。アミューズメントや旅行の予約などでも各団体の動きが出てきている。各物流会社でも物の動く準備としてフォークリフトや倉庫の人員を補充し始めている。ここに来てあらゆる業種からの求人の問合せが増えてきているため、景気の回復を見込んでいる。

○「やや良くなる」
(コンビニ)…緊急事態宣言も全国的に完全に解除になるということで、人流も増え、飲食店街や土日の客足も大分戻ってくることが予想される。今より悪くなることはない。期待している。
(住関連専門店)…ワクチン接種もかなり進んでおり、経済活動の制限も解除されるので、経済が活発化し景気も徐々に上向きになるとみている。
(その他専門店[食品])…今月で宣言解除の方針とのことなので、少し来客数が回復するとみている。しかし、年明けには新規感染者数の増加で再び来客数が減っていくのだろう。あと1~2年はこの繰り返しではないだろうか。
(一般レストラン)…まん延防止等重点措置の適用が9月末で終わる。現在休業しているので、10~12月はやや良くなるとみている。ただ、コロナ禍以前のような状況に戻るにはまだかなり時間が掛かるとみている。
(観光型旅館)…ワクチン接種、緊急事態宣言の解除、新規感染者数の減少と条件は好転してきたので、これからの行楽シーズンに期待したいところである。第6波の懸念もあり大きく好転とはいかないが、今よりは良くなるとみている。
(通信会社)…緊急事態宣言やまん延防止等重点措置も解除され、ワクチン接種率も上がっていることから、人が動きやすくなる。
(テーマパーク)…緊急事態宣言解除や県民割などにより、来客数の増加に期待ができる。
(輸送業)…ようやく最近良くなる兆しが若干みえてきた。ワクチン接種が進んできたことが要因の1つだとみている。今後緊急事態宣言等の制限解除により経済活動が動き出せば物流量も増えてくるとみているが、主要製造業取引先は新型コロナウイルスの感染拡大以前から減産を実施しており、新型コロナウイルス感染が収まっても回復は余り期待できない状況である。
(金融業)…ワクチン接種も一巡し、これからは秋の自然観光資源と共に一次産品流通が盛り上がる時期を迎えることもあり、諸経済活動に活気が戻るものと期待している。
(公認会計士)…ワクチン接種が進み感染が落ち着いてくれば、政府の振興策にもよるが、飲食、小売、サービス業などで業績の回復が見込まれる。建設関係の一部落ち込みはあるが、全体としては景気が上向くとみている。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…10月より県内の飲食店の営業時短要請、酒類の提供停止要請などの制限が全面解除される。
(新聞社[求人広告])…県独自の緊急事態宣言も解除となり、県の旅行支援が再開する。関連業界も含めた経済活性化につながるとみている。
(職業安定所)…飲食店など人流に左右される業種は、ワクチン効果による人流回復によって年末にかけて少し上向き、求人も増えるのではないかとみている。

○「変わらない」
(スーパー)…10月はワクチン接種も更に進み感染者数も減少し、社会活動、経済活動等制限解除も徐々に進む。経済対策等も検討されているようなので、第6波が発生しなければ、企業や事業所の活動も正常に戻ると期待したい。ただ、国内経済の対策効果には期待しているが、海外との交易の正常化には時間を要するようなので、景気の浮揚にも消費拡大にももうしばらく時間が掛かるとみている。
(競艇場)…今が過去最低の状態なのでこれ以上落ち込むことは考えにくい。しかし、イベント等で来場促進を行っていないことから売上が上がることも考えにくく、現状維持が精一杯とみている。
(住宅販売会社)…相変わらず一般物件の受注は好調だが、木造住宅の受注は低迷している。ただし、大小不動産売買の動きは好調である。
(出版・印刷・同関連産業)…緊急事態宣言やまん延防止等が解除されても、人々の行動様式が即座にコロナ前までのように回復するとは思えない。日常を取り戻すには相応の時間を要する。
(建設業)…ワクチン接種が進むまでは大きな変化はないとみている。

○「やや悪くなる」
(コピーサービス業)…半導体の品薄解消のめどが立っていないことに加え、ここに来て仕入先からの値上げ要請がまた増えてきている。現状では良くなる材料が見当たらない。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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