公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年5月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「39.7」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+4.0ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.6」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+3.2ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「38.0」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+1.3ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.1」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+2.9ポイント上昇した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年5月25日~31日
回答者数 175/189名、回答率 92.6% (全国1,831/2,050名、89.3%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(建設業)…公共、民間共に大型案件を受注している。

○「やや良くなっている」
(住関連専門店)…県内の新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向になってから、来客数が増えてきている。大きな売上ではないが、一時期よりは持ち直している。
(競艇場)…来客数に変わりはないが、大口客が来ていたため客単価は上がっている。
(設計事務所)…当県においては、新型コロナウイルス感染の人数も抑えられ、県境をまたぐ業務についても対面での打合せが多くなり始めている。また、新年度となり官公庁からもまとまった数の業務が発注され、落札価格の低下はみられるものの、県が最低制限価格の適用範囲を拡大したこともあり、低価格落札にも一応の歯止めが掛かっている。県内の全ての自治体に最低制限価格の適用が拡大すれば、受注者の収益の安定性も図れるようになり、景気の上向きにも貢献するものとみている。
(学校[専門学校])…有効求人倍率が微増している。しかし、減少している業種もあるため、分野ごとでみた場合、一概にはいえないかもしれない。

○「変わらない」
(商店街)…コロナ禍の長期化から外出が増加し、商店街の来街者数は回復傾向であるが、飲食店を中心に店舗内での滞留時間は減少しているため、売上アップにはつながっていない。
(家電量販店)…前年は10万円の定額給付金があり、来客数が大きく伸びた。今年は減少しているものの、前々年との比較では微増となっている。
(乗用車販売店)…半導体の不足により車の納期がかなり延びてきている。車検までに間に合わず、仕方なく車検を取るケースも増えてきている。
(その他小売[ショッピングセンター])…新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、飲食店を始め来客数が減少しており、依然厳しい状況にある。
(観光型旅館)…新型コロナウイルスの感染状況が落ち着かず、相変わらず自粛傾向が続いている。売上は半減の状態が続いている。
(旅行代理店)…旅行業につき依然大変厳しい状況にある。商材の特徴ゆえ販売傾向が感染状況の影響を受けることと、東北旅行においては、東北の人流に限らず首都圏マーケットの人流が販売の主であることにより、まだ反転の気配がみえない。一部県での感染状況の改善、並びに地域観光支援事業が始まったことで、若干の回復基調がみられる。販売チャネル別では、来客数が極めて低調で推移しており、店頭販売が苦戦している。その分、Web予約、コールセンター予約は健闘しており、客の外出自粛、非接触サービスへの代替希望が確認できる。
(タクシー運転手)…新型コロナウイルスのワクチン接種が開始されたためか、1日の乗車回数が前月比で約1.2倍となっている。ただし、売上金額は前月から上昇していない。つまり、近場利用の客が増加しているということであることから、景気が上向きと判断するのは難しい。
(出版・印刷・同関連産業)…5月からはイベントの季節であるが、2年連続の中止は厳しい。
(広告代理店)…引き続き感染状況の見通しが立たず、東京オリンピックの開催可否による関連イベントの受注減などのリスクが見通せない。
(経営コンサルタント)…1年以上コロナ禍での停滞感が続いており、日常化してしまっている感がある。
(人材派遣会社)…業界によって差が非常に大きく開いている。同じ小売業でも、アパレル、靴、宝飾品は厳しいが、巣籠り消費のガーデニング関係、ゲームソフトといったところは求人も堅調に伸びている。外食やホテル、宿泊、旅行、パチンコなどのアミューズメントの求人は相変わらず非常に厳しい推移になっている。
(職業安定所)…新規求人数はコロナ禍において回復しておらず、1年前から横ばいのままである。飲食サービス業で求人募集が減っているものの、自動車部品や産業機械製造業からの求人募集が増え始めている。

○「やや悪くなっている」
(コンビニ)…ゴールデンウィークの来客数減少が響き、今月の売上は厳しい数値である。
(衣料品専門店)…依然、新型コロナウイルスの感染者数や変異株の多発により客足がさっぱりで、売上が半減している。
(高級レストラン)…夜の入客が一層少なくなっている。
(通信会社)…新型コロナウイルス感染者が継続的に出て拡大し続けているため、訪問による対面説明などができず、契約が停滞している。電話などで訪問によらない加入説明などもしているが、市中感染がまん延してきているため、緊急性もなく、商談も延期になるものが増えてきている。また、節約のためということで、解約者も少しずつ増えてきている。
(遊園地)…22日まで休園した前年と比べて今年は営業できているだけいい。まん延防止等重点措置は11日で終了したものの、コロナ禍前の前々年との比較では半分を少し下回っている。
(美容室)…前年は月半ばに緊急事態宣言が解除され、後半はその反動で売上がある程度回復した。今年は月初めにまん延防止等重点措置が解除されたものの、来客数は前年の勢いとは違って鈍化しており、リターンの期間も延びている。今も警戒中の状態が続いているようである。
(その他住宅[リフォーム])…住宅設備機器はエアコン以外の動きが鈍くなっている。リフォーム工事は高額の工事が減っている。
(農林水産業)…新型コロナウイルスの影響もあり、米などの主要作物の価格が下落している。一方で、農業資材の価格は若干上昇しており、収益を圧迫している。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…緊急事態宣言の延長、適用地域の拡大、酒類提供の終日停止により飲食店を中心とした酒類の動きがストップしている。

○「悪くなっている」
(一般小売店[医薬品])…5月はゴールデンウィークがあり少し人の流れがある状態であった。しかし、4月からの時間短縮営業が引き続き行われていたので、繁華街は20時になると真っ暗になり、人の流れはストップし、人は全く来ない状態である。
(一般レストラン)
…レストランを取り巻く環境は厳しいと毎月のように言っている。緊急事態宣言が出ている都道府県もあり、当県では時短要請がなされている。特にディナータイムは5月中に1組しか来ていないような状態である。非常に厳しく、お手上げの状態である。
(土石製品製造業)
…地域間格差はあるものの、東北全体としての出荷は前年比2けたのマイナスとなっている。
(金属製品製造業)
…予定されていた受注が新型コロナウイルスの影響で後ろ倒しになっている。

 

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(一般レストラン)…ワクチンの接種率が上がってくれば良くなる。しかし、1年以上も続くコロナ禍において急激に良くなるということはなく、徐々に良くなるのではないかとみている。
(観光型旅館)
…ワクチンの供給について、種類も増え、特に首都圏で接種が進むことにより、人流が増えることを期待したい。また、本県での宿泊施設に対する助成について、今夏も実施されることが決まっているので期待している。
(タクシー運転手)
…タクシーを利用している高齢者の方々は、感染が怖くて外出控えをしているので、ワクチン接種が進むにつれ、我慢していた外出を1人、2人と始めることは明らかである。勾配はかなり緩いラインを描くと思うが、景気に変化をもたらすと推察される。
(出版・印刷・同関連産業)
…ワクチンの接種の人数次第では、やや盛り返すのではないか。
(人材派遣会社)
…業績の回復が見込めないと、求人にも跳ね返ってこない。ワクチンがある程度浸透すれば業績の回復を見込める企業もあり、そういった企業が求人回復、採用を復活させることが予想される。
(職業安定所)
…働き盛りの人へのワクチン接種開始が鍵になるとみている。売手市場だった雇用情勢に戻っていくことができれば、県内への企業の誘致、工場の増設の話もあり、期待が持てる。

○「変わらない」
(商店街)…新型コロナウイルスワクチン接種が進んでおらず、安心して外出できる環境ではないことから、現在と変わらない。
(スーパー)
…6月は経済活動の活性化や景気回復、消費の拡大の切り札としてのワクチン接種が緒に就いたばかりなので、しばらくは同じ状況が続くものと推測している。
(家電量販店)
…コロナ禍でショッピングを自粛している状況は変わらないと予想している。
(輸送業)
…ワクチン接種率が増えていくのと並行して景気も回復していくと予想する。インド変異株が猛威を振るわないうちに、ワクチン接種が劇的に進捗することを願っている。
(通信業)
…緊急事態宣言及び時短営業が長引いていることで経営が厳しくなる企業も増えており、営業を断られることも増えている。
(広告業協会)
…夏の三大祭りの1つが前年同様中止との発表があり、イベントの復活にはまだ遠い道のりである。ワクチン接種が順調に、早期に進むことだけが頼みの綱である。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])
…ここ数か月間でワクチン接種が進むのは高齢者が中心で、新型コロナウイルスの感染拡大のリスクは今後も変わらない。現在の緊急事態宣言の発出と解除が繰り返されると予想している。
(学校[専門学校])
…コロナ禍において、巣籠り需要の継続により、テイクアウト等のサービスを展開できる業種は求人の増加が想定されるが、観光等の業種は依然厳しい現状が続くとみられ、総合的には変化がないとみている。

○「やや悪くなる」
(百貨店)…ワクチン接種次第である。近隣のショッピングセンターや学校等でも感染者が出ており、いつ外出自粛になってもおかしくない状況である。それまでは粛々と営業するしかないと考える。
(コンビニ)
…新型コロナウイルス感染者数が増えてきて、ワクチン接種も進まない状況では、良くなる要因がない。
(乗用車販売店)
…ボリュームゾーン車種の半導体不足による生産遅延から、更に受注につながりにくい構造になっている。客の購買マインド低下にも影響している。
(その他専門店[白衣・ユニフォーム])
…東京オリンピックの開催は1つの起爆剤になるのではと考えているが、うまくいくかどうか分からないのが本音である。飲食店の廃業なども今後ますます増えていくのではないかと危惧している。
(電気機械器具製造業)
…半導体需要が落ち着きつつあり、今後としては従来の価格帯に戻るとみられ、相対的に景気は若干悪くなると考えられる。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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