公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和4年12月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「42.0」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.3ポイント低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「44.8」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+4.6ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「42.6」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.7ポイント低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「43.9」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+4.2ポイント上昇した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和4年12月25日~31日
回答者数 172/189名、回答率 91.0% (全国1,814/2,050名、88.5%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(タクシー運転手)…3か月前にはいなかった実車したままタクシーを待たせる利用者が出てきている。また、目的地への片道利用ではなく、往復での利用者も出ている。売上は前年比1.4倍が見込まれる。
(競艇場)…年末年始は大きなレースの開催が多いため来客数が伸びており、売上が良くなっている。
(輸送業)…新型コロナウイルスの感染状況やウクライナ情勢、中国の景気動向等により、景気が良くなりかけたり悪くなったりしているが、最近ようやく若干良くなりつつある。
(人材派遣会社)…求人数の増加が顕著で、適切なマッチングを促進していくことで成約件数を伸ばせる状況にある。
(新聞社[求人広告])…新型コロナウイルスの新規感染者数は増加しているが、特に規制もないため経済は回り出しており、求人広告に対する需要は増加傾向にある。しかし、多くの企業で人材確保が大きな課題となっていることから、求める人材を確保しにくくなっているとみている。人材確保が計画どおりできていないことは長期的にマイナスに働く可能性が大きい。

○「変わらない」
(商店街)…新型コロナウイルスの新規感染者数が増加傾向にあるなかで、商店街の売上は横ばいである。客の消費意欲は食品や光熱費の値上がりの影響を受けており、3か月前と変わらない。
(スーパー)…12月の平均1品単価前年比が5%を超えてきた。来客数の前年割れは同じ傾向だが、買上点数の減少率が来客数の減少率より大きくなっており、買い控えがみられる。ただし、売上前年比は前年並みで、横ばいである。新型コロナウイルス感染症発生前には戻っていない。
(コンビニ)…3か月前とそれほど変わらず、少し悪い形での横ばいであり、なかなか上向いてこないのが現状である。品物がどんどん高くなっていることが原因とみている。
(住関連専門店)…正月の準備と一緒に仏壇の整備を行う人が多いようで、小物仏具類の販売量が多くなっている。寒さは厳しいが雪が少ないことも後押ししている。
(その他専門店[酒])…公務員のボーナス時期に新型コロナウイルスの新規感染者数が増加しため、地元飲食店は集客、売上に苦戦している。店頭販売も低調とまではいかないが伸び悩んでおり、やや苦戦している。
(旅行代理店)…秋季は全国旅行支援の実施により販売が伸びたが、閑散期に入り販売が大きく落ち込んでいる。1月の全国旅行支援の詳細発表が遅れていることから予約の停滞も起きており、1月初旬の販売に影響が出るとみている。
(通信会社)…12月から年末キャンペーンが始まり若干加入者が増えてきた。しかし、テレビにインターネットをつないでみる人が増えているなど、若者を中心にテレビの見方が変わってきたこともあり、有料テレビの新規の加入者は伸び悩んでいる。一方でインターネットサービスの加入者は増加し、今年度で最も多い加入者を獲得している。テレビとネットの合計でみると変化はない。
(観光名所)…例年12月は少し暇な時期になる。10月11月と比べて団体客は減っているが、インバウンドが増えてきている。団体客が減った分をインバウンドが補って、景気は変わらない状況になっている。
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…来場組数は前月比70%、前年比100%になっている。12月は来場組数が減少する月のため、例年並みである。
(公認会計士)…客の月次、決算状況から判断している。サービス業関係では一部客が戻ってきていない業種があるが、小売、飲食関係は新型コロナウイルス感染症の規制緩和により、少しずつ売上等が戻ってきている。建設、製造業関係は一定の業績を確保しており、全体としての景気はやや良いとみている。
(コピーサービス業)…商品値上げ前の駆け込み受注を期待したが、思うほど受注が伸びず期待が外れた。新製品の発表も特になく、現状を維持するのが精一杯である。
(その他雇用)…人手不足から企業の採用意欲は高いものの、労働力人口の減少等から採用に至っていない。従業員が担保できず廃業する事業所も発生している。

○「やや悪くなっている」
(スーパー)…物価や光熱費の高騰の影響で、食事に掛ける時間と費用の中身が変わってきている。調味料やガス・電気、時間などを節約し、外食やデリバリー、総菜、レンジアップ品などの需要が高まっている。新型コロナウイルスの新規感染者数も高止まっており、保存食のまとめ買いも価格に敏感になっている。
(高級レストラン)…売上が目標に達していない。来客数も減少している。
(観光型ホテル)…全国旅行支援は実施されているが、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加や物価高の影響か、来客数は減少している。
(農林水産業)…米の農協出荷後の追加払いが期待していたより少なかった。
(食料品製造業)…新型コロナウイルス感染症による行動制限がないため、土産需要は堅調である。しかし、歳暮需要に関しては受注件数、客単価共にマイナスである。物価や電気料金等の値上がりの影響が出ているとみている。
(一般機械器具製造業)…客先の設備投資の話題が少なく、3か月前と比べても見積りの件数が少ない。

○「悪くなっている」
(一般小売店[書籍])…来客数、単価、売上のいずれも減少しており、景気が悪くなっている。
(百貨店)…来客数減少に加えて客単価も下がってきている。要因としては、新型コロナウイルスの新規感染者数の増加よりも物価上昇による購買意欲の低下が大きい。
(一般レストラン)…今月の中旬までは来客が全くなく、予約があっても新型コロナウイルス感染症に感染若しくは濃厚接触者になったことによるキャンセルが相次いでいる。今まで経験したことがないような12月である。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…新型コロナウイルスの感染拡大によって、業務用における動きが前年よりも更に停滞している。

 

(2)先行き判断理由

○「良くなる」
(電気機械器具製造業)
…ウクライナ情勢や米中問題の影響により、各国で半導体に対する投資計画が進んでいる。また、技術的にも半導体の計算能力、メモリ能力は更に高まると考えられることから、長期的には景気が良くなると考えている。
(人材派遣会社)…この時期は来期の採用計画を立てている会社が多いが、採用総数は維持若しくは増加傾向という話も多い。今期及び来期に向けての採用市場も良い状況は続くとみている。

○「やや良くなる」
(コンビニ)
…現在の単価増による売上の増加は当面続くと推測される。人流は新型コロナウイルス感染症発生前に戻りつつあるが、来客数の減少は懸念材料である。
(その他小売[ショッピングセンター])…新型コロナウイルス感染症の第8波による先行きの不透明感はあるものの、年末年始から冬のセールにかけてかなり期待をしている。
(一般機械器具製造業)…年度末に向けた設置工事などの話題が出る頃なので2~3か月先はやや忙しくなるとみている。
輸送用機械器具製造業)…先々の案件が徐々に増えてきている。客先での来期の設備投資の情報も一部入ってきているため、上向きになる見込みが出てきている。

○「変わらない」
(商店街)…飲食店を中心に固定客が戻ってきているものの、新型コロナウイルス感染症対策で新年会の規模縮小等がみられる。現状では景気の回復は望めない。
(百貨店)…春に向けてコロナ禍の影響は薄れ、観光も含め人の動きが活発化する。しかし、モノの消費については物価高の影響もあり消費者は慎重になるとみている。景気に大きな変化はない。
(家電量販店)…石油やガソリン、食品などと同様に、家電製品の市場価格も値上がり傾向にあり、客の購買は慎重になっている。
(その他専門店[酒])…新型コロナウイルス感染症への警戒とここ数年で染みついた習慣により、飲食店に客が戻ってこない状況が続いている。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを引き下げるなど、抜本的な施策がない限り、この状態が長引くか常態化することが予想される。
(一般レストラン)…新型コロナウイルス感染症の第8波が収束していくとは思えない。今後、海外からの渡航者数の増加に伴って、新型コロナウイルスの新たな変異株がまた出てくると予想される。よって、今までのように悪い状態が続くとみている。
(住宅販売会社)…建て替え物件での競合が多く、受注が伸びない。
(通信業)…光熱費などが値上がりしている影響で、設備などに経費を掛ける企業が減っており、なかなか受注まで至らない。
(金融業)…ウィズコロナの環境にも社会が慣れたため、新型コロナウイルスの感染状況が多少変わったくらいではマインドに変化は起きにくい。また、ウクライナ情勢や原料高、円高などの外的環境も、現状では変化を予想しづらい。
(コピーサービス業)…働き方改革に関連する商材も多数扱っているが、メーカーが期待するほど受注が増えていない状況である。インボイス関連の準備もまだまだのようなので、しばらく様子をみてから活発化してくるのではないかとみている。来春には市場が活発化すると期待している。
(新聞社[求人広告])…1月から再開する全国旅行支援で観光宿泊関連に動きが出ることが見込まれる。
(職業安定所)…求人事業所の多くは一定の受注があり業況はまずまずである。しかし、資材、燃料、電気等の価格高騰により収益が低下し、今後徐々に求人数を抑制する動きが出ることも懸念されることから、雇用状況も踊り場に入る可能性がある。

○「やや悪くなる」
(一般小売店[医薬品])
…あらゆる商品の値上げが始まっているため、消費活動は非常に鈍くなると予想している。よって、景気も悪くなるとみている。
(スーパー)…東北地方では、灯油代や電気代といった冬の光熱費の上昇に伴い、特に食品の節約が顕著になり、売上が厳しくなると予測している。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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