公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和3年6月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「46.9」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+7.2ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「51.5」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+3.9ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「45.0」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+7.0ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「52.3」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+5.2ポイント上昇した。

  ※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和3年6月25日~30日
回答者数 174/189名、回答率 92.1% (全国1,820/2,050名、88.8%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(衣料品専門店)…緊急事態宣言が解除になり、出張でスーツを着るとか、結婚式でのニーズが明らかに増えてきている。また、65歳以上のワクチン接種が進んだことで、り患するおそれがなくなり首都圏から子供が帰省するといった声も2~3聞いているので、少しずつだが経済が回りつつあるのではないかとみている。

○「やや良くなっている」
(一般小売店[酒])…東京の飲食店がお酒を提供することができるようになったので販売量が少し増えている。
(住関連専門店)…来客数も売上もコロナ禍前に近い状態に戻りつつある。高齢客が多い当店としては、ワクチン効果が多分にあるとみられる。
(その他小売[ショッピングセンター])…首都圏の感染拡大の影響で新幹線を始めとした旅客数が戻っていないものの、当エリアの感染の落ち着きにより、来客数が徐々に増えてきている。
(観光型旅館)…5月までは1割にも満たなかった関東や首都圏からの来客が増えている。また、県内客を始め、隣県や東北各地からの来客も前月よりも30%増加している。
(旅行代理店)…旅行業につき、感染者数動向、ワクチン接種状況等含め客の外出に対する心理的な不安や障壁が予約動向に直結する。その点において、東北6県は感染者数の減少が維持できていることや、高齢者を始めワクチン接種が加速してきていること、東北の一部県のまん延防止等重点措置適用が5月に解除されたこと、首都圏マーケットの緊急事態制限の緩和等により、低迷していた予約が上昇基調にある。
(観光名所)…来客数は県内外の新型コロナウイルスの感染状況に大分左右されているが、県内が落ち着いてくるとともに、県内客の来店は増えている。また、県外客の話を聞いても、2回目のワクチン接種が終わったので動いているという人が徐々に増えてきている。大分明るい兆しが見えてきている。
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…来場者数に大きな変化はないが、9月末の注文住宅の住宅ローン控除の期限が近づいていることにより、住宅購入を直近で考える質の高い客の来場が増えている。
(農林水産業)…当園は比較的豊作となっているさくらんぼだが、県内では不作だったため、取引価格が前年よりも上昇している。
(金属製品製造業)…予定が後ろ倒しになりつつも、受注量は戻ってきている。
(人材派遣会社)…専門商社や飲食店、建設資材の企業など、正社員を中途採用する企業が出てきている。県全体をみても求人に力を入れている企業が増えてきている。
(新聞社[求人広告])…求人広告の扱い件数が増加してきている。業種に偏りはあるが、人手不足感が出ているためとみられる。

○「変わらない」
(百貨店)…月前半は購買意欲が高い傾向にあったが、徐々に落ち着いていった。それでも肌着や靴等必需品に近いものはコンスタントに稼働していたが、衣料品やバッグは外出控えが影響し低調である。クリアランスセールに入っても厳しいブランドが多くなっている。
(乗用車販売店)…新車の受注数はある程度戻ってきているが、一方で中古車の動きが悪く、前年比70%程度の進捗になっている。程度の良い中古よりも新車を選ぶ傾向が強いようである。
(その他専門店[食品])…当県は新型コロナウイルス感染者数も落ち着いているが、県外から訪れる人の数が上向いていないので、厳しい状況が続いている。
(タクシー運転手)…新型コロナウイルスの影響で規制が緩和されても、客の動きが戻らない。
(通信会社)…ボーナス時期を迎えたが、決算状況の悪化や赤字決算のためボーナスが支給されない企業が多くみられる。よって、自然と消費動向が下降していく。
(競艇場)…常連客の来場ばかりで新規客がいない。
(設計事務所)…新規計画の引き合いが継続的に発生し、業務へ結実している。いい意味で特に変化はない。
(輸送業)…新たなマイナス要因として運賃の下落が出てきた。新型コロナウイルスの影響により貨物量が減ってきており、競争激化状態になっているのが原因と思われる。6月の売上予想は前年比で7%減、前々年比で16%減である。
(広告代理店)…土産品の売行きが戻らない。それらの包装資材やパッケージ等の売上が悪い。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…新型コロナウイルスの感染状況は以前と変わらず、大変な思いで生活や商売している人も多い。しかし、政府が進めているワクチン接種などの対策がかなり進んでいるので安心感が出て、買物なども以前よりは旺盛になったという印象を受ける。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…6月のイベントや祭りが新型コロナウイルスの影響で中止となり、来街者が前年比1割程度減少し、景気は停滞している。
(スーパー)…新型コロナウイルス感染者数が減少傾向になり、外出、外食への需要が高まっているようで、内食に対しては必要最小限の購買にとどめる傾向がみられる。生鮮食品については相場高や県内産の不作もあり、客単価が97%と下がってきている。
(一般レストラン)…県独自の緊急事態宣言解除以降、多少は客が来るようになったが、東京などからの客や会社関係はほとんど来ることができない状況のようである。ごく僅かな客で商売をしている。
(美容室)…前年の今頃は緊急事態宣言が解除され、一旦売上が急激に上がり、その状態が1か月半くらい続いた。しかし、今回まん延防止等重点措置が解除された後は売上の伸びが鈍化しており、来客数も前年よりはるかに少ない。リターン率もかなり悪くなっている状況である。来客数は前年の8~9割程度であり、今のところ回復の兆しが見えず厳しい状況である。
(住宅販売会社)…建築受注量は前年を上回っている。一般建築が主だが住宅は減少している。
(建設業)…一定の受注はあったものの、年度末の駆け込み契約時と比較すると減少傾向となっている。
(職業安定所)…3か月前と比較して、新規求人数、有効求人数共に約300人減少している。

○「悪くなっている」
(食料品製造業)…緊急事態宣言が明けても人の行動制限は解けず、観光業界はいまだに厳しい。前年はコロナ禍における自家需要やギフト需要による売上が急激に伸びたが、今年はそれほどの伸びはないようである。

 

(2)先行き判断理由

○「良くなる」
(新聞社[求人広告])…ワクチン接種が予想以上に早く進んでおり、ホテル宴会場の予約が取りにくくなってきている。夏季の旅館予約も好調のようである。旅行会社でも、高額商品が埋まっているようである。

○「やや良くなる」
(百貨店)…今年に入り今月が最も低迷している状況である。ワクチン接種が高齢者以外にも進めば景気も上向くと考える。
(衣料品専門店)…ワクチン接種が予定どおり行われれば、徐々に景気回復していくと予測する。
(家電量販店)…東京オリンピックに対する需要が増すことが予想され、売上向上が期待できる。
(乗用車販売店)…半導体不足の影響が少しずつなくなってきて、納期も間に合うようになってきているので、販売量が少しずつ伸びるのではないかとみている。
(美容室)…政府の見解だと7月中には65歳以上は全員がワクチンを打ち終わり、次の段階に入ってくるということである。若者世代が打ち始めてくると客も戻ってくるのではないかと期待している。やはり、ワクチンの接種割合と売上は関連している。
(出版・印刷・同関連産業)…ワクチン接種の順調な進捗や、東京オリンピック・パラリンピック開催により、若干の経済効果は現れるものと期待している。停滞した経済が少し動き出すものとみている。
(金融業)…夏祭りは2年連続中止となったが、ワクチン接種の進展により人の流れや経済の流れが徐々に回復してくるものと期待する。電子部品など一部製造業の受注が好調推移予想される等、元気が回復しつつある業種が増えてきた。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…ワクチン接種が進むことで観光やビジネスでの県内の交流人口が増加することを想定している。

○「変わらない」
(一般小売店[医薬品])…来客数は多少の増減はあるが、今のところは前年の8割程度でいくとみている。ワクチン接種も進んできているので、客も徐々に戻ってくると予想している。
(高級レストラン)…東京などの大都市からの旅行や出張需要が伸びてくる見通しが立たない。
(電気機械器具製造業)…現状において明るくなる要素がみられない。
(その他企業[協同組合])…半導体・自動車関連の受注環境は良い方向にあるが、一般機械加工環境は良い方向に向いているとはいえない。原材料の価格上昇及び仕入れ納入の遅れ等が目立ってきている。見積案件は微増であるが、受注単価は依然として底値である。
(職業安定所)…新型コロナウイルスの影響により製造業は厳しい状況にあるが、大型の工場の進出の決定や大型商業施設の開店など、明るさを感じさせる要因もある。

○「やや悪くなる」
(商店街)…夏祭りやイベントの中止が続々と発表となるなかで、新型コロナウイルス感染も終息が見えず、東京オリンピックも盛り上がりに欠けており、先行き不透明である。
(住関連専門店)…東京オリンピック後に感染者が急増して、更なる規制が出ることが予想されるので、年内一杯くらいは商売も我慢の時期が続くとみている。
(土石製品製造業)…需要が好転するような特需やプロジェクトがない。景気回復に伴う民間建設投資に期待したいが、先行きが不透明である。
(輸送業)…トラックや荷役機械の燃料である軽油の値段が上がり続けている。新型コロナウイルス関連で景気が落ち込んでいるときに更に追い打ちを掛けられている。原油価格の推移をみればまだまだ上がりそうである。その場合、今後は荷主がサーチャージに応じてくれるかが鍵となる。
(学校[専門学校])…東京オリンピックを控えているが、観客の動員規制等により期待される収益が厳しい状況にあり、停滞した経済を回復できる起爆剤にはなりにくいとみられるため、今後も厳しい状況が続くことが予想される。

○「やや悪くなる」
(一般レストラン)…和食の店だが、会社関係の宴会がまだ全く動いていない。ワクチンの進捗状況次第だが、今年一杯くらいは難しいのではないかとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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