公益財団法人 東北活性化研究センター

今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和4年8月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「44.6」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.1ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「49.3」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+9.4ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「45.5」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.6ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.6」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+7.3ポイント上昇した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和4年8月25日~31日
回答者数 174/189名、回答率 92.1% (全国1,850/2,050名、90.2%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(住関連専門店)…お盆に合わせて仏壇を新しく買い求める客や買換えをする客がおり、やや高額な商品を販売したため、売上増加につながっている。
(観光型ホテル)…新型コロナウイルスの新規感染者数は増加しているが、他県からの客が増加している。
(遊園地)…新型コロナウイルス感染症の第7波があり天候も不安定だったが、行動制限がなく屋外施設ということもあり、新型コロナウイルス感染症発生前には及ばないものの比較的順調に推移している。
(設計事務所)…官公庁から大型の設計案件が発注され、プレゼンをする機会が増えた。民間では施設の新設や移転などに関する問合せが増えている。物価の上昇や資材不足はあるものの、今後も外的要因が好転することがないと判断し、実行に移す客が増えている。
(農林水産業)…JAから7月販売のももの精算書が届き、前年より2割程度高かった。また、注文数も前年と同様にあった。
(食料品製造業)…夏祭りやお盆の帰省も人の動きが良かったため、土産商品がよく動いた。新型コロナウイルス感染症発生前までは売上は回復していないが、ホッと一息といったところである。
(新聞社[求人広告])…新型コロナウイルス感染症は続くものの、政府や県、市レベルでも経済を動かすことに重点を置いているため、これまで中止に追い込まれることが多かった多くのイベントが3年ぶりに開催されるなど、徐々に回復に向けた動きが出てきている。
(職業安定所)…3か月前と比べると雇用調整助成金の利用事業所数が減少しており、求人数は前年同月比で十数か月連続で増加している状況にある。しかし、燃料・資材価格の上昇分を売価に転嫁し切れず利益率が減少しているという事業所の声が多く、新規求人数の勢いも若干落ち着いてきた様子がある。

○「変わらない」
(商店街)…自主的な行動制限はあるものの行事は行われるようになったが、消費行動が戻っているようにはみえない。新型コロナウイルスの新規感染者数が多くなっても行動制限は出ていないため、大きな変化はない。
(コンビニ)…インフレが進み2~3か月になるが、一般消費者が値上げに慣れ始め、普通に買物をするような雰囲気が出てきている。単純には判断できないが、そう悪い雰囲気ではない。
(衣料品専門店)…8月に入り新型コロナウイルスの新規感染者数が増加しているため、帰省する人が予想以上に少なく、本来この時期に売上の多くを占める家族連れの客がみられなかった。新型コロナウイルス感染症が足を引っ張っている。
(その他小売[ショッピングセンター])…夏休みからお盆にかけて人の流れは結構出てきているものの、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、客の消費行動に直接結び付いてはいないようである。
(高級レストラン)…県民割が使われているが、新型コロナウイルスの感染状況の影響を受けて、来客数は増減を繰り返している。
(美容室)…前年比92~93%がこのところ続いている。新規客も増えてこない状況である。何が原因か分からないが、客の回転が良くない状況が続いている。
(一般機械器具製造業)…景気が良くなっている感じはあるが、受注状況は横ばいである。見積件数は比較的増えてきている。
(建設業)…大雨の影響で修繕の仕事が多くなっている。しかし、単価が低いため収益的には伸びていない。
(輸送業)…4~8月の売上は前年より増加しているにもかかわらず、一向に景況感が良くならない。その原因はウクライナ情勢の影響と新型コロナウイルスの感染拡大とみている。先が見通せないため不安だけが増大していく。これでは消費も設備投資も伸びず、その結果として物量も増えない。
(広告代理店)…観光関連に若干の復調の兆しがあるものの、食品、自動車等の取引先では先行きの不透明感による発注控えなども散見される。
(人材派遣会社)…3か月前は新型コロナウイルス感染症の影響で自粛ムードによる買い控えや、街に人が出なくなるなどしたため、小売業や飲食業が厳しい状況であった。今月は従業員が新型コロナウイルスに感染し仕事に出て来られなくなったため、業務がひっ迫したり、新しい製作活動ができなくなったりしたことで店休する企業が出てきている。3か月前とは内容は違うが、景気が悪い状況が継続している。

○「やや悪くなっている」
(スーパー)…天候不順、新型コロナウイルスの新規感染者数の急激な増加で、お盆期間の客の流れ、行動が例年と異なっており、計画とのかい離が大きく発生している。お盆が明けても値上げが続き、節約志向が高まっている。必要性の高い、低単価の保存用の需要が高まり、生鮮食料品では基礎商品の価格競争が始まりつつある。
(乗用車販売店)…長納期の影響で新車部門の売上は前年比80%をキープするのがやっとの状況である。中古車部門も在庫を確保しづらい状況が継続中で、前年比70%台とかなり苦戦している。
(その他専門店[食品])…新型コロナウイルス感染症第7波の影響で、県外からの来客数が激減している。前年よりはプラスだが、新型コロナウイルス感染症発生前からは4割減少している。加えて、物価高でぜいたく品の購買意欲がそがれている。
(一般レストラン)…3か月前と比べて来客数がかなり落ちている。新型コロナウイルスの新規感染者数の増加により、宴会などのキャンセルがかなり増え、予約も入らない状況が続いている。景気はかなり悪くなっている。
(通信会社)…8月に入り3年ぶりの夏祭りが各地で行われ、この勢いで地方経済も回り始めるかという期待感もあった。しかし、新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最高を更新するばかりで、娯楽ビジネスでもある有料テレビやインターネットの新規加入者は減少している。ただし、解約者が少ないことで純減まで至っていないのが救いである。
(その他住宅[住宅展示場運営会社])…来場者数が前年比80%で推移しており、新規来場者数も減少している。
(出版・印刷・同関連産業)…新型コロナウイルスの感染状況が過去最悪の状況にあるものの、行動制限は出されておらず、経済活動の自粛もみられない。しかし、先行き見通しを懸念してか、慎重な取組の企業が多々あり、受注量の減少に歯止めが掛からない。
(土石製品製造業)…官需、民需共に低調で、出荷量は前年比85%程度で推移している。
(輸送用機械器具製造業)…客先からの引き合いが減っており、受注、売上共に減少している。半導体事業の状況は、受注増加の予定が現状数維持に変化したため、伸びの期待は薄くなっている。
(コピーサービス業)…毎月数社程度だが価格変更の通知がきており、値上がりした分、価格転嫁をすべく活動をしている。メーカーや卸会社は一方的な通知でよいが、我々小売業者としては、取引先全てに転嫁できるか不安である。全体的に理解が進んでいると思うが確信が持てない。

○「悪くなっている」
(家電量販店)
…来客数は前年比85%である。買換え需要については前年並みである。買換え需要を除いては、テレビ、冷蔵庫、洗濯機といった高額商品の販売量が減っている。

 

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(百貨店)…秋に向けて新型コロナウイルスの新規感染者数は落ち着いてくると予想している。物価上昇による食料品などへの影響はあるとみているが、再び外出自粛緩和の傾向となり、来客数も増え、衣料品、服飾雑貨などを中心に活発に動くのではないかと期待する。
(コンビニ)…販売価格の値上げが続いているものの、買上点数はマイナスにはならず、プラスで堅調に推移している。また、休日や夜間の動きが良くなってきて、来客数も増加に転じている。商品の値上げを消化しているのが何よりの強みである。
(衣料品専門店)…オンラインで行われていた会社の行事、面接等々がスーツを着ながらのリアルなものになりつつある。新型コロナウイルス新規感染者数が減少すれば、出張などの機会が再開し、当業界は潤ってくるとみている。
(観光型旅館)…新型コロナウイルスの新規感染者数の状況次第だが、今よりは少し良くなるとみている。
(タクシー運転手)…東北地方に限らず、様々な広告媒体を使って秋の催物のPRがされている。4月以降の傾向から、政府からの行動制限がでない限り、人が動くとみている。実際にタクシー利用客から、秋の旅行を兼ねて家族で出掛けるという話も聞いている。景気は上向き傾向にあるとみている。
(設計事務所)…これまで静観していた客から、事業の再開や修正設計の依頼が入ってきている。待っても価格高騰や資材不足などの状況が変わらないか、むしろもっとひどくなると考え、実行の決断に至った客からの問合せが多く入ってきている。今後は現状価格がある程度受け入れられれば、景気は改善する方向に向かうとみている。
(食料品製造業)…新型コロナウイルスの新規感染者数は依然落ち着かないが、人の動きは良くなってくるとみている。売上の回復は期待できるが、原価高騰で収益が心配である。
(公認会計士)…新型コロナウイルスの新規感染者数が高止まりの状況であるが、政府や自治体が行動制限を掛けなければ、小売、サービス業関係は売上、利益共に改善傾向が続くとみている。飲食関係はよくて現状維持、建設業や製造業は売上、利益が増加傾向なので、全体として景気が良くなるとみている。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…円安や燃料価格の高騰などの悪条件があるなかで、商品の値上げが続いている。生活者はよく計算して購買しており、高い物はなかなか売れず、安い物や必需品が動いている。
(新聞社[求人広告])…求人広告を始め、客に積極的な動きが出てきている。海外からの旅行客受入れが進み、国内旅行も刺激策が出されれば、かなり良くなるとみている。物価やエネルギー価格の上昇が回復の足を引っ張ったとしても、回復傾向は変わらないとみている。

○「変わらない」
(一般レストラン)…新型コロナウイルスの感染状況が依然収束していないことに加え、物価の上昇による買い控えもみられる。スポット的に客が来るタイミングはあるかもしれないが、総じて低調な状態が続くのではないかと予想している。
(一般機械器具製造業)…客先での増産や新規設備の話題は増えつつあるが、なかなか発注には至らない。材料価格は高止まりしている。構造部品や制御部品の入手もまだ困難な状況が続いている。
(広告業協会)…新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限が行われていないため、秋の行楽シーズンに向けた旅行や観光系の広告出稿に期待している。
(人材派遣会社)…インフレ抑制のための米国の利上げ、いきすぎの円安など、恩恵のある業界とそうでない業界があり、景気回復にはつながらない。新型コロナウイルスの新規感染者数も依然高止まりしており、今後が見通しにくい。
(職業安定所)…求人数が求職者数を上回っている状態が続いているものの、燃料の価格高騰や物価高などが事業者や求職者に影響を与えることも想定され、状況を注視する必要がある。

○「やや悪くなる」
(スーパー)
…多くの商品が値上げされている。秋にかけて更に値上げされることになれば、買上点数が更に下がったり、安い商品を求めて客がドラッグストア等に流れたりすることが予想される。
(乗用車販売店)…市場環境がこのまま変わらなければ、今現在の受注残での売上見込みが減少しているため、景気は良くならない。
(その他サービス[自動車整備業])…しばらくは、回復しないのではないかとみている。
(輸送用機械器具製造業)…各事業それぞれで取引先各社の動きが鈍化している。先々の情報も良い話は少ない。次期案件の減少など、先が見えてこない状況である。
(コピーサービス業)…価格変更のタイミングを計っているメーカー及び卸会社がいつ値上げに踏み切るかが気掛かりである。現在来年度のカタログを発注している段階だが、ほとんどのメーカーが5~10%程度値上げするようである。値上げ前の駆け込み受注を期待したいが、新型コロナウイルス感染症の影響で先行きが不透明であるため、客先も慎重である。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上

 

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