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2023年度事業 【自主事業】
東北圏企業におけるリスキリング推進に関する実態調査 ―企業及び労働者の人材育成・能力開発の現状から考察するリスキリング推進方策―

産業活性化調査報告書人口減少・少子高齢化売上・市場拡大雇用・働き方2023年度リスキリング人材育成・能力開発

目的

  • 東北圏においては、首都圏などへの人材流出によって人材確保がますます困難となる中、企業が持続的成長を遂げるためには限られた人材を最大限に活かし続けるという視点が強く求められる。そのため政府が推し進めるリスキリングにいち早く取り組み、リスキリングを通じて人材のスキルアップやスキル転換を図り、企業の生産性向上に結び付けていくことが急がれる。
  • このような観点から、本調査においては、企業、労働者2つの視点から企業の人材育成及び能力開発の現状と課題を把握する。さらに、リスキリングの現状及び今後の展開可能性を考察することにより、東北圏におけるリスキリング推進方策を提言する。もって、東北圏におけるリスキリングの機運醸成及び企業におけるリスキリングの導入・実施に向けた取組みを促すことを目的とする。

概要

1.アンケート調査概要

  1. 東北圏企業における人材育成及びリスキリングの実態調査(企業向け調査)
    東北圏企業(n=806)を対象に、リスキリングの前提となる人材育成の現状や課題、リスキリングの認知度、実施意向、推進する上での課題などを調査した。
  2. 東北圏における労働者の能力開発及びリスキリングの実態調査(労働者向け調査)
    東北圏企業で働く人(n=1,040)を対象に、職場の人材育成及び自らの自己啓発の現状や課題、リスキリングの認知度、その必要性の有無、推進する上での課題などを調査した。

2.調査結果

  • 東北圏においてリスキリングの実施に前向きな企業は4割
  • リスキリングの認知度及び必要性については、企業と従業員の間の意識に大きな違いあり
  • リスキリングの実施と人材育成の進捗には密接な関係性あり
  • 従業員の学びの意欲は低く、特に女性は職場での処遇や家庭での役割分担が学びの足かせとなっている可能性あり
  • 企業がリスキリングを通じて従業員に身に付けて欲しい知識・スキルと従業員が日ごろから身に付けたいと考えている知識・スキルはほぼ一致
  • リスキリングを推進する上での課題については、企業と従業員の間の意識に大きな違いあり
  • リスキリングを推進するために期待する支援策は、すでにリスキリングに取り組んでいる企業は金銭的支援を、今後取り組もうとする企業は導入に向けた環境整備への支援を期待
  • リスキリングによる労働市場の流動化の影響については、多くの企業でまだ見定めができていない状況にあり
  • 転職意向がある人は、転職先として「同一県内」「同一業種」「同一職種」を希望
  • 現在の勤め先での知識・スキルの習得に不安を感じている人は、転職希望先に「県外」を希望する傾向あり

提言

  1. リスキリングの基礎となる人材育成のあり方の見直し
  2. 労働者個人の意欲に依存しない「学ぶ」組織づくり
  3. 多様化する労働者ニーズの理解と個別的対応
  4. リスキリングに関する支援の一元的情報発信・相談体制の整備
  5. 地域一丸となった地域内労働市場の流動化促進

情報発信

  • 機関誌「東北活性研」vol.52、2023夏季号「調査ノート」にて中間報告
  • 宮城県「みやぎ産業人材育成プラットフォーム会議」にて話題提供(2023年11月22日)
  • 仙台商工会議所工業・貿易・交通運輸部会にて講演(2024年3月12日)
  • 当センターHPにて公開、およびプレスリリース(2024年4月5日)

報告書

東北圏企業におけるリスキリング推進に関する実態調査
―企業及び労働者の人材育成・能力開発の現状から考察するリスキリング推進方策―

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