公益財団法人 東北活性化研究センター

報告書検索

平成25年度事業 【自主事業】
東日本大震災後の水産都市復興の状況調査

1次産業調査報告書震災復興平成25年度

[事業目的]

2011年の東日本大震災により三陸沿岸の水産都市(水産関連産業が主要産業)は大きな被害を受けた。これらの多くの都市では、震災前から、漁業の不振、人口減少、急速な高齢化という共通の課題を抱えていた。大震災はその課題を一層深刻なものとした。

水産都市は今、住宅、公共施設、漁港、水産加工施設などが一定の復旧を見せている。しかし、水産都市の衰退を止めるためには、水産関連産業の構造的問題に対して何らかの転換が図られることが不可欠である。そのような問題意識の下、本調査研究では、次のことを調査、検討する。

  • いくつかの地点の復興状況、および、従来の水産関連産業の問題点の整理
  • 水産関連産業の構造転換の方向性(ノルウェーなど水産先進国のシステムの適用可能性を含む)

[進め方]

下記の有識者委員会を組織した。
委員長:
大泉 一貫  宮城大学 副学長・事業構想学部長

委 員:
有路 昌彦 近畿大学 農学部 水産学科 水産経済学研究室 准教授
片野 歩 水産会社勤務
遠山 浩 専修大学 経済学部 准教授

事務局:
公益財団法人東北活性化研究センター
株式会社日本経済研究所

[概要報告]

本調査報告は2部構成である。

第1部 復興の現状と今後の方向性
【沖合漁業】(調査地点:大船渡港、石巻港)
水揚げが回復しつつあり、水産加工工場も最新鋭のものに更新されつつあるが、大衆魚の低次加工(冷凍のみ)中心から高次加工への転換が求められる。また、資源管理の方法(国の制度)としてITQ方式(個別漁船ごとの割当て)に変更すべきである。

【沿岸漁業】(調査地点:宮古市重茂(オモエ)地区、大船渡市越喜来(オキライ)地区、石巻市雄勝(オガツ)地区、同桃浦(モモノウラ)地区)これらの地区は震災前から、ないしは震災を契機に六次産業化に取り組む先進地であり、比較的順調に復興が進んでいる。他地域にも展開されることが望ましい。

第2部 女川町における養殖ギンザケのケーススタディ
女川町のギンザケは国内トップのシェアを持つが、地元の利益が小さい構造である。

加工業者を軸とした垂直統合、水平統合を進め、生食用を中心とするフードチェーンを構築することにより、輸入サケ類に対抗することができることを示した。

[情報発信]

  • 地方シンクタンク協議会Award応募論文として『東日本大震災後の沿岸漁業復興における漁協の役割と特区の活用』を提出(平成25年7月)し、「特別賞」を受賞した。9月20日に京都で開催された表彰式に出席。
  • 電気新聞 掲載(平成26年4月3日)

[報告書]

東日本大震災後の水産都市復興の状況調査 調査報告書
(PDF:4.8MB/122ページ)

東北・新潟のキラぼし by 東北活性研 Facebook

東北・新潟のキラぼし by 東北活性研 facebook

東北・新潟のキラぼし by 東北活性研 Twitter