令和元年度事業 【自主事業】
都市部地域コミュニティの事例調査
調査報告書令和元年度人口減少・少子高齢化地域活性化地域コミュニティ維持
[事業目的]
東北地域は人口減少・高齢化に伴う諸問題が全国平均と比べて顕著に現れる地域である。当センターは、それらの諸問題(地域産業の衰退、高齢者の生活支障など行政による福祉の限界)への対処の基盤である地域コミュニティを伝統的に調査研究のテーマとしてきた。
これまでは主に農村地域等を対象としてきたが、近年、急速に高齢化が進む都市部の問題が大きくなってきた。そこで、都市部の地域コミュニティの維持・再生のあり方を考察するべく、2つの地区の事例を詳細に調査・紹介することとした。(提言は目的としていない)
具体的には、商店街主導で活発な活動を展開している仙台市中山地区、ならびに、町内会主導により住民主体の地区防災など、様々な街づくり活動に取り組んでいる仙台市片平地区である。
[進め方]
両地区ともに文献、インタビューにより活動の詳細を把握する。
- 文献調査
- 地域運営組織に該当する組織の関係者インタビュー
- 自治体など関連組織インタビュー
- 中間支援組織、有識者インタビュー
[概要報告]
【仙台市中山地区】
《特徴》
- 商店街が町内会と連携しつつ、強力にまちづくりを推進。2,3年で、多くの成果。
- 多くの地域団体および行政、大学等の参加を得て「活性化構想」(まちづくりビジョン)とりまとめ。
- 具体的な成果は多目的ポイントカード(ソフトプラットフォーム的役割)、多世代交流センター(まちづくりの拠点=ハードプラットフォーム的役割)、空き家活用のシェアハウス、わが国初の都市公園内保育所。
- 外部資源(若手人材、行政の資金、経団連協力)を積極活用。
《課題》
- 多世代交流センターの経済性の確保
- 地域コミュニティ運営体制の強化(地区内情報共有強化を含む)
【仙台市片平地区】
《特徴》
- 町内会主導で長い年月にわたる段階的発展。
- 多くの地域団体の参加と中間支援組織の支援を得て「まちづくり計画」(ビジョン)とりまとめ。
- 特筆すべき活動は、全国的に有名な地区防災や「子どもまちづくり隊」(中高生の自主的地域活動組織)。
- 地区市民センター(旧公民館)との極めて密接な連携。
- 外部資源(中間支援組織、行政の資金)を積極活用。
《課題》
- 事業の取捨選択
- リーダー人材の後継者確保
[情報発信]
仙台市の町内会関係者などと研究会を企画
[報告書]
都市部地域コミュニティ運営の事例調査
- 仙台市中⼭地区の事例(PDF:1.48MB/28ページ)
- 仙台市⽚平地区の事例(PDF:1.40MB/27ページ)