最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。
令和8年2月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)
表A-東北の現状判断(季節調整値)
表B-東北の先行き判断(季節調整値)
表C-東北の現状判断(原数値)
表D-東北の先行き判断(原数値)
調査結果の概要
1.今月のDI※
季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「49.2」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+1.3ポイント上昇した。
(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「49.8」と3か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲1.6ポイント低下した。
原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「47.3」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.7ポイント上昇した。
(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「51.6」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.2ポイント上昇した。
※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。
2.調査の概要
調査期間 令和8年2月25日~28日
回答者数 175/189名、回答率 92.6% (全国1,790/2,050名、87.3%)
3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「やや良くなっている」
(一般小売店[書籍])…当店は商店街に面しているが、一時期と比べて人出が多いようにみえる。
(百貨店)…全体的に節約志向に変化はないが、欲しいものには金を掛けるといったメリハリ購買がみられ、買上客数も増加傾向にある。
(乗用車販売店)…車両生産が回復してきたため、新車、中古車共に登録台数が数か月ぶりに前年を超えている。安定生産には程遠いが良い兆しである。
(観光型ホテル)…来客数は前年より良くなっている。
(通信会社)…新生活需要に伴う来店がみられる。
(観光名所)…以前は振り客の大半をインバウンドが占めていたが、ここに来て日本人も少しずつ増え始めている。今まで抑えられていた消費が少しずつ動き出している。土産品もよく動いている。
(その他企業[協同組合])…製造業においては、現状は原材料の入手難や価格高騰で厳しさはあるものの、先行きの受注見込みには明るさがみえ始めている。
○「変わらない」
(スーパー)…物価高が続き、消費者は店を使い分けており、スーパーよりもディスカウントストアやドラッグストアなどの利用者が増えているようにみえる。スーパーでは値引き時間に合わせて来店する客が増えている。
(コンビニ)…中国以外の国からのインバウンドは減っていない。また、夜間の人の動きが良くなっているため、全体的に好調を維持している。
(衣料品専門店)…入学式や入社式向けのスーツ需要が前年よりも大幅に減少しており、購入点数も減少している。買物に対してかなり慎重になっている様子がうかがえる。
(その他小売[ショッピングセンター])…売上は前年比104%、来客数は同97%となっている。今月もやや厳しい立ち上がりであったが、バレンタインデー商戦、2月13日から利用が始まった鉄道会社の特別企画乗車券の影響により、若年層を中心に好調な動きが見られる。
(食料品製造業)…春節や特別企画乗車券の効果もあり、駅周辺の店舗は好調に推移している。しかし、郊外店は来客数や売上において平日と土日の差が大きく、週末で稼いでいる状況である。
(金属製品製造業)…年度末の在庫調整が続いており、受注量は落ち込んだままである。
(建設業)…公共工事はほとんどないため、民間工事を主体に受注獲得に動いている。
(広告業協会)…一過性ではあるが、衆議院選挙関連の広報により今月の広告市場は全体的に押し上げられている。しかし、広告業界の主要業種である流通、小売、エネルギー等の広告出稿は、3か月前と比較してもほぼ変わらず低調で推移している。
(人材派遣会社)…例年この時期は、大卒の新卒採用を実施している企業では採用活動と4月1日の新人の受入れや新人研修に向けてかなり忙しく、中途採用は後回しになりがちである。しかし、今年は飲食業や製造業を中心に中途採用が継続的に行われている。
(求人情報誌製作会社)…求人広告への問合せが増えているが、季節要因によるものが目立つことから、景気回復の兆候とは考えづらい。
(新聞社[求人広告])…年度末に向けた広告の動きが余りみられない。
○「やや悪くなっている」
(家電量販店)…テレビや冷蔵庫、洗濯機などの新製品が発売になり、こだわりを持った客が購入しているため、商品単価は決算セールで下がりがちな時期にしてはやや高い状態である。しかし、新生活需要での来客数が減っていることに加え、季節商材の処分が進まず、来客数、販売量共に3か月前と比べて減少している。景気はやや悪くなっている。
(その他専門店[ガソリンスタンド])…暫定税率廃止に伴いガソリンの販売価格が低下したものの、月の後半には原油・為替相場の変動により仕切価格が値上がりし、変化の多い月になっている。気温も高めに推移し、灯油の販売量も減少している。
(競艇場)…来客数は落ち込んでいないものの、客単価は減り続けている。
○「悪くなっている」
(商店街)…災害級の豪雪により移動が困難となり、壊滅的な状況となっている。
(設計事務所)…官公庁の入札において、予算が確保できないため発注の見送りや中止が出ている。そのため、受注業者が受注量や売上を確保するために低価格で応札している状況が顕在化している。
(不動産業)…不動産の在庫は供給過多にあり、価格面が需要にマッチしていない。
(2)先行き判断理由
○「良くなる」
(衣料品専門店)…天候も良くなり、春夏物の動きが活発になるとみている。
(建設業)…現在競争中の案件を含め、複数の民間案件の受注契約を見込んでいる。
○「やや良くなる」
(一般小売店[医薬品])…客の来店が少ない雪の時期が終わり、外出の機会が多くなる。また、季節の変わり目を迎え、関連商品が動くようになる。
(コンビニ)…気温上昇や花見シーズンの到来により、来客数の増加が見込める。
(乗用車販売店)…政権継続が確定したため、顧客からも業界の新税制に対する期待の声を聞く。特にガソリン車の大幅減税の報道もあり、新年度の商談が増えてきている。
(観光名所)…定期便の増便などによりインバウンドの増加が見込まれる。
(一般機械器具製造業)…米国の中国に対する半導体輸出規制緩和により、半導体設備の部品需要が増える可能性がある。
○「変わらない」
(百貨店)…春に向けて生活防衛意識は更に強まり、消費者それぞれの価値観のなかで節約していく動きが続く。一方で、株価上昇に伴い資産価値の高い高額商品の動きは更に活発になっていくとみている。
(家電量販店)…4~5月は特に大きな需要がない時期である。ゴールデンウィークの気温が高くなれば、早期のエアコン取付け希望の客が増える可能性があり、気温が高くなることを期待しているが、現状と変わらないとみている。
(観光型旅館)…物価高による消費控えが目立っており、新政権の政策に期待する以外、良くなる要素が見当たらない。
(食料品製造業)…販売量の前年割れと原材料価格の高騰が続き、悪い状況は変わらないとみている。
(通信業)…例年4月は新入社員向けの端末など新年度需要の取り込みにより、安定した受注が見込める。
(金融業)…インバウンドについて中国からは減ったものの、その他の国からは好調で、県内の宿泊・飲食業の売上はおおむね順調である。円安基調も止まりマーケットの安心感が広がって、物価上昇への警戒心は多少緩んだ印象を受ける。
(人材派遣会社)…新卒採用に力を入れている企業において、採用人数を確保できない状況が続いている。雇用の側面からみると、しばらくの間は景気がやや良い状況が続くとみている。
(職業安定所)…有効求人数は前年同期比で横ばいである。一方、今後数か月にわたり、企業整備による人員削減を行う企業が複数ある。
(その他雇用)…人手不足は変わらないが、物価高による買い控えから卸売業、小売業は求人数の減少が続く。また、価格に転嫁できない製造業でも求人数は減少が続く。
○「やや悪くなる」
(その他専門店[ガソリンスタンド])…軽油引取税の暫定税率廃止と激変緩和事業の縮小という変動要因があるため、動きは鈍くなるとみている。
(都市型ホテル)…桜が咲くまではインバウンドの動きが鈍くなるとみている。
(電気機械器具製造業)…メモリやSSDの入手難が続く見通しである。
(コピーサービス業)…前年から業種を問わず倒産する企業が増えている。少しずつであるが影響が出るとみている。
東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以 上
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