最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。
令和8年4月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)
表A-東北の現状判断(季節調整値)
表B-東北の先行き判断(季節調整値)
表C-東北の現状判断(原数値)
表D-東北の先行き判断(原数値)
調査結果の概要
1.今月のDI※
季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「38.5」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.1ポイント低下した。
(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「38.7」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.8ポイント上昇した。
原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「39.3」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.5ポイント低下した。
(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「38.4」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.3ポイント低下した。
※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。
2.調査の概要
調査期間 令和8年4月25日~30日
回答者数 177/189名、回答率 93.7% (全国1,781/2,050名、86.9%)
3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「やや良くなっている」
(コンビニ)…新年度に入り人の動きが活発化しており、来客数も増加傾向にある。
(衣料品専門店)…夏物が入荷するなか、気温の上昇に伴い、購買意欲が高まっている。一方、生活費全般の値上がりの影響か、来店頻度が低下している客もみられる。
(家電量販店)…新たな省エネ基準の2027年からの導入が浸透してきた影響もあり、気温がそれほど高くないにもかかわらず旧モデルのエアコンを購入する客が増えている。旧モデルのため単価は高くないが、販売台数が前年を上回る実績となっており、全体の売上を支える柱となっている。景気はやや良くなっている。
(通信会社)…キャンペーンの効果もあり、放送サービス、通信サービスの新規加入者数が増加している。特に工事不要のインターネットサービスが順調に伸びている。さらに、集合住宅への一括導入が増加しているが、これは新規入居者向けにWi-Fi環境が最優先で求められており、アパートオーナーが入居シーズンに間に合わせて契約しているためである。
(美容室)…来客数は3か月前まで前年割れしていたが、4月は新規客、常連客共に前年比100%に回復している。
○「変わらない」
(一般小売店[酒])…ガソリン価格は落ち着きを見せているものの、消費マインドは依然低いままである。特に飲食費に対する節約志向は強く、外食や宴会を控える傾向が顕著である。中東情勢などの影響による更なる物価上昇への懸念も根強い。
(乗用車販売店)…新型車が出ているにもかかわらず、個人客からの受注が増えない。
(競艇場)…来客数も客単価もほぼ変わらない。常連客は毎日来るものの、売上は上がらない。
(輸送用機械器具製造業)…月初めは良い状況でスタートしたものの、当月の実績は計画値に届いていない。一部事業で上向きの動きはあるものの、全体では依然として良い状況とはいえない。
(建設業)…受注は堅調である。しかし、資材価格の高騰や人手不足の影響もあり、案件をこなすのに苦慮している。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…飲食店の客の入込は週末中心で、平日は閑散としている。
(人材派遣会社)…企業の採用意欲は低下している状況にある。特にメンバークラスの経験が浅い層を対象とした求人において、複数名枠での募集が減少している。そのため、全体の採用者数も伸び悩んでいる。
○「やや悪くなっている」
(スーパー)…販売点数は前年と比べ減少している。仕入原価の上昇に伴い、価格転嫁を行っており、1品当たりの販売単価は上がっている。
(その他小売[ショッピングセンター])…売上は前年比98%、来客数は同92%である。改装のため一部飲食フロアが今月からクローズしている影響もあり、来客数は前年比では5%程度減少している。また、1品単価の上昇により、客単価は5%増加している。生鮮食品もレジ通過客数は前年比未達である。これまで堅調だった生活雑貨類も、吟味して1点購入する光景がみられるなど財布のひもは固く、消費が好調とは言い難い。
(高級レストラン)…ここ数か月、予約数の減少が続いており、月ごとに比較しても明確な減少傾向がみられる。
(観光型ホテル)…長引く物価高のほか、中東情勢や地震、熊出没の影響により、予約数が少なくなっている。
(旅行代理店)…熊の出没や地震、山林火災の影響により、観光客数や宿泊者数が減少している。
(食料品製造業)…受注量は前年並みを維持しているが、原材料価格の改定が毎月あり、利益が大きく圧迫されている。
(金属製品製造業)…中東情勢の影響により、発注が慎重になっている。
(求人情報誌製作会社)…原材料価格の高騰に歯止めがかからず、採用活動において広告料などの費用を掛けられない企業が非常に多くなっている。
(職業安定所)…前年同月比で有効求職者数は増加傾向にあり、有効求人数は減少している。有効求人倍率は低下傾向にある。
○「悪くなっている」
(住関連専門店)…受注生産をしている。製作するものは数か月前に決まっており、今月の受注量は少ないことから、販売量が減少している。
(一般レストラン)…当店は記念日など祝い事による利用が多い。しかし、今年は外食離れや支出を控える行動がみられ、入学祝いなどの利用がかなり減少している。非常に厳しい状況が続いている。
(観光名所)…花見で来客数が伸びる時期にもかかわらず、今年は花見関連の来客数が余り伸びていない。
(住宅販売会社)…中東情勢により、物が高いもしくは入荷できないため、多くの現場に影響を及ぼしている。
(電気機械器具製造業)…主力事業のパソコン市場が前年比約3割の減少となっている。4月から受注量も減少している。
(2)先行き判断理由
○「やや良くなる」
(都市型ホテル)…夏の行楽シーズンや夏休み、祭り需要に向けた先行予約は好調である。
○「変わらない」
(一般小売店[酒])…中東情勢の動向次第だが、現時点では先行きの不透明感が消費に影響を及ぼしている。消費マインドを押し上げる材料は見当たらず、このまま足踏み状態が続くとみている。
(コンビニ)…今月は売上や来客数、客単価、購入点数がいずれも小幅な変動で推移している。今後は社会情勢の動向次第であり、値上げが続けば客足、売上共に落ち込む可能性がある分岐点にある。
(衣料品専門店)…原油の輸入が正常化しなければ、石油由来の製品全般で品不足や価格高騰が続き、経済に影響を及ぼす。こうした状況下では景気回復は難しい。
(旅行代理店)…熊の行動が活発化するなか、事故が起きると大きな影響があるため、現時点では良しあしの見通しが立てにくい。
(電気機械器具製造業)…情勢の先行きが不透明で、取引先との商談も具体性が乏しく、見通しを立てにくい。
(人材派遣会社)…AI関連の市況は今後も堅調に伸びていくとみるが、地政学リスクに伴う原油価格の高騰や物価上昇の影響が見通せず、全体の先行きは不透明である。
○「やや悪くなる」
(商店街)…世界情勢の不安定化により原油価格が高騰し、物価高が更に進めば、商店街の買物客にも不景気の影響が現れるとみている。
(乗用車販売店)…現状では部品や油脂類の入庫に影響は出ていないが、他の業種では材料が入らない、価格が上昇しているといった声を聞く。このため、今後は部品などの入庫遅れが生じる可能性もある。買い控えと部品や用品の入荷待ちが重なれば、売上は見込めなくなる。
(観光名所)…各種商品の値上げが相次いで予告されている。現在は客単価がやや低下している状況にあり、今後は値上げが実施されたときにどのような影響が出るか注視している。現在は来客数の多さが売上をカバーしているが、単価の下落幅が拡大した場合には、カバーし切れず、景気はやや悪くなる。
(一般機械器具製造業)…中東情勢の影響により、部資材の調達環境が悪化しており、客先の生産計画の見直しが想定される。
(輸送業)…複数の取引先製造業において、燃油や石油由来の原材料で調達難が生じ始めている。2~3か月先の仕入れのめどが立っていないという声も聞く。この先、生産や出荷に影響が及ぶ可能性があり、景気減退への懸念がある。
(広告代理店)…中東情勢の動向次第では、広告出稿意欲が上がる可能性もあるが、不安定なままでは、客先の出稿意欲は高まらないとみている。
(その他企業[協同組合])…原料・資材を安定的に確保できる見通しが立たない。
(求人情報誌製作会社)…様々な分野で物価が上がるなか、特に中小企業では収益改善や経費削減が進まず、賃上げできない企業が多くなっている。
(職業安定所)…求人及び求職者の動きに大きな変化はないが、事業所からは原材料価格の高騰や包装資材の入荷制限が発生しているという声を聞く。中東情勢が雇用に与える影響を注視する必要がある。
○「悪くなる」
(その他小売[ショッピングセンター])…中東情勢に起因する夏場のエネルギーコスト増加や原材料価格の高騰については、原油調達の効果が現れるまで時間を要するとみている。こうした状況から、ゴールデンウィークや夏休み期間の人の動きについても近場志向や節約傾向が高まるとみている。
(一般レストラン)…物価高が悪影響を及ぼしており、外食に対する支出はますます抑制されている。飲食店にとっては厳しい状況が続くとみている。
(食料品製造業)…中東情勢により、石油を原料とするフィルムや衛生用品の値上げ要請があり、資材関連のコストが大幅に上昇する。供給量も前年実績が上限といわれており、今後の見通しが立てにくい。
(金属製品製造業)…中東情勢の影響により、潤滑油を始めとする石油由来製品について、値上げや受注調整、受注停止といった通知が相次いでいる。このままでは製造体制の維持が難しくなる可能性がある。こうした状況は同業他社においても同様であり、当社製品に支障がなくても、他社製品が納入されないことで、結果として顧客が製造計画を縮小する可能性がある。
東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上
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