今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和8年3月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「38.6」と4か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲10.6ポイント低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「37.9」と2か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲11.9ポイント低下した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「40.8」と2か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲6.5ポイント低下した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「38.7」と4か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲12.9ポイント低下した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和8年3月25日~31日
回答者数 173/189名、回答率 91.5% (全国1,790/2,050名、87.3%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(都市型ホテル)…台湾、タイ、マレーシアからのインバウンドが増加している。

○「変わらない」
(商店街)…来街者数に大きな変化はないものの、急激な原油価格高騰の影響を受け、ガソリンを始め生活用品の値上げに歯止めがかからない。景気は小康状態である。
(百貨店)…来客数は微増傾向だが、全体的な売上に変化はない。新生活需要なども目的買いが主体となっており、節約志向は継続している。
(観光型ホテル)…卒業旅行を目的とした学生の利用は若干あるが、全体的に来客数は少ない。
(観光名所)…ここ数か月、団体客の予約、振り客共に微増で変わらない。
(その他サービス[自動車整備業])…最低賃金引上げや石油関連製品を始めとする各種価格の上昇により、仕入コストや経費が増加し、金利も上がっている。それでも、受注数及び販売額は好調な状態を維持している。なお、販売価格は4月に改定を予定している。
(その他住宅[リフォーム])…先送りになっていた工事の完了が増えたが、金額が大きい工事の受注は減っている。緊急性の高い水回り修繕や給湯器の交換は増えている。
(一般機械器具製造業)…半導体関連は比較的好調だが、他の業種は余り動きがなく、景気に変化はない。
(学校[専門学校])…専門学校に来る求人数は例年並みである。
(その他雇用)…原材料価格と人件費の高騰により、中小零細企業の廃業が発生している。今後は重油価格の高騰による更なる悪影響が懸念される。

○「やや悪くなっている」
(スーパー)…中東情勢の影響により原油供給の先行きが見通せない。石油製品の値上がりにより、消費者は支出を抑制しており、必要な物しか購入しない傾向がみられる。
(コンビニ)…来客数の増加が止まっている。また、商品が値上がり傾向にあるなか、客単価が低下している。
(乗用車販売店)…中東情勢の悪化によりガソリン価格が高騰しており、買い控えの動きが見え始めている。新車部門では特にガソリン車の売行きが今月に入ってかなり悪化しており、買換えを先延ばしにするという声も聞く。
(一般レストラン)…3月は卒業式などもあり来客数が多くなる時期だが、今年はそれも少ない。来客数が伸び悩んでいる状況が続いている。
(通信会社)…原油価格高騰による値上げラッシュへの懸念から、設備投資を手控える雰囲気がうかがえる。
(ゴルフ場)…物価の上昇に対し賃上げが追い付いていない。消費マインドの後退が懸念される。
(美容室)…客は常連客のみであり、一定のサイクルで来店するため、今月は来客数が少ない。
(農林水産業)…燃料価格の上昇により、生産コストが上昇している。
(食料品製造業)…イベントの開催や鉄道会社の特別企画乗車券の効果で駅周辺の集客は高まり、飲食や土産品の需要も伸びている。一方で、平日と土日祝日との差が大きく、平日の地元客の集客策が必要である。
(その他企業[協同組合])…原油価格の高騰や不安定さから、原料、資材等の価格上昇や入手の困難があり、先行きに懸念を抱いている。また、人件費増加により、販売拡大や設備投資に前向きに取り組む意欲が高まりにくい状況が見られる。
(人材派遣会社)…中東情勢への不安感から、物流関係を中心に採用活動を控える企業が出てきている。特に、原油価格高騰のダメージを受けやすい業種からは、今後の採用を控えるという声を聞く。

○「悪くなっている」
(衣料品専門店)
…3月は卒業、入学、転勤などで業界の繁忙期だが、今年は春の衣替えや転勤の話が少ない。また、メインの高校を卒業して進学する人のスーツ需要も少なく、苦戦している。
(その他専門店[酒])…中東情勢の影響により物価が上昇している。生活必需品や食品、雑貨の購入が優先され、し好品は動かなくなっている。
(輸送業)…中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰により、燃料価格が急激に上昇し、収益を大きく圧迫している。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…前年は4月に価格改定があり、3月は価格改定前の駆け込み需要が大きかった。その反動が出ている。

 

(2)先行き判断理由

「良くなる」
(観光名所)…国際線が増便となることから、インバウンドの増加が見込める。

「やや良くなる」
(競艇場)…ゴールデンウィークに来場促進イベントを行う予定である。新規客を獲得し売上増加に結び付けたい。その先はリピーターの増加による売上増加を見込んでいる。
(通信業)…新年度予算が確定した企業からのクラウドやAIソリューションの導入に関する相談が増えており、景気は良くなる見込みである。

○「変わらない」
(都市型ホテル)
…インバウンドの先行予約が鈍化傾向にある。
(一般機械器具製造業)…AIのデータセンター向け需要の高まりで、半導体設備向けの見込みが増加している。反面、中東情勢による供給制限や価格高騰が景気上昇の妨げになる可能性がある。
(職業安定所)…有効求人数は前年同期比で横ばいである。一方で、今後数か月にわたり、企業整備による人員削減の企業が複数ある。

「やや悪くなる」
(一般小売店[酒])…中東情勢の緊迫化による原油価格高騰の影響が出ており、不透明な先行きに不安しかない。この状況が長引けば、燃料費だけでなく食料品や日用品等の生活必需品への支出増加が家計を一段と圧迫する。結果、購買力の低下や個人消費の冷え込みなど経済にマイナスの影響が出てくることが懸念される。
(百貨店)…物価高が続くなか、原油価格の高騰などもあり、先行きは不透明な状況にある。生活防衛意識が高まり、買い控えが一層強まることが予想される。
(スーパー)…物価上昇は続いているものの、中東情勢によって急激な価格上昇が生じれば、買い控えが一段と強まることが懸念される。
(コンビニ)…ガソリン価格や電気料金など生活コストの大幅な上昇が見込まれることから、買い控えが生じるとみている。
(乗用車販売店)…新年度税制は業界にとって追い風と考えるが、中東情勢のインパクトが余りにも大きすぎるため、市場全体の購入マインドを喚起するには至らないとみている。
(一般レストラン)…物価上昇により材料費が上がっており、利益が出ない。中東情勢の影響もあるため、この先は暇になるとみている。
(美容室)…カット中の会話でも物価高や燃料費の高騰に対する不安の声が聞かれ、不安感から買い控えが進むことが懸念される。また、理美容界の仕入コストの上昇も懸念材料である。
(食料品製造業)…中東情勢の影響により工場で使用する重油の値上げが発生している。また、石油製品の包材、資材関係を扱う業者からは値上げ要請や供給を不安視する声が出ており、先行きは不透明である。
(出版・印刷・同関連産業)…業界でも中東情勢の悪化による石油製品の価格上昇の影響が出ている。印刷関連メーカーからは、価格引上げや在庫ストックの要請など厳しい取引条件が示されている。
(輸送業)…先行きは不透明であり、中東情勢の悪化は生活や産業などあらゆる面に大きな影響を与える不安材料となっている。輸送業界にとって、燃料の価格上昇や高止まり、調達難は死活問題となる。
(金融業)…中東情勢の影響によりガソリン、重油、軽油の価格が急騰し、融資取引先の経営に大きな影響が出ている。運送業、温泉業を始め多くの業種に影響が広がっており、軽油は高騰に加え不足が発生しており、確保できずに廃業を選択するところも出ている。
(広告業協会)…中東情勢による先行きの不透明感が企業マインドを委縮させており、広告費の増加は見込めない。また、国内の物価対策は政策実行に時間が掛かるとみられることから、3か月後の広告業界の景気はやや悪くなると予想している。
(人材派遣会社)…当県でも中東情勢を不安視している企業が散見される。特に飲食業では、光熱費や原材料価格の高騰を懸念する経営者が増えている。

「悪くなる」
(農林水産業)…販売価格の急な値上げは考えにくく、原油価格高騰に伴う資材費や人件費の上昇により利益が圧迫される可能性が高い。また、果物はし好品のため、物価が高くなると消費者の買い控えが懸念される。
(求人情報誌製作会社)…商品やサービス、原材料価格の上昇が止まらないなか、体力のない企業が対応し切れず、廃業に至るケースが増えることが予想される。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以上

 

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