今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和8年7月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「42.3」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.6ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「45.5」と4か月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.3ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「43.9」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+2.7ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「45.7」と3か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲0.9ポイント低下した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和8年7月25日~31日
回答者数 179/189名、回答率 94.7% (全国1,811/2,050名、88.3%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(農林水産業)…単価、販売量共に良好である。

○「やや良くなっている」
(百貨店)…来客数は大きく伸びている。ただし、物価高の影響による買い控えがみられ、節約志向も強まっており、客単価はやや低下している。
(衣料品専門店)…気温の上昇に伴い、夏物商材の需要が好調に推移している。
(家電量販店)…梅雨明けしていないものの、6月より気温が高い日が続き降水量も少ないことから、夏物商材の販売量が増加している。中東情勢が不安定であるため、一部メーカーの商品が長期欠品状態になっている現状もあり、商品在庫があるうちに早めにエアコンなどを購入したい客が多く来店し販売量が増えており、景気がやや良くなっている。
(乗用車販売店)…物価高の影響もあり、今まで定期的に買換えを行っていた客の動きが鈍い。一方、経年車の車検が高額になるケースが多くなっているため、成約件数は増加している。
(その他サービス[自動車整備業])…売上は順調に伸びている。ただし、物価高による原材料価格の上昇が利益を圧迫している。
(設計事務所)…発注案件は減少しているものの、受注件数は増加しており改善している。
(木材木製品製造業)…地政学的リスクに伴う供給面への影響は和らぎ、おおむね安定的な調達が可能となったことで採算性は改善している。また、案件によってはコスト改定の打診に応じる取引先も出てきている。

○「変わらない」
(住関連専門店)…マンションの購入客に、間取りの変更など設計変更のオプションや壁紙、カーテン、エアコン、インテリアを案内している。今使っているものをできるだけ使いたいという客がいる一方、全部を新しく買換える客もいる。スペースを有効に使えるように家具をフルオーダーする客もいる。同じマンションを購入する客でも差がみられる。
(一般レストラン)…同業他社の話を聞くと、低価格帯の店は混み合っている一方、高価格帯の店は来客が少なく、2極化が進んでいる。当店はその中間層をターゲットとしており、現時点ではそれほど悪くない状況である。
(遊園地)…梅雨が長引き雨も多かったが、3連休と下旬のイベントにより、来客数は前年を少し上回っている。
(ゴルフ場)…予約数の推移をみても、レジャーや娯楽への支出が増えているようにはみえない。
(食料品製造業)…お中元の動きが今一つで、全体の売上は前年をクリアできていない。
(土石製品製造業)…受注量は前年比では微増だが、依然厳しい状況である。
(輸送業)…当社の取扱貨物の荷動きは鈍化傾向が続いており、売上も低迷している。
(広告業協会)…景気が見通せず、消費行動は必要最低限にとどめる傾向にある。このような状況では広告費を増やす企業は少ない。広告市場に変化はなく、微減で推移している。
(その他企業[協同組合])…中東の海峡封鎖や中国によるレアアース等の輸出制限などは、落ち着いたと思えば再燃するなど先行きが見通せない状況にあるが、企業は何らかの策を講じて受発注の確保につなげている。
(人材派遣会社)…大手企業を中心に採用方針の見直しが進んでおり、全体の採用枠は縮小傾向にある。そのため、全社的に採用者数は減少している。中小企業においては、引き続き採用ニーズはあるものの、求職者との条件面でのミスマッチが生じるケースが多く、採用人数の増加にはつながっていない。
(求人情報誌製作会社)…求人掲載企業のなかに、少しではあるが新規事業や規模拡大を見越した募集を出すところがみられるようになったため、景気は下向きではないとみる。
(職業安定所)…有効求職者数は増加、有効求人数は減少が続いている。新規求人数をみると、製造業がAI関連を始めとする半導体需要を背景に4か月連続で増加している。

○「やや悪くなっている」
(一般小売店[酒])…地域経済を支えてきた老舗企業の経営破綻が前月から相次いでいる。長引く物価高、人件費の高騰に加え、ここに来てゼロゼロ融資の返済が本格化しており、地方の中小企業にとっては本当に厳しい状況である。お中元も物価高の影響から、贈り先を減らしたり、全てやめたりする取引先が出ている。贈答品の縮小傾向が顕著である。
(スーパー)…気温の影響により、夏商材の売行きが悪い。
(コンビニ)…週末を中心に雨が続いたことから、来客数は大幅に減少している。売上についてはキャンペーンで一定水準を確保しているものの、伸びは鈍化している。
(旅行代理店)…円安や燃油高により海外旅行離れが顕著になっている。団体旅行は、需要の減少から競合他社との競争が激しくなっている。
(競艇場)…来客数に変化はないが、客単価は低下傾向にある。大口客の来場が減少していることが要因とみている。
(建設業)…予定していた受注契約の条件がまとまらず契約延期となっている。

 

(2)先行き判断理由

「やや良くなる」
(観光型旅館)…3か月先の予約数は、現時点で前年実績の2割となっている。このペースで推移すれば、今月をやや上回る実績となる見込みである。
(旅行代理店)…自治体が発行している宿泊クーポンが秋以降に再び発行される情報があるため、連動した動きが期待できる。暑さの状況や夏休み後の動きは不透明である。

○「変わらない」
(スーパー)
…物価上昇の影響から、消費者の節約志向は引き続き強い。一方で、食品など生活必需品の需要は一定程度維持されており、売上に大きな変化はない。特売やポイント企画などお買い得感のある商品への反応は引き続き良いものの、通常価格の商品は買い控えの傾向が続いている。こういった状況は、今後2~3か月は変わらないとみている。
(家電量販店)…中東情勢の影響により、一部メーカーでは部品供給が間に合わずに長期欠品状態となっているが、その状況が改善し、各メーカーからの商品出荷が安定するとみている。9月を過ぎると気温も落ち着き、冬までの間は特に大きなイベントもないため、景気に大きな変化はないとみている。
(住関連専門店)…中東情勢により資材価格は高騰して安定せず、受注活動に影響が出ている。景気回復は見通せない。
(一般レストラン)…中長期的な予約状況をみても期待は薄い。円安の影響により物価高が進んでいるため、購買意欲は高まらないとみている。
(食料品製造業)…原料価格などの値下がりは期待できず、価格改定や内容量を見直さざるを得ない。
(出版・印刷・同関連産業)…例年どおり、あるいは前年に実施したことを踏襲して開催する案件は減少している。県の施策についても、対外的な集客イベントから、人口減少対策や婚活支援などの内向けのものに変化している。本業である印刷、出版物の制作、製造は減少する一方、委託事業の需要は増加しており、事業の軸足を移さざるを得ない状況である。
(輸送用機械器具製造業)…取引先各社の動きが活発になっており、この先も良くなる見込みである。
(人材派遣会社)…例年9月は求人数が大きく動く時期だが、派遣労働需要として退職者も大幅に増加するため、プラスマイナスゼロになる可能性が高い。

「やや悪くなる」
(一般小売店[医薬品])…仕入価格の上昇を見越して在庫を積み増し、店頭価格の上昇を抑えてきた。しかし、ここに来て在庫が底を突き、商品の値上げを検討せざるを得ない状況であり、今後は消費者の生活防衛意識が更に強まることが予想される。
(衣料品専門店)…ビジネススタイルの軽装化が続いている。当店でも扱っている商品はあるが、売れるのは単価が低い商品であり、このまま何もしなければ厳しい状況になる。
(乗用車販売店)…新型車効果で現状は上向いているが、クレジット金利も上がる予想であり、販売の先行きは不透明である。
(美容室)…物価高の影響により、売上が伸び悩んでいる。
(その他住宅[リフォーム])…エアコンは受注過多による交換工事遅延への対応が課題となる。リフォームは中東情勢が悪化する見通しであり、厳しさは更に増すとみている。
(木材木製品製造業)…当地域における取引先の受注案件数が減少傾向にあり、実需の弱さを強く実感している。最近の倒産件数増加に関する報道についても、現場の感覚と合致しており、連鎖倒産や与信管理上のリスクを含め、今後の動向には強い警戒感を持っている。需要の根本的な回復が見込めないなか、当面は慎重な事業運営とリスク管理が必要である。
(輸送業)…中東情勢の緊迫化や熊本地震によるインフラ被害で物流が停滞することにより、日本経済に悪影響を及ぼすとみている。
(不動産業)…価格下落の進行が遅れるため、供給過多になり、購入判断が遅れることが予想される。
(職業安定所)…中東情勢の影響による物価高騰や原材料不足が続いており、今後の調達等を不安視している企業が多い。
(学校[専門学校])…求人に付される採用条件が更に厳しくなり、採用の難易度が上がることが予想される。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以上

 

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