今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和8年8月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「46.1」と3か月連続で前月を上回った。前月と比較し+3.4ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「43.8」と6か月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲2.5ポイント低下した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「45.6」と5か月連続で前月を上回った。前月と比較し+1.1ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「43.8」と3か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.4ポイント低下した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和8年9月25日~30日
回答者数 180/189名、回答率 95.2% (全国1,793/2,050名、87.5%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(都市型ホテル)…インバウンドの個人予約が好調に推移している。欧米系の客の利用も好調である。
(観光名所)…入館者数は前年比125%である。9月の連休の入場者数としては過去最多となった。ファミリー層も多く、駐車場ではレンタカーに加え、西日本や九州ナンバーの車やバイクもみられた。

○「やや良くなっている」
(百貨店)…土日祝日を中心に県外からの来街者が増えており、食料品やイベントでの物販が好調に推移している。平日の来客数は減少しているものの、売上としては価格上昇分も含め前年を上回っている。
(衣料品専門店)…例年よりも早く気温が低下し秋物需要が高まってきたなか、入替えを早めたことでニーズをとり込めている。
(その他小売[ショッピングセンター])…客が当施設の利用に慣れてきたことから、景気がやや良くなっている。
(旅行代理店)…安定的に晴れ、台風の接近もなかったため、穏やかな夏の終盤から初秋となり、9月の大型連休中も多くの観光客がみられた。
(ゴルフ場)…直近の予約数が前年より増加している。
(その他非製造業[飲食料品卸売業])…秋の行楽シーズンに突入したことと気温の低下が、日本酒の消費を押し上げる要因となっている。
(職業安定所)…有効求人数が2年ぶりに前年同月を上回っている。前月比でみると新規求人倍率は低下しているが、有効求人倍率は上昇している。製造業ではAI、自動車関係における半導体需要を背景に人手不足となっており、求人数が増えている。

○「変わらない」
(一般小売店[医薬品])…近隣に大型のドラッグストアが開店し、影響が出始めている。
(スーパー)…9月は4000品目以上の値上げがあったが、平均1品単価は前年比2%弱の上昇にとどまっている。買上点数、来客数は依然前年を割り込んでいるが、売上は前年並みに戻している。物価高による買い控えは進んでいるものの、売場で価格を抑えた販売品目を増やしたことが、買上点数の下げ止まりにつながりつつある。ただし、消費の傾向に変化はなく、厳しい状況が続いている。
(コンビニ)…販売量は横ばいで推移しているが、来客数の微減を客単価でカバーしている状況が続いている。
(高級レストラン)…来客数はここ数か月の減少傾向から下げ止まり、横ばいで推移している。目立った好転材料はないものの、減少傾向は落ち着いている。
(農林水産業)…今年は長雨の影響により果樹全般の出来が今一つである。また、消費者に買い控えの傾向も見受けられる。しかし、良い物は継続的に売れる傾向もあり、全体でみると例年並みになっている。
(建設業)…受注は堅調で、工期に間に合うように人繰りをしている。
(その他企業[協同組合])…受注は順調であり量も価格も上昇している。中東の海峡封鎖による原材料、資材の入手困難が緩和したこともあるが、半導体・自動車関連の好調に引きずられて全体的な景況感は良くなっている。一方、資材価格は50%程度の高止まりで推移しており、利益増加にはつながっていない。さらに、好調な受注をこなそうにも人手不足から思うようには製造ができない状況がある。
(人材派遣会社)…特に中堅中小企業の状況が芳しくない。全産業で仕入価格が上がっており、利益確保が難しい状況である。大手企業は価格攻勢を掛けてくるため、消費者も安い大手を選んで、中堅中小企業の商品を買わない。結果的に業績も良くないため、雇用にも踏み切れない状況である。
(その他雇用)…原材料費や人件費の高騰を価格に反映できず、業績が悪化している企業が多くある。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…売上では、販売数の減少を単価上昇が打ち消す動きはある。しかし、物価高の影響が価格に顕著に表れたことで、来街者数が減少している。
(乗用車販売店)…車両販売についてはバックオーダーの車両生産が急ピッチで進み、登録に結び付いているため、ほぼ前年並みを維持している。一方、収益の柱であるサービス部門は、部品代や工賃上昇の影響により割安民間工場に入庫流出するケースも多く、ここ数か月で徐々に収益が減っている。
(住関連専門店)…客は購入したマンションなどのインテリアオプション販売会などには参加するものの、購入金額は大幅に減少している。
(その他専門店[ガソリンスタンド])…天候不順が影響し、燃料油の販売量は前年実績を大きく下回り、洗車台数も大きく減少している。売上は総じて減少している。
(美容室)…客単価は前年比95%である。単価の高いパーマが前年比81%と激減し、カットやトリートメント等の施術への移行が多くなっており、技術売上の平均単価は前年比95.8%となっている。
(食料品製造業)…販売量の前年割れが続いている。
(家具製造業)…引き合い案件数と受注案件が減少し、悪くなっている。

○「悪くなっている」
(一般レストラン)…9月の大型連休があったため、連休前は消費を控える動きがみられ、連休後は連休中の支出増加を受けた節約志向がみられる。来客数、売上、単価共に悪くなっている。
(不動産業)…10月以降、各種金融機関の事業用ローン及び住宅ローンの金利は上昇傾向にある。分譲マンションの価格上昇も継続しており、中古市場を含め、出口顧客が価格上昇に追い付いていない。

 

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(観光型旅館)
…年末年始や冬の観光需要があるため、売上の増加傾向は続くとみている。宿泊部門を中心に、団体や家族旅行の利用増加を見込んでいる。現状の集客力とサービス力をいかすことで業績の好調を維持したい。ただし、季節要因や外部環境の変化には引き続き注意が必要である。
(都市型ホテル)…紅葉シーズンの国内客とインバウンド、冬季のインバウンドの先行予約が好調である。
(一般機械器具製造業)…半導体業界が好調をけん引しており、部品納期も長くなってきている。

○「変わらない」
(一般小売店[酒])
…10月からは酒税法改正による価格改定でビールなど値下がりする商品も出てくる一方、生ビールには欠かせない炭酸ガスは倍近く値上がりする。値下がりすることだけに焦点を置かれるが、燃料費等の上昇や人件費、採算確保なども踏まえ、小売店、飲食店共に様々な対応を求められる。この改正がどこまで消費者マインドに影響するかが不透明である。
(百貨店)…客単価については、高額品の動きがやや鈍化している。
(スーパー)…10月の値上げ品目は3000を超え、電気・ガス料金等の値上げも加わる。天候不順により農作物の生育も芳しくなく、最低賃金引上げに伴い人件費も増加する。また、原材料費や物流費の上昇も続いていることから、価格転嫁の動きは更に広がる。消費者の生活防衛意識がこれ以上強くならないことを願っている。しかし、地方の企業活動や個人消費は当面は厳しい状況が続くとみている。
(衣料品専門店)…物価上昇に伴い、消費行動が大きく冷え込んでいる。さらに、スーツ離れも影響しているため、苦戦が予想される。
(家電量販店)…節約志向が広がることへの懸念はあるが、商品単価が上昇しているため、売上は維持できるとみている。
(その他専門店[白衣・ユニフォーム])…秋冬商材が本格的に動き出すが、近年は防寒服の売行きが芳しくない。冬物で売れる商材が少ないことに加え、一般アパレルとの競合もある。また、冬の期間が短くなっているほか、気温や降雪状況も以前とは大きく変化しており、薄手のものを着るようになっている。年末の売上が心配である。
(人材派遣会社)…物価高が家計に影響しており、消費は減退する可能性がある。求人も人件費の高騰などから慎重になる企業が増えている。AI需要という押し上げ要素はあるが、景気はやや悪くなることも考えられる。
(職業安定所)…物価高や中東情勢の影響の継続が見込まれる。また、最低賃金引上げに伴う人件費の増加により、経費負担の増加を懸念する声を聞く。このため、一部事業所では採用に慎重な動きがみられる可能性がある。

○「やや悪くなる」
(乗用車販売店)…販売価格は上がっているものの、利益は想定以上に少ない。また、人件費などの上昇が利益を圧迫している。
(食料品製造業)…原料、資材、人件費の高騰により、価格改定に踏み切らなければならず、規格変更や代替メニュー等、客離れを抑える提案を試行錯誤している。
(木材木製品製造業)…見積りの引き合いは一定数あるものの、手元案件の成約・着工への結び付きが弱く、2~3か月先も目ぼしい大型物件が見当たらない。また、各地の豪雨災害に伴う復興需要は被災地周辺にとどまり、当地域への資材発注として波及する見込みは立っていない。さらに、災害対応等の影響もあり足元では現場の職人を確保しにくく、工期遅延や着工停滞の懸念が強まっている。脱炭素関連の木質化需要の開拓を模索しているが、案件不足と施工制約により先行きは一段と厳しくなる。
(不動産業)…不動産ストック型の中小企業では経営悪化が予想される。金利が上昇するなか、資材価格の高騰が落ち着き、不動産価格が適正水準に戻るまでは、取引件数の減少が続く。
(司法書士)…不動産取引や住宅新築件数の減少傾向が続いている。

○「悪くなる」
(タクシー運転手)…日用品は値上がりし、ガソリン価格も高値を維持している。先行きに明るい材料は見当たらない。
(電気機械器具製造業)…主力のパソコン生産において、10月以降大幅な落ち込みが予想される。
(アウトソーシング企業)…10月から最低賃金が引上げられるが、小さな会社では対応が非常に厳しい。また、賃上げを実施しても、社会保険料負担の増加などにより労働者本人の手取り額はそれほど増えず、物価上昇にも追い付かない。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以上

 

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