今月の景気ウォッチャー調査

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和8年4月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

表A-東北の現状判断(季節調整値)

表B-東北の先行き判断(季節調整値)

表C-東北の現状判断(原数値)

表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「40.6」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.1ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「39.1」と2か月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.4ポイント上昇した。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「39.7」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.4ポイント上昇した。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「39.7」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+1.3ポイント上昇した。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

 

2.調査の概要

調査期間 令和8年5月25日~31日
回答者数 177/189名、回答率 93.7% (全国1,794/2,050名、87.5%)

 

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)

(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(家電量販店)…2027年からの新たな省エネ基準導入を前にエアコンが売れている。県による省エネ家電の購入補助も好調の要因となっている。

○「やや良くなっている」
(百貨店)…ゴールデンウィーク後は気候も良くなり、県外の客が少しずつ増えている。株高の傾向があるため、高額商品はジュエリー、ウオッチを中心に堅調に推移している。日傘やサングラスなどの季節商材も前倒しで動き始めている。
(乗用車販売店)…原材料価格の高騰による車両価格への転嫁が進んでいる影響もあり、新車販売台数は前年比9割程度と伸び悩んでいる。一方、新車価格の上昇を背景に中古車市場は堅調で、販売台数が例年の2倍以上の店舗もみられる。収益構造の変化が進んでいる。
(テーマパーク)…来客数は目標値に対し、3か月前は106.4%だったが、今月は108.1%と上向いている。
(食料品製造業)…ゴールデンウィークや祭り等のイベントにより人流が増え、特に土日、祝日の飲食店の集客が好調である。土産品に関しては低価格帯の商品の荷動きが良くなっている。

○「変わらない」
(スーパー)…ゴールデンウィークや気温上昇により販売点数は増加したが、一時的なものである。景気に変化はみられない。
(コンビニ)…商品値上げの影響により売上は伸びているが、来客数は減少している。
(観光型ホテル)…来客数は前年並みである。
(都市型ホテル)…中東情勢の影響もありインバウンドは苦戦していたが、ゴールデンウィークの大型連休に加え、当地でイベントが多数あったことから、来客数は前年と同じ動きになっている。
(ゴルフ場)…来場者数の推移は前年と変わらない。
(金属製品製造業)…中東情勢による調達不安の影響か、やや悪い状況が続いている。

○「やや悪くなっている」
(衣料品専門店)…来客数の減少を客単価上昇でカバーできていない。
(住関連専門店)…オーダーメイドの受注生産をしているが、受注量が減少しており、景気は悪くなっている。
(その他専門店[靴])…自治体発行の商品券利用に期待しているが、生活必需品から利用されるため、靴や履物を購入するための利用は少ない。
(通信会社)…放送サービスの加入者数が減少している。特に今年はゴールデンウィークが長かった影響もあり、新規獲得に向けた営業活動ができなかった。また、家電量販店の窓口への来客も減少したため、転入に伴う通信サービスや電話サービスへの新規加入申込みも減少している。
(農林水産業)…米の店頭価格が下落傾向にある。
(電気機械器具製造業)…取引先から示されている先行き見通しを下回る受注量となっている。
(輸送用機械器具製造業)…ゴールデンウィーク前後に受注の落ち込みがみられた。例年以上に動きが鈍く、積上げが良くない状況である。
(輸送業)…売上は前年と比較して5%以上落ち込む見通しであり、3か月前と比較しても悪い状況である。当社の取扱品目では、輸出入や保管の取扱数量が落ち込んでいる。輸送の取扱では、特に関東方面行きの荷物の減少が大きく響いている。
(人材派遣会社)…建設資材やリフォームの企業を始め、中東情勢の影響により求人どころではなくなっている業種がある。石油由来製品を商材として扱う企業は軒並み業績が厳しくなっており、給食関係や医療関係の企業では手袋が入手できないといった話も聞く。機械メーカーは潤滑油の備蓄が8月までしかないため、それ以降は稼働を減らさなければならないと話すなど深刻な状況になっている。
(求人情報誌製作会社)…求人やそれ以外の広告に費用を掛けられない企業が、前年よりも多くなっている。
(職業安定所)…物価高騰や中東情勢の影響に加え、人件費増加が経営に影響を及ぼしていることから、新規雇用の余裕がない企業が少なくない。

○「悪くなっている」
(一般小売店[医薬品])
…当店の主な顧客は高齢層であり、インフレが進む見通しのなかでは生活防衛的な行動をとらざるを得ない。よって、来客数が大きく減少している。
(競艇場)…来客数に変化はないが、客単価が大幅に減少している。
(設計事務所)…建築士事務所協会では、会員の退会が年間で約5%発生している。理由は業務を継続できる受注がないことや高齢化による廃業である。公共入札においても低価格での応札、最低制限価格での同札抽選など厳しい状況が続いている。そこに物価上昇や資材供給遅延なども重なり、川上にある設計業務の発注量が減少している。
(不動産業)…新築マンションの動きは鈍化している。また、都心部の顧客が激減し、高価格帯物件の動きが止まっている。新規設備の供給が遅延しており、先行きの見通しも立っていない。

 

(2)先行き判断理由

「良くなる」
(テーマパーク)…気温の上昇とともにプールなどのレジャー需要が本格化するため、ファミリー層を中心に利用者数の増加が見込まれる。それに伴い、飲食や物品購入などの消費活動も活発化し、景気は上向くとみている。

「やや良くなる」
(乗用車販売店)…中東情勢や価格上昇の影響により消費マインドは低下しているが、一過性とみている。各社が国内で新型車を発表し、価格改定も進んでいることから、市場全体としては盛り上がっている印象を受ける。
(旅行代理店)…自治体が発行している宿泊クーポンが好調で、既に予算額を消化したとの情報がある。6~7月の該当日において稼働が上がるとみている。
(その他住宅[リフォーム])…エアコンの省エネ基準変更による駆け込み需要は増えるとみている。また、補助金を活用したリフォーム工事も増えるとみている。
(金属製品製造業)…中東情勢の影響により、物資調達のコスト増加や不安はあるものの、受注予測としては上向いている。
(輸送用機械器具製造業)…ここ2~3か月は客先からの引き合いや受注の積上げ状況が良くなっており、この先も期待が持てる。

○「変わらない」
(一般小売店[医薬品])
…来客数の減少により、今月の売上は前年比96.8%となっている。来月以降も客足は鈍いまま変わらないとみている。
(スーパー)…6月には食品等の値上げのほか、公共料金やインフラ経費の負担増もあり、消費環境は一層厳しくなる。価格抑制対策により買上点数はやや回復しているが、前年には至らない。当面の消費環境は変わらないとみている。
(コンビニ)…ガソリンや食品の値上がりの影響が大きい。当店でも食品や雑貨を始め、全体的に価格が上昇しているため、売上は横ばいで推移している。先行きは悪化の懸念はあるものの、現状維持にとどまってほしい。
(農林水産業)…資材費の高騰が続いているため、販売価格を上げられればよいが、価格が据置きだと厳しくなる。ナフサ由来の原料不足の影響により利益が減る可能性もある。販売価格次第である。
(食料品製造業)…売上が週末に集中しており、平日との格差が大きいため、平日の地元客の集客対策を実施している。一方、資材納入の不安定さが各方面に影響を及ぼしつつある。
(広告代理店)…相変わらず人手不足感はあり、採用目的の企業認知向上意欲は高い。しかし、経済が不安定であるため、積極的な投資にはつながりづらい印象を受ける。

「やや悪くなる」
(百貨店)…資材包材の値上げ報道が多くなっており、物価高による生活防衛意識は一層高まっている。夏場に向けてのギフト市場でも、贈り先の絞り込みなどによる客単価の下落を懸念している。
(家電量販店)…気温が更に高くなり、エアコンを中心とした夏物商材が売れることを期待したいが、中東情勢の影響により石油由来の部材が軒並み品薄状態にあり、既に配管カバーなどは納期が未定となっている。部材不足により取付工事ができない状況も想定されることから、2~3か月先はやや悪くなるとみている。
(出版・印刷・同関連産業)…中東情勢の影響により石油関連製品が品薄となっている。メーカー各社からは、値上げを前に在庫処分を進めるための提案依頼が殺到している。
(一般機械器具製造業)…中東情勢の影響により、原材料、オイル類等の価格高騰や調達が非常に困難な状況が続いている。先行きが不透明であることから、2~3か月後はやや悪くなるとみている。
(通信業)…大手キャリアの料金改定により、コスト意識の高い客の乗換えが活発になる見込みである。
(人材派遣会社)…中東情勢の影響による石油由来製品の不足により、リフォーム関係の企業の中には営業自粛若しくは停止しているところがある。機械メーカーでは潤滑油を確保できず、8月以降の操業体制を見直さなければならない状況にある。
(求人情報誌製作会社)…求人広告を出している企業の多くが、募集しても希望する人材からの応募が乏しく、特に若い人からの応募がないと話す。当県でも働く世代の流出が既に進んでいる可能性がある。働く人がいなければ景気が上向くこともなく、先行きも明るくない。
(職業安定所)…中東情勢の影響により、燃料油や資材の価格高騰、調達不足が生じており、事業所からは今後を不安視する声が多い。解雇や休業など雇用調整の動きは現時点で見受けられないが、引き続き注視していく必要がある。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以上

 

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