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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成31年4月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「44.8」と2ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.9ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.1」と3ヶ月ぶりで前月を下回った。前月と比較し▲0.8ポイントとわずかに下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「47.2」と2ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.6ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.2」と2ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.6ポイントとわずかに下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成31年4月25日~30日
回答者数 176/189名、回答率93.1% (全国1,805/2,050名、88.0%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(飲食料品卸売業)…10連休となるゴールデンウィークで物流がストップするため、5月初旬分の受注が前倒しで入ってきている。また、改元に伴う祝賀ムードにあやかろうという雰囲気がある。

○「やや良くなっている」
(百貨店)…春の新生活は一段落したが、ゴールデンウィークや改元などによりモチベーションが上がり、消費喚起へとつながっているように見受けられる。
(コンビニ)…3か月前はマイナス5ポイントの差があった来客数の前年比が、4月ではマイナス3ポイントまで回復するなど、来客数の動きが徐々に良くなってきている。
(衣料品専門店)…来客数は天候に左右される。なかなか暖かくならなかったが、ようやく春物が欲しいという雰囲気がみられている。
(高級レストラン)…3月から少し上向いてきており、4~5月の受注状況も多少改善している。
(旅行代理店)…国内における団体旅行及び個人旅行、さらに、海外の個人旅行において問合せ、申込件数共に好調である。特に国内は北海道、海外はハワイが好調に推移している。
(美容室)…来客数は前年並みで推移しているが、単価が伸びているため、全体としては前年を若干上回っている。
(住宅販売会社)…介護施設用地の仲介と施設建設の受注予定がある。
(リフォーム業)…リフォームでは増改築の複合工事が増え、住宅設備ではエアコンの工事が増えている。
(食料品製造業)…ゴールデンウィークが10連休となるため、連休に備えるための注文が例年以上に多く、前年比120%の販売量となっている。
(広告業協会)…印刷物などに改元に伴う需要が多少あるものの、年度初めの広告出稿手控えと相殺されており、全体としては前年をやや上回る程度となっている。
(人材派遣会社)…採用決定者数の高止まりが続いている。直近は通年採用がほとんどのため、時期による変動も少なく堅調に推移している。

○「変わらない」
(書店)…新学期の販売状況からは、買い控え傾向がみられている。本当に必要になるまで購入を待っている様子であり、消費税の引上げを控えて末端の消費が落ち込んでいる。
(スーパー)…今年の4月は前年よりも日曜日が少なく、前半は苦戦気味であった。価格による対策をしたことで平均1品単価は前年を下回っており、期待した来客数の伸びにも変化がない状況である。かろうじて買上点数が若干伸びたものの、全体的な消費傾向に変化はみられていない。
(乗用車販売店)…消費税の引上げ前の駆け込み需要を見込んでいたが、販売量は伸びていない。
(ガソリンスタンド)…4月は前年より気温の低い日が多く、暖房用の灯油の需要が2割程度増加している。軽油の販売量は前年並みであるものの、灯油の販売量が増えた分、収益は増加している。ただし、天候的な要因のため、この好調が今後も続くとは考えにくい。
(観光型旅館)…ゴールデンウィークは10連休となった影響で例年よりも好調に推移している。ただし、ゴールデンウィーク後については、以前より入込対策を行っているものの、宿泊には結び付かない状況である。
(都市型ホテル)…ゴールデンウィークは10連休効果で宿泊、レストラン、婚礼の予約が順調である。ただし、法人利用の宴会がほぼないため、結果としては横ばいの推移となっている。
(タクシー運転手)…3~4月は異動時期のため買物客が多いが、街なかを歩いている買物客とみられる人達の荷物はかなり少ない様子である。
(通信会社)…消費者の購買選定の基準は、まだまだ価格優先である。
(建設業)…民間案件の受注などがあったものの、3か月前と比較しても横ばいで推移している。
(新聞社[求人広告])…新卒関係の動きが前年よりも早く、活況を呈している。しかし、転職を含めた通常の募集関係は、製造系、サービス系を中心に相変わらず低迷が続いている。東北企業に対する新卒採用調査においても、来年度の採用を今年よりも増やすという企業は25%にとどまっている。前年調査よりも3ポイント低下しており、近年で最も低い数値となっているなど、採用鈍化が懸念されている。

○「やや悪くなっている」
(一般レストラン)…単価、来客数、販売量共に落ち込んでいる。予約においても、ワンランク下のコースが増えている。
(遊園地)…期待していた春休みが、強風や雨、雪により低迷しており、その後も同様の推移が続いている。
(農林水産業)…燃料価格の高騰により、機械作業のコストが上昇している。
(窯業・土石製品製造業)…ゴールデンウィークが10連休となり工事現場が動かないため、出荷量が減少している。また、東北において地域間格差が顕著になっている。
(公認会計士)…建設業はまだ好調を維持しているものの、サービス業、小売業関係は売上、利益共に前年比の減少傾向が続いている。
(企画業)…ゴールデンウィークが10連休となり、その分の受注量が減少している。また、改元効果を期待していたものの、長い連休が逆に作用して販促企画が一回で済み、受注減となっている。
(職業安定所)…有効求人倍率が2か月連続で前年同月を下回っている。新規求人数において、建設業がおおむね前年同月を下回って推移している。

○「悪くなっている」
(商店街)…飲食関係の閉店がかなり目立つようになってきている。
(住関連専門店)…官公庁からの受注が多く年度末までは良かったが、これ以降は民間が主体となるため、受注量は減少している。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」

(コンビニ)…改元は慶事として盛り上がっている。景気が落ち込むような要因は見当たらず、客の財布のひもが固いという様子もないため、景気はやや良くなるとみている。
(衣料品専門店)…景気の低迷はある程度の底を打っている。消費税の引上げ前の駆け込み需要により、10月までは多少景気が上向くとみている。
(テーマパーク)…夏休みシーズンのため、イベント開催により集客が見込まれる。土産品などを購入する客が増える見込みである。
(輸送業)…主要荷主の新製品の製造が予定よりも遅れているが、5月中旬ごろから順調になると期待している。
(飲食料品卸売業)…安売りなどはなく通常価格での営業をしているが、受注量も、アイテム数も増加傾向にある。
(人材派遣会社)…登録者数が増えていることもあり、企業側の募集案件の獲得を積極的に行っている。その結果、今までは採用に至らなかった属性の企業においても採用が決まることがある。この傾向は今後も続くとみている。

○「変わらない」
(百貨店)…景気そのものが上向く大きな要因は見当たらないが、今後はモノを買う時代からコトを体験する傾向が強まっていくとみている。このことをどのように商売につなげていくかが大切である。
(住関連専門店)…改元に伴う経済効果がみられるとの報道があるが、当店ではその効果は実感できず、売上に大きな変化はないとみている。
(観光型旅館)…6月以降の申込件数が、例年と比較して少ない状態である。これからではあるものの、現時点において見通しが立っていない。
(電気機械器具製造業)…取引先の在庫調整にもう少し時間が掛かる見通しである。
(通信業)…通信料と端末代金の完全分離プランが明確になるまで、様子見の客が多い。
(金融業)…景気が大きく変動するような要因は見当たらない。
(広告業協会)…東京オリンピック関連の案件が複数見受けられるものの、全体を押し上げるほどのボリュームはなく、横ばいの状況が続く見込みである。
(経営コンサルタント)…消費税の引上げに対する先行きが明確になるまで、前向きな消費は期待できない。
(新聞社[求人広告])…10連休となるゴールデンウィークで百貨店などの消費は活発になりそうであるが、工場の稼働を休止する自動車関連などの生産活動は停滞するとみている。

○「やや悪くなる」
(スーパー)…商品の値上げが続いており、客もその価格に慣れてきてはいるものの、仕方なく買っている様子がうかがえる。価格に左右される状況は今後も続くとみている。
(都市型ホテル)…先々の予約状況が芳しくない。
(旅行代理店)…需要がゴールデンウィークに集中しており、6月以降の予約が非常に鈍くなっている。このことが、夏休みで最盛期となる7~8月にどのような影響を与えるのかが不安である。
(タクシー運転手)…10連休となるゴールデンウィークにより、乗客数や単価の動きにどのような影響があるか不安である。
(金属製品製造業)…国内において消費税の引上げによる影響が出ることを懸念している。
(建設業)…東京オリンピック開催後も、首都圏内の大規模再開発計画などに絡む大型プロジェクト案件は複数あるが、実現する計画は少ないのではないか。また、大阪万博についても、短期的には工事量が増加する要因となるが、一過性のものである。全国的にみて先行き不透明感が増し、企業の設備投資も落ち込むのではないかとみている。
(職業安定所)…人員整理、雇用調整などの相談や動きがみられている。求職者側からの相談や企業側からの相談も発生している。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上