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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年11月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「49.2」と3ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.1ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.8」と3ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.6ポイントとわずかに上回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「46.9」と4ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+2.3ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「46.0」と2ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.3ポイントとわずかに上回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年11月25日~30日
回答者数 180/189名、回答率95.2% (全国1,866/2,050名、91.0%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(旅行代理店)…国内旅行は、団体、個人共に前年を上回る売上と人数になっている。また、取引先からの問合せも多い。

○「やや良くなっている」
(百貨店)…気温低下に伴いコートを中心に販売量が増加している。また、紳士服、婦人服、子供衣料の売上も前年を上回るなど好調に推移しており、全体をけん引している。
(家電量販店)…エアコンなどの住宅設備機器が前年を上回っている。テレビ需要においても、4K放送開始を前にチューナーや4Kテレビなどの単価の高いものが売れている。また、パソコンや携帯電話も前年並みに推移している。
(一般レストラン)…来客数の動きが大きく影響する業種であるが、今月は通常よりも来客数が多く、予約数も若干増えている。
(通信会社)…客の負担が少なくなるようにサービスメニューの改善に取り組んできた効果が出てきている。また、自宅でのWi-Fi環境利用者の増加に伴い、低価格のケーブルインターネット通信サービスを中心に新規加入が増えており、売上が伸びてきている。
(美容室)…前年比5%減少で推移していた来客数が、ここにきて前年並みに回復しており、再来店率も前年並みに戻ってきている。
(自動車整備業)…降雪が遅れている影響で工事現場系の仕事が順調に進んでおり、メンテナンス需要なども好調である。また、人手不足で仕事が立て込む傾向にあるため、受注単価は10%ほど上昇している。
(窯業・土石製品製造業)…3か月前と比べれば、多少需要が増えている。ただし、需要回復の兆しはみえず、前年度の上期比では95%程度と減少傾向が続いている。
(金融業)…本年度産のりんごは高めの価格でスタートしており活況を呈している。米もまずまずの価格で推移している。魚市場もサバやイカという主力の不振をイワシがカバーして、水揚げ額を維持している。
(人材派遣会社)…求人数、求職者数共に増加している。求職者の希望条件が上がっているが、企業からもそれに合わせるような動きが出てきている。

○「変わらない」
(商店街)…穏やかな天候で来街者が安定しているため、ファーストフード店や飲食店の業績はまずまずである。しかし、一方で同じ地区内にあるコンビニでさえも閉店してしまうなど、物販関係には苦戦もみられている。
(スーパー)…生鮮品価格の低下に伴い、11月の平均1品単価が前年を下回っており、売上も減少傾向となっている。ただし、来客数、購入点数は前月と同様の動きのため、消費の傾向に変化はない。
(乗用車販売店)…個人客への販売量はなかなか伸びないが、法人客からの受注が堅調に伸びている。そのため、全体的には横ばいで推移している。
(住関連専門店)…受注生産のため、3か月前と比較しても受注量にそれほどの変化はない。販売量は増えているが、単価は下がっている。
(ガソリンスタンド)…暖冬の影響で暖房用燃料の販売量が減少しており、前年比80%を下回っている。
(タクシー運転手)…22時~1時までの時間帯に乗車する人数が2~3人となり、年末年始に向けて期待がもてるような感じがある。一方、相変わらず曜日によって乗客数に差が出ているため、まだ景気は戻っていないとみている。
(観光名所)…降雪の遅れや高めの気温のため、前年よりは来客数が伸びているように見受けられる。ただし、週末限定であり全体的な景気の上昇はみられていない。
(木材木製品製造業)…この時期は例年どおりに需要が堅調であるものの、コスト高に見合う価格転嫁ができていないため、依然として収益的には赤字が続いている。
(金属製品製造業)…ここ最近は良い状態が続いていたが、現在は停滞気味である。
(建設業)…手持ち工事の繁忙度の高い状態が続いている。
(新聞社[求人広告])…大手自動車メーカーの東日本工場向けに、次世代の車に必要なバッテリーを中心にした部品メーカーの進出が活発であり、それに伴う求人数も増えている。裾野の広い自動車産業でこうした傾向が増えれば景気の上向き感も出てくるとみているが、今はまだそのような状況ではない。
(職業安定所)…人手不足による求人数の増加傾向は続いているが、一方で事業主都合による離職者数が増加しつつある。

○「やや悪くなっている」
(酒類販売店)…飲食店からは、今月は特に静かであり夜の街は閑散としていると聞いている。飲み会も一次会で帰宅する傾向が強く、飲み歩く客が少ない様子である。消費者の節約志向が今まで以上に強く、この雰囲気がお歳暮商戦にまで影響しないかが心配である。
(コンビニ)…夕方~夜間の来客数が4%減少している。また、揚げ物やコーヒーなどのカウンターフーズの売上が低迷している。
(観光型ホテル)…客は余計な買物はしなくなっており、全体的な単価が落ち込んでいる。
(都市型ホテル)…予約済みの会合において、当初の見込みよりも人数が少なくなる場合が増えている。
(設計事務所)…各社の応札金額や受注金額が全体的に低下している。
(公認会計士)…建設業関係も前年比、売上、利益共に減少している企業が増えている。小売業も同様であり、前年比や業績が悪化した企業が多くなっている。
(コピーサービス業)…メイン商品である複合機の販売台数が落ちている。そのため、関連商材の売行きも鈍くなっている。

○「悪くなっている」
(衣料品専門店)…上旬の暖かさにより防寒衣料の動きがなく、商況に大きな出遅れがみられている。下旬からは少しずつ盛り返してきているものの、上旬の買い控えによる影響が大きい。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(百貨店)…年末年始は比較的高額商材が動き客単価も上昇する傾向にある。さらに、平成最後といった需要の盛り上がりがあれば、消費マインドは若干活性化するのではないかと期待している。
(乗用車販売店)…この先の年末年始商戦に向けて、一巡した新型車効果の活性化や冬支度の商材などが見込まれるため、来客数の増加が期待できる。
(ガソリンスタンド)…原油の相場が大きく下落し続けているため、今後は販売価格の値下げが進む見込みである。そのため、需要の回復とガソリン、灯油以外の商材の販売拡大を期待している。
(通信会社)…年末年始に向かうため、多少は良くなるとみている。
(木材木製品製造業)…例年であれば年明けは売上が減少する時期であるが、今回は消費税の引上げ前の駆け込み需要が見込まれる。ただし、それ以降は政府の対策があっても需要の減少は避けられないとみている。
(出版・印刷・同関連産業)…年度末に向けて受注量が増えるとみている。
(建設業)…基本的には今月並みで推移するとみているが、公共工事の受注状況によっては上向きとなる可能性も含んでいる。

○「変わらない」
(観光型ホテル)…秋の観光シーズンや忘年会といったトップシーズンに入っているものの、前年比が振るわない状況である。予約の動きからみても、先行きの景気は相変わらず良くないとみている。
(観光名所)…本格的な冬のシーズンを迎えており、イベントなどでの集客を図っているものの、余り効果は出ていない。
(広告業協会)…消費税の引上げ前の駆け込み需要に伴う、広告費の増大に期待している。この先は徐々に動きが出てくる時期でもある。
(司法書士)…割安感のある不動産の需要は高いものの、高価格帯は低調である。現状では消費税の引上げの影響は限定的である。
(人材派遣会社)…法律の改定により、これからの企業の採用のあり方が変化する可能性は高いが、どの企業も率先して取り組む要素がみえないため、しばらくは大きな変化はないとみている。
(新聞社[求人広告])…住宅や自動車など、消費税の引上げ前の駆け込み需要に期待する向きもあるが、景気の変動にまでは至っていない。
(職業安定所)…医療、福祉関係、サービス業からは更新に伴う大量求人が見受けられるものの、製造業、小売業からの求人は減少傾向にある。また、まとまった求人も少ないことから、景気は余り変わらないものとみている。

○「やや悪くなる」
(スーパー)…現状からみて客単価の改善は厳しい。特売価格やクーポンを投入して前年の数字を確保することが精一杯である。競合店舗も同様に販促を強化するため、先行きの景気はやや悪くなる傾向にある。
(衣料品専門店)…今年は暖冬が予想されており、アウターやコート類などの高単価商材の売上は厳しい見込みである。また、セールに入ってますます単価が低下するため、売上も厳しいとみている。
(一般レストラン)…12月まで営業して年明けに閉店するという話はよく聞くが、今年はその数が多く、業者が頭を抱えている。そのような状況のため、2~3か月後に景気が良くなっているとは考えにくい。
(食料品製造業)…原材料などの価格上昇により利益面が非常に厳しく、自己努力だけでは追い付けないところまできている。そのため、商品の値上げの検討も必要になってきている。
(金融業)…寒冷地は、他の地域に比べて燃油価格の高止まりによるコスト負担への反映度合いが大きい。

○「悪くなる」
(医薬品販売店)…駅前の市街地にある当店の周辺において、今年に入ってから数件の老舗店舗が閉店しており、空き店舗となっている。これらの小規模事業者達も当店の客層であるため、このような状況からみてこの先の業績が良くなるとは考えにくい。
(コンビニ)…11月後半から急激に客の雰囲気が落ち込んでおり、大手企業に勤める客も単価が低下している。催事の注文は順調であるが、日々の買物で節約している様子がうかがえるなど、先行きは厳しくなるのではないかとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上