印刷用ページ

今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年7月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「46.9」と2ヶ月連続で前月を上回った。前月と比較し+1.1ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.2」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.0ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「47.6」と2ヶ月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.8ポイントとわずかに上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.5」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲2.2ポイントとやや下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年7月25日~31日
回答者数 170/189名、回答率89.9%(全国1,851/2,050名、90.3%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「良くなっている」
(金属製品製造業)…新規の引き合いが増えている。難易度が上がっているが、単価も上がっている。

○「やや良くなっている」
(酒類販売店)…気温の高い日が続いており、自動販売機の飲料水や飲食店へのアルコール類の販売量が伸びている。ただし、今年はお中元の動きが鈍く、特に一般消費者の動きが遅い。確かに良くなってはいるものの、手放しで喜べるような状況でもない。
(コンビニ)…猛暑の影響で夏物商材が活発に動いており、各数値が改善している。
(住宅販売会社)…消費税の引上げを意識する客が増えてきており、受注量が伸び始めている。 (人材派遣会社)…改正労働者派遣法による無期雇用派遣への転換が円滑に進展しており、請求単価の改定が進んでいる。そのため、粗利の前年比が20%増加している。 (職業安定所)…企業においては人手不足感が強く、求人件数、求人数共に増加傾向は変わらない。

○「変わらない」
(商店街)…お中元シーズンに入りにぎわう時期であるが、猛暑続きのせいか来客数の減少が続いている。涼しさを売る飲食関連の店でさえ、こう暑過ぎると人が出てこないとのぼやきが聞こえている。
(百貨店)…クリアランスセールが6月に前倒しでスタートした影響はあるものの、セール品の動きは鈍く、価格が下がったからといって客が飛びつくような状況ではない。不要なものは買わないという生活防衛意識が依然としてみられている。
(スーパー)…一部メーカーの値上げがあったものの、平均1品単価は前年比1%のマイナスである。異常な暑さのため、生鮮品の動きが芳しくなく、日中の来客数も減少している。単価の低い涼味品、飲料、アイスなどは伸びたが、依然として前年割れが続いているなど消費の傾向は変わっていない。
(衣料品専門店)…この暑さで、レジャー、旅行、ビジネス用途などの目的買いを除き、一般消費者のふだん着へのニーズは下がっている。そのため、セール品などの値頃な商品の動きが中心となっている。
(家電量販店)…7月は猛暑の影響でエアコンや扇風機を中心に売行きが良いものの、エアコンは取り付け作業のキャパシティが限界であり、これ以上の伸びは期待できない。ただし、持ち帰ってすぐに使える扇風機などは今後も期待ができる。
(乗用車販売店)…新型車の発売により一時的な新規客の増加につながったものの、あくまで限定的な現象であり、すぐに来客数は前年並みに戻っている。また、買い回りや即決商談も少なく、足踏み傾向がみられている。
(住関連専門店)…来客数の動きに変化はないものの、売上に結び付いていない。購入意欲はあるようにみえるが、客は買い控えをしている。
(食品専門店)…暑さが続いており、主力商品である肉の販売量が伸びていない。家庭において火を使って調理する機会が減っているのかもしれない。
(通信会社)…一部企業の業績は良いものの、賃金上昇の底上げにはなっていない。消費需要も伸びていないため、景気は横ばいで推移している。
(遊園地)…早い梅雨明け、例年以上の暑さ、週末の天候不順に振り回されたものの、前年並みの数字を確保している。
(リフォーム業)…リフォーム工事の問合せ件数はほぼ前年並みであるものの、工事の受注量はそれほど増えていない。
(農林水産業)…梅雨が早く明けて天候に恵まれたこともあり、果物の品質は良い。これから最盛期を迎える桃は雨が少なく一回り小さいが、甘みの強さでカバーして、例年より高い単価で販売されている。
(金融業)…百貨店、スーパーにおける販売額の前年同月比が5か月連続でマイナスになるなど、個人消費にかかる指標が複数月連続で低調である。

○「悪くなっている」
(一般レストラン)…異常な暑さにより来客数が減少傾向にある。ここまで暑い日が続くと体調不良を起こす人も少なくないため、外出を控える要因となっている。 (観光型旅館)…夏休み前という事もあるが、手控え感が例年よりも強くみられている。また、相変わらず波が荒く、全体としては微減の状態である。 (都市型ホテル)…団体や法人の宴会場利用は比較的堅調に推移しているものの、レストラン、宿泊の個人利用が前年を下回っている。 (旅行代理店)…猛暑や平成30年7月豪雨の影響により、個人旅行を中心に動きが鈍くなっている。団体旅行は先行予約が中心のため特に変化はないものの、今後の個人旅行の動きが気になるところである。 (競艇場)…来客数にさほど変化はないものの、客単価が大きく減少している。 (出版・印刷・同関連産業)…チラシ印刷の受注量は、3か月前も今月も前年同月比で約10%の落ち込みとなっている。 (広告代理店)…インバウンド観光キャンペーンのコンペも前月で落ち着いている。これから新しい案件は出てこないとみており、なかなか厳しい状況である。 (公認会計士)…建設関係は利益を計上している企業がまだ多いが、小売業関係は売上、利益共に減少している企業が多くなっている。 (コピーサービス業)…仕入価格の上昇及び物流関係の値上げなどがあり、利益確保に苦労している。 (新聞社[求人広告])…全国的に新規求人数の動きは増加傾向にあるが、地元の中小企業は諦めムードになっている。新卒を中心に首都圏への集中傾向が更に進んでおり、求人の動きはWeb系デジタル媒体に代わってきている。そのため、デジタル対応に不慣れな中小企業は、ますます求人が出しにくくなっている。

○「悪くなっている」
(高級レストラン)…1~3年前と比較しても、今年の7月は記録的な悪さである。余り良い話も聞かない。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(百貨店)…気温が高いため、夏物アイテムの動きがこのまま継続するのではないか。また、晩夏アイテムなど、晩夏から初秋に対応した商品が動き始める見込みである。
(コンビニ)…猛暑の影響は8~9月まで続くとみており、夏物商材などの売上増が期待できる。
(建設業)…この先は、大型公共事業及び民間案件の契約などが集中する見込みである。
(司法書士)…取引先である不動産業者や住宅会社の仕入れが意欲的である。
(新聞社[求人広告])…製造業の新工場進出に伴い、人材獲得競争が激化している。

○「変わらない」
(スーパー)…今月の好調の原因の一つとして、ウナギの売上好調がある。また、気温の上昇に伴い全体的な販売量も上向いている。この傾向が続けば8月までは景気が若干上向くとみているが、その後は気温の低下とともに売上が減少するため、全体としては余り変わらないのではないか。
(住関連専門店)…購入される商品の価格が安く、値引きを要求する客が多いため、消費者の財布のひもは固いとみている。そのため、この先も急な景気の上昇は考えにくい。
(一般レストラン)…時々パーティーなどの予約が入るものの、個人客の予約が減少している。消費者は誕生日程度の特別感ではレストランを利用しなくなっており、レストランとの距離が広がっている様子である。
(観光型旅館)…夏休みの予約状況はお盆を中心に例年並みで推移している。ただし、それ以外については消費者も財布のひもを固くしており、低空飛行のまま変わらないとみている。
(旅行代理店)…今後、広島方面や関西方面の修学旅行がどのように影響するのか気掛かりである。見学場所を縮小するとなれば若干影響が出るのではないか。ただし、現状では先行きはそう変わらないとみている。
(食料品製造業)…業界内では一部大手が秋から製品の値上げを実施する。その影響がどのように出てくるかを懸念している。
(出版・印刷・同関連産業)…一般のチラシ印刷は、引き続きWebやネットなどの広告に切り替わっていく見込みである。また、マイナス金利政策の影響による金融機関の受注減も続くとみており、このことから印刷業の景気は悪いまま変わらないとみている。
(企画業)…夏野菜の仕入価格が高くなっており、1人当たりの購入量が少なくなってきている。この先も暑さが続く見込みのため、稼ぎ頭の不振に不安が募っている。
(人材派遣会社)…3か月前と比べて現在の求人の動きは堅調に推移しており、いろいろな企業で新卒あるいは中途採用に力を入れている動きが出ている。この傾向は3か月先も変わらないとみている。
(職業安定所)…一般の新規求人数は減少で推移しているものの、高卒の新規求人は増加している。新規求人の動機としては、現在の景況もあるが今後の事業継続の安定を期待しての募集が多い。

○「やや悪くなる」
(衣料品専門店)…天候に左右されることが多い業種であるが、今回も残暑が長引くと秋物の立ち上がりが遅れてしまうため心配している。
(乗用車販売店)…消費税の引上げに対する恐怖感や、変革の時代に対する対応への不安から、景気はやや下向くとみている。
(都市型ホテル)…団体や法人の宴会場利用は比較的堅調に推移しているものの、レストラン、宿泊の個人利用が前年を下回っており、この先の予約状況も余り芳しくない。
(木材木製品製造業)…この先、住宅着工件数はやや減少する見込みである。一方、供給側では輸入製品や材料の樹種など品質による競争が厳しくなっており、売上、単価共に伸び悩むとみている。
(窯業・土石製品製造業)…出荷量の前年比は93%と減少傾向が続いている。現在の出荷先である大型案件についても上期で終了するものが多く、下期の出荷量は更に減少する見込みである。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上