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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

令和元年6月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「40.7」と2ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.1ポイントとわずかに下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「43.2」と3ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲2.3ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「40.7」と2ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.7ポイントとやや下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「44.7」と4ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.7ポイントとやや下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 令和 元年 6月25日~30日
回答者数 175/189名、回答率92.6% (全国1,820/2,050名、88.8%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(コンビニ)…気温の上昇に伴い来客数も増えている。これから梅雨に入るが、天候が余り崩れないように願うばかりである。
(設計事務所)…官公庁の予算が確定して業務発注が執行されるため、受注状況が一番改善される月となる。今後の継続的な受注はさておき、受注の最初の確保という意味では忙しいと実感できている。
(輸送用機械器具製造業)…自動車関連産業はしばらく繁忙期が継続する見込みである。
(金融業)…住宅投資及び公共投資は前年同月比プラスの推移が続いている。民間非居住用の設備投資も増加しており、個人消費への波及が期待できる。

○「変わらない」
(商店街)…ゴールデンウィーク明けから、来客数、売上共に停滞している。
(スーパー)…来客数が前年比98.8%と前年を下回っており、連動して生鮮の売上も99.7%となっている。買上点数が増加しているため客単価は102%となっているものの、来店頻度が下降しており、節約志向がみられている。
(衣料品専門店)…天候に振り回されて消費者のモチベーションが今一つであり、夏物商材の動きが安定していない。
(乗用車販売店)…消費税の引上げ前の駆け込み需要を期待したが、余り伸びていない。
(住関連専門店)…来客数が若干減少しているため苦戦しているが、特に景気が悪くなっているという雰囲気はない。
(ガソリンスタンド)…軽油の販売量が若干増加しているものの、灯油の販売量は前年を下回っている。販売単価が上がっているため、節約傾向が目立っている。
(タクシー運転手)…3か月前は人事異動の時期であり、観光客数が最も少ない月であったが、今月の観光流入人口もそれに匹敵する数値であり、減少したまま横ばいで推移している。
(美容室)…毎月定期的に来ていた客の来店間隔が長くなってきている。
(住宅販売会社)…前月までは消費税の引上げを意識した建て売り物件の客に動きがあったが、注文建築については伸びていない。
(窯業・土石製品製造業)…需要は減少傾向にある。また、原材料の値上げ要請や燃料価格の上昇があるが、生コン価格に転嫁できない地区が多い。需要も復興需要がピークアウトし、大型プロジェクトも完了しているが、次の大型物件が見当たらない状況である。
(通信業)…業界に対する反応は冷えており、値下げ要請は厳しいままである。
(広告代理店)…選挙に関わる仕事は増えてきているものの、取引先の広告費の予算は前年度を下回っており、厳しい状況が続いている。
(人材派遣会社)…事務系派遣ニーズに大幅な変動はない。最近は同一労働同一賃金を控え、派遣会社が派遣料金とは別に交通費請求の提案をする機会が増えている。
(職業安定所)…月間有効求人数は4か月連続で5,000人を上回っているが、3か月前と比較すると1.0%の減少となっている。製造業からの求人が減少していることから、全体的な景気は変わっていない。
(その他雇用の動向を把握できる者)…人手不足業種からの求人は高止まりしているが、受注減により製造業の企業の倒産が増えている。

○「やや悪くなっている」
(酒類販売店)…得意先の飲食店や旅館などは今まで販売量が安定していたが、ここにきて全体的に販売量が減少してきている。発注方法が大きく変化しており、その日使う分だけを発注して、足りなければその都度小さく注文するという傾向がみられている。そのため、配達する手間やガソリンなどの諸経費を考えると苦しいものがある。
(百貨店)…消費者は、購買に対して非常にシビアになっている。特に衣料品は顕著であり、一部ショップではセールでのまとめ買いがみられるものの、全体的にはセールにおいても今まで以上に必要なもの以外は購入しない傾向が強くなっている。
(一般レストラン)…大型連休の余波が大きすぎる。ゴールデンウィーク明けから来客数が減少しており、宴会で何とか食いつないでいる状況である。
(観光型旅館)…ゴールデンウィークの反動で静かになるのは予想していたが、回復するのが遅く、例年よりも来客数は減少傾向にある。
(都市型ホテル)…総会シーズンで法人や各種団体などの利用は例年並みであるものの、レストランなどの個人利用は前年同時期よりやや厳しい状態である。
(旅行代理店)…10連休という異例のゴールデンウィークのため、受注量は過去に例のないほどの伸びとなったが、現在は夏の旅行が落ち込んでいる。
(通信会社)…端末購入に伴うサービスが終了したため、余り良い状態ではない。
(観光名所)…山形県沖地震により、団体客のキャンセルが発生し、来客数が減少している。これから巻き返そうというところで、不作のためにさくらんぼ狩りが少なくなるなど、全体的に団体客が減少している。
(食料品製造業)…ゴールデンウィーク明け以降、旅行客の数が減っている。
(電気機械器具製造業)…米中貿易摩擦の影響で製品の出荷量が減少するなど、業績に表れてきている。

○「悪くなっている」
(高級レストラン)…米中貿易摩擦などの問題もあるのだろうが、段々と消費マインドが低迷しているように見受けられる。
(飲食料品卸売業)…同業者から話を聞いても皆同じであり、価格競争への対応もあって売上が大幅に落ち込んでいる様子である。景気は非常に悪くなっていると実感している。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(百貨店)…消費税の引上げ直前となるため、デイリー品や消耗品、高額商材を中心に駆け込み消費が増加し、一時的ではあるが消費動向が上向いてくるとみている。

○「変わらない」
(酒類販売店)…消費税の引上げに備えて、対応できる経理ソフトやレジスターなどの準備のために諸経費が増えている。消費者の動きにも不透明なところがあり、現状を維持するだけで精一杯である。
(スーパー)…必要な物を必要な量しか買わない傾向が何か月も続いている。また、消費税の引上げの動きが不透明であり消費者は不安になっている。消費税の引上げが決まれば状況は変化するとみている。
(コンビニ)…全体的な景気の回復傾向がみられるものの、10月の消費税の引上げで一時的に消費は落ち込むとみている。特に国の施策であるポイント還元は、高齢者や高校生などの学生にはメリットが少なく、消費税の引上げによるデメリットをカバーするには至らないとみている。
(通信会社)…現状維持が続くものの、消費税の引上げにより景気は徐々に悪くなっていくとみている。
(食料品製造業)…業種によっては消費税の引上げ前の駆け込み需要が期待できるが、食品にはそれがなく、どのような影響が出るか不透明である。
(金融業)…住宅投資及び公共投資は前年同月比プラスで推移している。民間非居住用の設備投資も増加しており、個人消費への波及が期待できる。一方、米中貿易紛争や中東問題の影響は今後少なからず顕在化するものとみている。
(広告代理店)…選挙が続くため、本来の広告に関する仕事はいろいろな意味で様子見になるとみている。
(人材派遣会社)…ダイバーシティ、副業、有償又は無償ボランティアなど、人手不足を補う手段は多様化しているものの、意欲的に取り組むごく一部の事業者と、そうではない大多数の事業者の構図になっており、課題の解決への道のりは平坦ではない。
(新聞社[求人広告])…消費税の引上げ前の駆け込み需要を期待していたが、金融庁の年金関係の報告の影響で消費を控える人が増えるとみている。
(職業安定所)…基幹産業である水産加工業を含め、食料品製造業の求人は製造業全体の約55%を占めているが、前年同月と比べると12.9%減少している。経営環境は依然として厳しい状況にあることから、この先の景気も変わらないとみている。

○「やや悪くなる」
(衣料品専門店)…全体的に消費が冷え切っている。この先は選挙や消費税の引上げを控えており、後ろ向きな消費を払拭できるような雰囲気もない。消費税の引上げ後はこのままなし崩し的に冷え込むとみており、消費税の引上げ前の駆け込み需要にも期待はできない。
(観光型旅館)…消費税の引上げが近くなってきたことで、消費の手控え感がみられている。消費税の引上げ後は更に冷え込むのではないかと心配している。
(旅行代理店)…夏以降の個人旅行の予約が今一つ伸びていない。
(窯業・土石製品製造業)…需要の減少傾向や、原材料などの値上げ分の価格転嫁ができない状況は続いており、今後も前年比が向上するような要因が見当たらない。
(電気機械器具製造業)…大阪サミットでの米中首脳会談の結果により、両国間の貿易摩擦や制約の悪影響の期間が前後するが、しばらくは現在の製品の出荷制約が続くため、半導体業界の景気としては悪くなるとみている。
(建設業)…消費税の引上げ前の駆け込み需要として、引渡しが2019年9月末までとなる改修工事などが増える見込みであるが、景気全体としては低迷傾向にあるとみている。
(司法書士)…住宅については、消費税の引上げ後の方が得策であるとして、建築購入を急がないという声が聞こえている。
(コピーサービス業)…仕入先の価格値上げや、配送費及び役務関係の値上げをする会社が増える見込みである。全てを販売価格に転嫁することができるか自信がない。

○「悪くなる」
(商店街)…身の回りの店舗は、物販店、飲食店に限らず落ち込みが激しい。このままずるずると悪い方向に流れるのではないかと危惧している。
(一般レストラン)…レストラン業界は選挙の時期には静かになってしまう。特に大きなイベントがないまま、これから参議院選挙などが始まるため、動きはやや静かになるとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上