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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年12月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「47.6」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.6ポイントとやや下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.4」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲0.4ポイントとわずかに下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「46.4」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲0.5ポイントとわずかに下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「46.4」と2ヶ月連続で前月を上回った。前月と比較し+0.4ポイントとわずかに上回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年12月25日~31日
回答者数 176/189名、回答率93.1% (全国1,830/2,050名、89.3%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(百貨店)…前月に引き続き、売上の前年同月比が伸びている。気温低下に伴い、防寒衣料やブーツ、マフラーといった冬物商材の動きが良くなっているほか、食品も堅調に推移している。ギフト関連ではお歳暮の販売が若干前年を下回っているものの、ファッション雑貨、コスメなどを中心にクリスマスギフトの動きが良い。
(コンビニ)…来客数、売上共に堅調に推移している。固定客以外の来客数の増加によるものであるが、客単価や購入点数は横ばい状態が続いている。
(観光型旅館)…師走となり間際の申込みが多い。また、忘年会による消費が例年よりも多い。
(美容室)…毎年恒例の正月向け商品券の予約販売が想定以上に伸びている。前年比としてはそれほど変わらないものの、現在の状況からは思いがけない売上であり、消費者のふところ具合が良くなっているような印象を受ける。
(自動車整備業)…年末を迎えているが、例年同時期と比較して売上が120%で推移している。来客する客の表情は一様に明るく力強さがある。
(住宅販売会社)…県外の法人から住宅用地及び賃貸住宅用のリクエストがあり、建築受注につながっている。

○「変わらない」
(スーパー)…来客数は3か月前より回復傾向にある。ただし、客単価の下落が回復していないため、1品単価の底上げが課題となっている。また、特売品ばかりが売れているなど、消費者の買い回り傾向が強くみられている。
(衣料品専門店)…余り天候に左右されない新成人需要などは安定している。また、クリスマスを境にふだん着需要も上がってきているものの、安定していない。
(ガソリンスタンド)…灯油やスタッドレスタイヤなどの冬物商材が下旬からの気温の低下とともにようやく動き出しており、販売量は回復傾向にある。しかし、降雪が非常に少なく結果として大きな変化はみられない。
(都市型ホテル)…最悪だった時に比べれば良いが、人口減少や駅前エリアへの集客不足の状況に変化はない。
(タクシー運転手)…温暖な天候ではあったが、3か月前と比較しても街なかの人々の動きに変化はみられていない。消費者はタクシーよりも安い地下鉄やバスを利用している様子である。
(設計事務所)…大型受注できている企業は限定的であり、厳しい企業はダンピング傾向にある。今後受注量が減ることにより、同じようなダンピングが増えることが見込まれる。
(食料品製造業)…お歳暮商戦は前年を下回っている。得意先の百貨店もやはり前年に届いていないと話している。おせち商戦でカバーできるかどうか微妙な状況である。
(電気機械器具製造業)…電子部品、特に半導体部品の大口客向け価格は緩やかに降下している状況である。ただし、現時点で景気に影響は出ていない。
(通信業)…受注案件が減少しているなか、契約単価も低廉化してきており、利益率が下がっている。
(経営コンサルタント)…12月に入っても冬本番の寒さが訪れず、商戦が盛り上がらない。
(人材派遣会社)…採用難の状況に変化はない。採用手段の多様化についていけない中小企業が割を食う形となっており、経済活動の鈍化の一因となっている。
(職業安定所)…年末商戦のアルバイト募集が少なかったことから、新規求人数は前年同月と比較して22.9%減少している。また、月間有効求人数もマイナス10.4%と大幅に減少したが、3か月前との比較では横ばいとなっている。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…商店街で年末大抽選会を開催し、来街者数は例年並みとなっている。ただし、1人当たりの抽選回数が前年より少なく、売上は前年比で10%減少している。
(医薬品販売店)…12月は初旬と月末に多少の人出があったものの、例年と比べて客単価が低く来客数も減少しているなど、全ての数字が落ち込んでいる。
(家電量販店)…来客数の前年比が減少傾向にある。4Kテレビなどの好材料により単価が上昇しているため売上は前年を上回っているものの、暖冬による季節商材への悪影響もある。
(乗用車販売店)…販売台数のみならず、利益率や保有ビジネスの低落傾向がみられている。
(住関連専門店)…今月はボーナス支給月であるが、周辺の中小企業や商店で働く人は、支給金額が少なく景気回復を実感できていない人が多い様子であり、消費にも余り反映されていない。
(一般レストラン)…首都圏からの客や地元客から話を聞くが、景気に対する内容が全く違う。首都圏の客は大企業の出張者が多く、忙しさと比例してある程度の収入がある様子であるが、地元客の大半が田舎は景気が悪いと話している。
(旅行代理店)…12月に入り、直近の予約の伸びが例年に比べて非常に悪い状況である。
(通信会社)…携帯電話の価格が年々高価になってきており、利用者の買換えサイクルも徐々に長くなっている。そのため、販売量が減少している。
(観光名所)…前年より小雪、暖冬であるにもかかわらず、来客数が伸び悩んでいる。
(木材木製品製造業)…受注は堅調であるが、原材料を輸入に頼っているため、前年からの円安により材料コストが高止まりしている。また、価格転嫁が進まず採算が合わないため収益的に厳しい状況である。
(広告代理店)…来年度の予算取りの時期であるが、経費削減の話が増えてきている。
(新聞社[求人広告])…深刻な人手不足により閉店を余儀なくされる飲食店が目立ち始めている。

○「悪くなっている」
(農林水産業)…今年度から、減反以外の水田耕作面積に対する助成金が廃止されており、米農家の収入が激減している。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(コンビニ)…店舗改装後の来客数の増加に期待している。
(輸送用機械器具製造業)…大手企業の決算時期でもあるため、この先2~3か月は上向きになる見込みである。
(金融業)…各業態において、年末年始の消費需要は底堅いものとみている。
(人材派遣会社)…無期化契約に伴う粗利益改善は年度末まで続く見込みである。ただし、来年度への継続や反動減などの懸念もあり、手放しで良くなるとは言いがたい。
(新聞社[求人広告])…今後1年間の地元経済界の景気は初売りにかかっている。地元ではインバウンド関係も増えており、消費税の引上げ前の駆け込み需要についても期待ができる。ただし、ここにきて株価の下落が続いていることが気掛かりである。

○「変わらない」
(酒類販売店)…景気が良くなる要素が見当たらない。降雪量が消費に影響する時期であり、地方選挙も立て続けに控えているなど、苦しいことばかりである。
(スーパー)…特売を強化しているものの、来客数の伸びは鈍化している。また、特売強化日に来客数が集中しているため、前後の日が苦戦している。結果的に変化のない状態が続くとみている。
(衣料品専門店)…この先は寒くなるとの予報が出ている。12月後半以降はセールが続き、一時的に消費者マインドが上がって需要が増える見込みである。ただし、その後のニーズが予測しづらいため、結果として現在と余り変わらない状態が続くとみている。
(家電量販店)…今年は夏の猛暑や4Kテレビなどの好材料に恵まれたが、家電製品において売上をけん引するような商品が出ていない。また、消費者は世界経済の不透明さを敏感に感じており、来客数の減少が引き続き危惧されるため、楽観視はできない。
(乗用車販売店)…年始以降の販売量は一時的に増加する見込みである。ただし、高額車の販売量増加は限定的であるため、販売の主軸は低価格帯の新車~中古車に戻るとみている。
(建設業)…民間案件並びに大型公共工事の受注状況にもよるが、おおむね同程度の受注で推移するとみている。
(広告業協会)…不安定な株価の動きが続くと広告費を手控える企業が出てくるため、先行きは不透明である。新元号への期待が膨らむなか、水を差す結果が懸念される。
(経営コンサルタント)…平成最後の、というキーワードに期待している。
(職業安定所)…新規求人数の前年同月比が増加しているものの、臨時やパート求人が多い。また、新規求人倍率も前年同月より上昇しており、人手不足による高水準が継続している。この状況に大きな変化はなく、今後も横ばいで推移するものとみている。

○「やや悪くなる」
(百貨店)…高額商材が好調に推移しているが、この年末の株価下落で特に初売り商戦の高額福袋などの動向に影響が出てくるとみている。
(都市型ホテル)…年末からは雪国特有の悪天候が始まる。さらに、ここ数年の1~2月は異常気象に襲われているため、景気はひっそりと減速していくとみている。また、新たに首都圏などに若者が出ていくため、過信はできない。
(タクシー運転手)…アフターファイブにおける店の滞在時間が短くなってきている。今月は忘年会も会社単位の規模が小さく、今後好転することは難しいとみている。
(食料品製造業)…現在の景気の動きからは、観光客の増加と客単価の増加に余り期待ができない。
(木材木製品製造業)…向こう3か月の受注は堅調であるが、消費税の引上げを控えて、4月以降の需要鈍化は確実とみている。
(金属製品製造業)…得意先から減産の情報が入っているため、危惧している。

○「悪くなる」
(一般レストラン)…予約状況が悪い。これから良くなる期待もないため、1~2月は非常に悪くなるとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以上