
伊藤 孝子(調査研究部 主任研究員)
現在の仕事について
調査研究部では、東北地域(新潟県含む)が直面する様々な課題の解決方策を考え、発信していくための調査分析を行っています。取り組んでいる主なテーマは、食や観光による地域産業振興、公共施設や交通などのインフラ整備、社会起業家などによる新産業創出などです。私が担当しているテーマは、人口の自然減だけでなく社会減が深刻な東北地域の担い手不足解消を目指す地域への人口・人材還流及び企業における人材活用です。
実際の業務では、調査の企画・設計から文献調査、アンケート調査、事例調査、報告書作成など多岐にわたります。さらに、自身の専門分野に関連して執筆や講演活動も行っています。入職当時は全く経験したことのない業務の数々にとても戸惑いました。しかし、事例収集やヒアリングのまとめ、資料作成などの基礎的な業務を積み重ねることで調査研究に必要な経験・スキルが身につき、それが業務に携わる自信と地域に貢献するというやりがいにつながっています。
職場の雰囲気
調査研究部では、上司と部下の関係がフラットで、それぞれが自分の考えや意見を素直に言い合える雰囲気があります。業務の合間に勃発する議論では、東北各地の時事問題をテーマにゆるく、まじめなトークが繰り広げられ、それが研究員の知的好奇心とユニークな発想力を高めるのにも役立っています。また、日頃の調査業務はひとつの案件を1人で担当しますが、業務に行き詰ったときはもちろん互いに助け合い、チームでの対応が必要な業務が発生してもそれぞれの強みを生かした抜群のチームワークで遂行することができています。
正直に申しあげれば、活性研は20-30代がいない平均年齢50歳の高年齢集団です。しかし、それぞれが自身のライフステージに合わせて生活と仕事のバランスを充実させてきた実績があり、職場に「自分らしく」「その人らしく」働ける風土が醸成されています。活性研は社会人としての「自分らしさ」とは何かを考え、「自分らしく」働き、「自分らしい」活躍のあり方を模索できる環境だと思います。
学生へのメッセージ
地元を離れる若者の多くは「地元(東北)には何の魅力もない」と言います。確かに、東北地域は少子高齢化に地域産業の衰退、さらに東日本大震災という未曽有の災害に多くを失い、今も失い続けています。
しかし、そんな土地で、東北地域の未来のために様々な課題を解決しようと奮闘する人たちがいます。強い想いとエネルギーにあふれる彼らは地域の魅力として誇れる素晴らしい存在です。そして、東北地域は日本だけでなく世界の未来を先取りした「課題先進地域」であり、東北地域で奮闘する人やその取り組みはこれからの予測困難な時代を乗り切るヒントにあふれています。東北地域が世界を救うカギを握っているといっても過言ではないかもしれません。
活性研はそうした人々とともに東北地域の未来を守り続けていくという大きなミッションを背負っています。課題最先端地域の中心で、わたしたちとともに地域に寄り添いながら、東北地域の未来を考え、守ってくれる仲間を待っています。