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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成29年9月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

  • 表A-東北の現状判断(季節調整値)
  • 表B-東北の先行き判断(季節調整値)
  • 表C-東北の現状判断(原数値)
  • 表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要
1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「48.1」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.0ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「48.1」と3か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.1ポイントとわずかに下回った。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「46.5」と2か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.8ポイントとわずかに上回ったが、2か月連続で景気判断の基準となる50を下回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「47.3」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.3ポイントとわずかに上回ったが、3か月連続で景気判断の基準となる50を下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成29年9月25日~30日
回答者数 193/210名、回答率91.9%(全国1,862/2,050名、90.8%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「やや良くなっている」
(百貨店)…天候が落ち着いていることもあり、今月も秋物を中心に婦人服、紳士服の好調が続いている。特に紳士服は、インポートブランドやデザイナーズブランドの動きが良い。一時期売上が低迷していた高額商材も、宝飾品、美術品を中心に売上が伸びてきている。一方、催事場の物産展は引き続き売上が厳しい傾向が続いている。
(衣料品専門店)…お盆を境に気温が低下し、秋物の立ち上がりが例年よりも早まっている。また、ブライダルなどの目的買い需要が例年どおりに推移している。
(乗用車販売店)…新型車イベントの効果により、新車販売数が増加している。
(高級レストラン)…レストラン全体の来客数が、前年同月と比較して上昇している。客単価は低いものの、食に対する消費意欲は高まっているように見受けられる。
(食料品製造業)…7~9月にかけて、地元ではスポーツ関係に始まり文化関係、サブカルチャー関係、特産品関係の全国的な大会が目白押しであり、その効果で地元名産品の飲食、お土産品の販売が好調である。
(輸送用機械器具製造業)…設備改造などの受注が活発にきている。


○「変わらない」
(商店街)…物販店、飲食店など業種にかかわらず客単価に大きな格差がある。ものが売れない訳ではないが、客の購買行動にはかなりの厳しさがみられており、単価の吟味は価格の高低にかかわらず厳しい。
(酒類販売店)…今月は祝日が多く週末の動きは良かったものの、平日は静かで人も物も動いていない。良い時と悪い時の差が激しく、全く安定しない。
(スーパー)…来客数が98.7%と前年を下回っているものの、1品単価が前年を上回ったため、何とか売上は前年を維持している。消費を抑えるという客の節約志向がみて取れる。
(家電量販店)…7月の猛暑でエアコンなどが前倒しで購入された影響により、来客数は前年比99%と若干前年には届かなかったものの、売上は前年並みとなっている。
(通信会社)…客はコスト削減の要求ばかりであり、新サービスが売れていない。
(遊園地)…3連休に台風が通過した影響はあったものの、前月と比較して穏やかな天候で推移したこともあり、来客数はわずかながら前年を上回っている。
(美容室)…来客数の前年比は95~99%の状態が続いている。景気は良くないが、実数としては横ばいで推移している。
(住宅販売会社)…遊休不動産の販売依頼が増えており、その仲介によって新築住宅の受注にもつながっている。
(出版・印刷・同関連産業)…売上が悪化していたのが回復してきたものの、良くなったとまではいえない。
(建設業)…手持ち工事の繁忙度の高い状態が続いている。
(職業安定所)…求人募集は多いものの、人手不足に伴うものであり、賃金などの募集条件を向上させるような動きはみられていない。
(学校就職担当者)…前年と比較しても求人獲得数に大きな変化はない。

○「やや悪くなっている」
(コンビニ)…天候不順により、飲料、アイスクリームなどの販売量が不振である。利益率も低く、オーナー収益が10%以上悪化している。
(住関連専門店)…商店街を歩く人の姿が少なくなっており、それに伴い、店舗への来客数も減少している。
(ガソリンスタンド)…販売量の減少に歯止めがかからず、加えて天候不順により、行楽客の来店も少ない状況である。
(一般レストラン)…日によって来客数の差が激しい。また、仕入価格も上昇しており、カニの剥き身などは2倍近い価格となっている。全体的に魚の価格が高騰しており、かなりのダメージとなっている。
(観光型ホテル)…8月は全国的なスポーツ大会などのイベントがあったため計画どおりの売上が確保できたが、9月の宿泊数は前年割れとなっている。
(都市型ホテル)…数か月前より予約状況が低迷していたが、フリー客の利用により大きな落ち込みになっていなかった。しかし、今月はフリー客の動きも鈍く、全体的に悪化傾向にある。改善するような動きもみられず、厳しい状況である。
(旅行代理店)…1年前から個人旅行の動きが悪くなってきているが、現在はその1年前よりも更に悪くなっている。団体旅行は堅調であるが、個人旅行の低迷により業界全体としてはあまり良くない状態となっている。
(農林水産業)…7月の長雨と低温の影響により、米などの作物の収穫量が減少している。
(輸送業)…物量は安定しているものの、燃油価格が上昇傾向にあり、経費が増加している。
(広告業協会)…広告業界は近年にない厳しい数字となっている。また、テレビ各社のイベントがあったものの、天候不順もあり盛り上がらずに終了している。
(経営コンサルタント)…三陸一帯のイカやサンマの不漁は想定を上回っており、バリューチェーンの各段階において打撃を与えている。
(人材派遣会社)…採用難易度が高い状態が続いていることにより、中小企業の採用意欲を抑止している。また、新卒採用も前年を更に上回る内定率であり、秋採用においてもまとまった数の希望者を集められないでいる。

(2)先行き判断理由
○「良くなる」
(建設業)…竣工時期から逆算すると、今年度が復興予算による大型公共工事発注の事実上の最終年度に該当する。そのため、未発注工事の駆け込み的な発注と、それに伴う受注者確定が、件数、金額共に、年度末に向けて大きく増加すると見込んでいる。

○「やや良くなる」
(百貨店)…中心アイテムである衣料品が好調であり、冬物の時期まで続くとみている。また、お中元商戦に一定の成果があったことから、お歳暮商戦も引き続き良い結果になると見込んでいる。さらに、選挙がらみで消費税の話題が出ており、高額商材の駆け込み需要が始まることも期待している。
(出版・印刷・同関連産業)…年末に向けて良くなることを期待したい。
(広告業協会)…10月以降は様々なスポーツイベントが開催されるため、景気が良くなることを期待している。
(人材派遣会社)…慢性的な人手不足は今後も継続していく見込みである。そのため、人材サービスの需要は高止まりしていくとみている。
(民間職業紹介機関)…主に製造業の求人数が増加傾向にある。ただし、各企業とも人材確保できるまでに至っておらず、求職者が不足する状況は、今後も継続するとみている。

○「変わらない」
(寝具販売店)…天候不順や衆議院選挙の影響により、商品の動きが鈍るとみている。
(スーパー)…選挙の結果が出るまでは大きな消費の変化はないのではないか。ただし、選挙期間中の消費はやや低調に推移する見込みである。
(衣料品専門店)…消費者に景気が回復しているという実感がない限り、売上は天候に左右されることが多い。そのため、3か月スパンでみる限り大きくは変わらないとみている。
(家電量販店)…家電業界では、売上をけん引する商品が見当たらない。オリンピック前のテレビ需要が始まって4K、8Kテレビがもう少し低価格となり、見たくなるような面白いテレビ番組が増えれば売上も伸びるとみているが、今はまだその状況が整っていない。
(一般レストラン)…現況が改善するような要因が見当たらないため、現在の状況が続くとみている。人手不足も深刻化しつつあり、来客数が減少している今でも厳しい現状では、来客数が改善しても売上につなげることは難しい。この先の飲食業界全体の経営は非常に厳しいものになると危惧している。
(食料品製造業)…選挙の影響で、旅行客、出張者などの人の動きが鈍くなることを懸念している。
(電気機械器具製造業)…製造業の人手不足は相変わらずである。受注があるため短期的には良くても、長期的にみた場合、次の人材を確保しなければならないが、どこの企業経営者も苦労している。農業法人と話す機会があったが、こちらの人手不足も深刻のようである。
(飲食料品卸売業)…この先は本格的な観光シーズンに突入する。県外からの旅行客が増えることで、今月に持ち直した景況感が継続するとみている。また、衆議院選挙が10月となる予定のため、年末の需要期に影響を受けることはないとみている。
(職業安定所)…春にカツオがとれず、現在もサンマが全くとれない状況が続いているなか、戻りカツオにも不安が残り、水産加工関係の雇用情勢を心配している。求人の更新についても、以前はあった大量求人も少なくなってきている状況はずっと続いているため、今後も大きく変わらないとみている。

○「やや悪くなる」
(コンビニ)…最低賃金改定により、小売業の収益性がさらに悪化する。また、賃金が上昇しても客の購買動向には変化がないとみている。
(観光型旅館)…衆議院選挙の年は、社員旅行の申込が極端に少なくなる傾向にある。また、早期予約されていた社員旅行が取り消しになる事も少なくない。
(旅行代理店)…地元空港にLCCが就航し、インバウンドも上昇傾向にあるなど、良い傾向がみられている。反面、海外情勢の不安要素は増加しており、問題が深刻化することで、今月よりも悪化するとみている。
(農林水産業)…今後収穫される作物は、台風や雨の影響を受けており、収穫量に期待が持てない。
(窯業・土石製品製造業)…震災復興需要の減少や民間需要の減少に加えて、この先大型物件の発生も見当たらない。

○「悪くなる」
都市型ホテル)…先行きの予約状況は大変鈍く、ひと月ごとに前年比のマイナス幅が広がっている。また、今回の衆議院選挙において、過去の経験からも人の流れが非常に悪くなることが見込まれるため、更に状況が悪化することを危惧している。


東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以 上