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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年3月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

  • 表A-東北の現状判断(季節調整値)
  • 表B-東北の先行き判断(季節調整値)
  • 表C-東北の現状判断(原数値)
  • 表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「43.4」と5ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲0.3ポイントとわずかに下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「46.3」と2ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲2.2ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「46.8」と4ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.9ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「46.9」と3ヶ月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲3.0ポイントとやや下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年3月25日~31日
回答者数 172/189名、回答率91.0%(全国1,857/2,050名、90.6%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(住関連専門店)…彼岸のあった今月は小物の仏具の売行きが良く、ある程度の売上を維持できている。
(ショッピングセンター)…気温の差が大きく、春物の動きが良くなってきている。それに伴い、全体的に来客数も増加している。
(観光型旅館)…ネット及び実店舗での予約件数が増えてきている。また、今年で3年目を迎えるダイレクトメールはがき専用特別プランの申込みも定着しており、微増ではあるが予約件数は伸びている。
(旅行代理店)…東京方面の販売量は前年並みで推移している。また、関西以遠において、大型レジャー施設や九州沖縄方面の受注量が増加している。
(観光名所)…土日祝日は予約なしの客が増えている。ここ最近は、天候が良ければ外出して店舗を回るというような客が、際立って増えてきている。
(美容室)…暖かな天候となり、来客数が多少増えている。
(金属製品製造業)…新規案件が決定しており、売上が伸び始めている。
(電気機械器具製造業)…ほぼ横ばいで推移していた製品の販売価格が、若干の上昇傾向をみせている。
(人材派遣会社)…新卒採用で苦戦をしている企業が、中途採用に力を入れている動きが顕著にみられている。新卒採用では特に高卒採用が苦戦を強いられている印象を受ける。
(新聞社[求人広告])…2019年新卒採用の動きが人手不足を背景に活発になっている。

○「変わらない」
(百貨店)…今月の前半は、低温や天候不順により客足が鈍ったものの、気温が上昇した後半は衣料品を中心に春物が動いている。高額商材は相変わらず苦戦しているが、ブランド品、宝飾品、美術品などは回復の兆しがみえ始めている。
(衣料品専門店)…フレッシャーズの時期のためスーツはよく売れているが、価格帯は非常に低く、必要最低限のものしか購入しない。依然として消費者には節約志向がみられている。
(家電量販店)…テレビなどの映像商材は好調であるが、エアコンなどの季節商材は前年を少し下回っている。冷蔵庫、洗濯機などは前年並みである。そのため、全体的には前年並みで推移している。
(乗用車販売店)…来客数、販売量共にほぼ前年並みで推移している。ただし、メイン車種構成が単価の安い軽自動車にシフトしている影響で、収益面では前年比70%と苦戦している。
(靴専門店)…気温が上昇したことで、春物商材の動きが活発になってきている。ただし、その場で即決せずに後日購入するなど、慎重に判断している客が増えている。
(一般レストラン)…今月は、来客状況がコンスタントでなく、大人数でどんと来るか、全く客がいないかの両極端である。そのため、景気がどの方向を向いているか判断がつかない。
(通信会社)…上場企業の入札が進んでいるが、前年よりも請負単価が下がっている。前年並みの売上を確保するためには請負量を現在の3割増しにしなければならないが、人手不足のため、売上確保が難しいという声を多く聞いている。仕事はあるものの、売上と利益が横ばいのため、状況は変わらない。
(住宅販売会社)…受注はあるものの、契約までの期間が長い。
(食料品製造業)…前年と比較して、彼岸の時期の売上減少が大きく影響している。季節限定商材の動きは良いものの、全体としてはマイナス傾向である。
(窯業・土石製品製造業)…年度末にもかかわらず需要が伸びていない。
(建設業)…年度末により、ある程度の駆け込み受注が発生しているものの、3か月前と比較してそれほど大きな変化はない。
(金融業)…スーパー、家電量販店、ホームセンターが減収となっている。一方、コンビニ、ドラッグストアが増収と、業態により差が顕著であるため、一概に景気がどの方向に向いているのかを判断することは難しい。
(公認会計士)…小売業、サービス業関係は、売上、利益共に前年を下回っている。ただし、建設関係、製造業関係は好調であり、全体景気の底上げをしている状況にある。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…例年であれば、3月は卒業、進学の準備のため、制服、靴、運動着、教科書などの購入によりにぎわうのだが、今年は寒さの影響からか特に3月前半の来客数が伸びていない。
(酒類販売店)…今月は、卒業式の謝恩会や歓送迎会などにより多少の人の動きはあったが、あくまでも一過性のものに過ぎず、特に平日は飲食店への販売量が少ない。ノンアルコール飲料の普及に伴い、外出してもアルコール類を飲まない消費者が多くなった印象が強い。
(コンビニ)…客単価が1~3月に掛けて下降線をたどっているため、売上も減少している。逆に来客数は増加しているが、売上をカバーするまでには至っていない。
(都市型ホテル)…レストラン、宿泊など、個人消費に頼る部門の売上が前年と比較してかなり下回っている。
(職業安定所)…新規求職者数は増加している。特に在職者の相談は、前月に引き続いて多い。また、有効求職者数は減少傾向にあるものの、3か月前と比較すれば増加している状況である。

○「悪くなっている」
(スーパー)…競合店の出店により来客数が減少している。ポイントを用いた販売促進やチラシの強化などにより1人当たりの購入点数、客単価は前年を上回っているものの、売上のマイナス分を埋めるまでには至っていない。
(高級レストラン)…1~3月は非常に悪い状態が続いている。また、同業者の売上も悪い様子であり、仕入先の市場も停滞している。

(2)先行き判断理由

○「やや良くなる」
(商店街)…現在のような好天が続くと、客の流れも春物から初夏物へと移り、新しい季節商材の販売が増えていく。また、天候が良ければ家族やグループで出かける機会が増えるため、飲食店の売上にもプラスに働いていくとみている。
(衣料品専門店)…天候不順の影響で出遅れた分、4月に向けて一気に春物から初夏物に切り替わってきている。この先クールビズが始まるまでは、客の動きは良くなるとみている。
(電気機械器具製造業)…旧製品や旧仕様の製品価格は徐々に下降していく傾向にあるが、最近の製品価格は横ばいから若干上昇で安定している。そのため、景気が良くなるような兆しがみえてきている。
(広告代理店)…予断は許さないものの、広告受発注の見込みに上向きの動きが出ている。
(新聞社[求人広告])…地元に限っての話であるが、土地価格の上昇率が全国上位になるなど、集積度は地方都市の中でもますます高まりつつある。求人が追い付けば景気は多少回復するとみている。

○「変わらない」
(百貨店)…景気全体の基調は変わらないとみている。ただし、秋冬物が好調であった婦人服が、引き続いて夏物も好調が維持できれば、全体を底上げする可能性はある。一方で、米国の通商政策が株価や輸出商材に影響をもたらすことがあれば、消費が冷え込む危険性もある。
(コンビニ)…購入点数その他は横ばいであり余り変化はないが、客単価の落ち込みが響いている。唯一の好材料は平昌オリンピック金メダリストのパレードであるが、それでも現状維持となるのではないか。
(一般レストラン)…株価がかなり下がっており、内閣総辞職といった大きな動きでもあれば景気は悪くなるが、実際はそれほどの動きにはならないとみている。
(遊園地)…50周年イベントにより底上げを図っていくが、個人消費が上向くかは楽観できない。
(食料品製造業)…駅構内の店舗は好調であるが、百貨店やスーパーなどの店舗は売上が良くない状況が続いている。
(飲食料品卸売業)…花見やゴールデンウィークなどの行楽シーズンに突入することで景況感は良くなるとみている。ただし、3~4月に掛けて行われる瓶ビール、ビール樽の値上げが飲食店の価格に影響して、客足が遠のいてしまうのではないかと心配している。
(職業安定所)…有効求人数は前年比で減少が続いているものの、人手不足の状況に変化はない。新規企業の情報もないことから、この状況は今後も変わらないとみている。

○「やや悪くなる」

(医薬品販売店)…震災復興需要による景気刺激効果が薄れてきたのか、ここ2年ほど徐々に業績が悪化してきている。また、国際情勢でも保護主義の台頭などマイナス要因が多く、今後も景気の改善は見込めないとみている。
(スーパー)…国内外の諸問題により、株価が大きく落ち込んでいる。これらの解決には時間が掛かる恐れがあり、この影響で景気は落ち込むとみている。
(家電量販店)…野菜などの高騰もあり、なかなか消費が上向かない状況が続いている。給与所得が上がるような将来の道筋がみえれば変わるとみているが、現状では厳しい状況が続く見込みである。
(観光型ホテル)…以前と比較しても客の財布のひもが固く、館内消費の売上が落ちている。
(旅行代理店)…政治の混迷や米国の関税問題など、この先の景気にどのような影響を与えるのか不透明である。株価の低下から、景気は若干悪くなっていくのではないか。
(農林水産業)…大雪から一転して3月の気温は高めである。果樹の花芽が早く動き出すと予想されるため、受粉前の霜の害が懸念される。
(木材木製品製造業)…住宅着工状況や受注環境にやや陰りがみられている。また、製品単価の上昇に一服感もあり、今後はやや悪化するとみている。
(窯業・土石製品製造業)…セメントや骨材といった原材料の値上げが影響している。また、公共事業も減少しており、新たな需要が見いだせない。
(建設業)…復興工事発注が一巡して公共工事の発注は減少する見込みである。特に、大手ゼネコン4社は、リニア関連の独禁法違反に伴って、各官庁や自治体からの指名停止の影響が大きく、大幅な受注低下が見込まれる。一方で、準大手、中堅、地場ゼネコンなどは、受注量及び売上の増加が見込まれる。
(人材派遣会社)…有期雇用者の無期転換問題により、4月から相当数の派遣社員が雇用の無期化権利を取得する。派遣先が無期派遣者を受け入れる条件折衝が円滑ではない事もあいまって、3月末契約終了が例年以上に発生しており、先行きの景気観は悪化している。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以 上