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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成29年7月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

  • 表A-東北の現状判断(季節調整値)
  • 表B-東北の先行き判断(季節調整値)
  • 表C-東北の現状判断(原数値)
  • 表D-東北の先行き判断(原数値)
調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)
現状判断DIは「49.0」と3か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.7ポイントとやや上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「48.8」と3か月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲0.3ポイントとわずかに下回った。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)
現状判断DIは「50.0」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.5ポイントとやや上回り、24か月ぶりに景気判断の基準となる50を上回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「48.8」と3か月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.3ポイントとやや下回り、2か月ぶりに景気判断の基準となる50を下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成29年7月25日~31日
回答者数 191/210名、回答率91.0%(全国1,870/2,050名、91.2%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「良くなっている」
(コンビニ)…現在は夏の最盛期であり、来客数、売上共に1年のなかでも最大のピークを迎えている。また、今年は例年に比べて気温も高いため、来客数も多い。
(建設業)…新エネルギー関連案件の受注増により、3か月前と比較して景気は良くなっている。

○「やや良くなっている」
(スーパー)…気温が高く、アイス、飲料、酒類が好調である。来客数は前年を下回っているが、客単価は上昇しており、売上は前年を上回っている。
(家電量販店)…エアコン、扇風機などの季節商材の動きが良く、売上も目標値に達している。
(高級レストラン)…客の動きが活発であり、特にビールなどのアルコール商材の消費が高まっている。客単価も若干であるが上がってきており、消費に対しての改善がみられている。
(観光型旅館)…MICE関係、出羽三山参拝関係、スポーツ関係の全国大会などによる団体客が増加している。天候も良く、個人旅行の動きも前年より良くなっている。
(都市型ホテル)…前月に引き続き、全国規模のスポーツや文化的な大会がある。そのため、全体的な宿泊数やレセプションの増加により、前年比110%と好調に推移している。
(自動車整備業)…高額商材の売行きが伸びており、来客数や成約率も好調に推移している。
(窯業・土石製品製造業)…地域間格差は顕著であるものの、東北全体としては、出荷量の前年同月比が微増となっている。
(一般機械器具製造業)…受注量が上向きに推移している。
(金融業)…住宅の新築需要が堅調に推移している。
(人材派遣会社)…今年に入ってから、求職者の登録件数は堅調に推移している。これは、求人の増加に加えて企業の採用難易度が高まっていることから、採用要件が下がり、応募が出来る企業や求人が増えている事に起因している。

○「変わらない」
(商店街)…月の前半は天候にも恵まれ、来客数もそれなりにあったが、後半は選挙の影響とみられる買い控えが散見されている。
(百貨店)…時計、宝飾品などの高額商材の動きは引き続き好調であるものの、クリアランスについては、婦人服を中心に年々勢いが衰えている傾向は変わらない。お中元商戦については、1人当たりのお届け件数の増加傾向が前年から継続しており、予測を上回る売上で推移している。また、来客数も引き続き前年を上回っている。
(衣料品専門店)…7月上旬から気温が上昇したことにより、クールビズ関連のスラックス、半袖ワイシャツ、夏礼服が好調に推移している。
(一般レストラン)…今月はスポーツ関係の全国大会が開催されており、外食系と宿泊施設が潤っている。また、この期間は大会関係者により宿泊施設に空きがないため、ビジネス関係の客は月前半に前倒しで来県するといったこともあった。ただし、地元客に大きな動きはなく、全体的には変化のない状況となっている。
(通信会社)…業種によって格差が生まれており、通信系のインフラ事業では仕事量が激減している。4Gから5Gのアンテナインフラの見込があるにもかかわらず、2020年まで経営体力が持たないという経営者の声を聞いている。通信業界全体が低迷している状況に変化はない。
(美容室)…地域から会社が段々と無くなっており、新しい客が増えない。街は閑散としている。
(住宅販売会社)…民間建築の受注量に関しては、賃貸集合住宅が伸びているものの利益が低く、薄利多売に近い状況となっている。
(木材木製品製造業)…ここ2か月ほど、円安の影響で住宅部材の仕入価格が高騰しており、収益を圧迫している。
(電気機械器具製造業)…取引先の製造関係企業は、受注状況はコスト的には厳しい面があるものの、好調に推移している様子である。
(経営コンサルタント)…ボーナスの支給がほぼ一巡したものの、景気回復の起爆剤となるほどの消費高揚はみられていない。
(職業安定所)…自動車部品製造業の一部に増設などの動きがある。また、小売業、サービス業では新規出店に伴う大口求人などがあり、求人の動きは活発である。派遣求人の職種の多様化から、人手不足が多岐の職種にわたっていることがうかがえる。

○「やや悪くなっている」
(乗用車販売店)…来客数はあるものの、他社との競合が激しく成約に時間がかかっている。また、値引き条件が厳しい。
(住関連専門店)…特別注文家具を販売している。受注残が少ないこともあり、販売量が減少している。
(酒類専門店)…6月から施行された酒税法の一部改正の影響により、レギュラー商品の動きがかなり悪くなっている。
(旅行代理店)…国内線の予約状況が今一つ伸びていない。また、国内の個人商品も同様の動きである。
(遊園地)…真夏日が13日にも及んだものの、逆に夏休みに入る頃から梅雨らしくなってしまい、来客数は前年を大きく下回っている。
(新聞社[求人広告])…選挙期間は経済が動かないという定説どおり、求人の動きは停滞しており、景気も良くない状態である。

○「悪くなっている」
(医薬品販売店)…前月から来客数の減少傾向が続いている。今まで堅調だった客単価が、前年同月比26%減、前月比21%減と大幅に下落している。今月の売上は、東日本大震災後の最も低調であった時期よりも悪い数字となっており、なぜここまで悪くなるのかその要因が思い浮かばない。
(広告業協会)…地元テレビ局では、7~8月にかけてイベントを企画し夏場を盛り上げているものの、かつてのような利益還元ではなく、企画各社も持ち出しとなっている。依然としてCMはスポット、タイム共に厳しく、新聞や折込広告も回復していない状況である。

(2)先行き判断理由
○「やや良くなる」
(商店街)…例年この時期は、天候に左右される日が多くなる。特に店舗や商店街への来客数に影響するため、現在の晴天が続けば上向きの状態が続くとみている。
(衣料品専門店)…天候に異常がなければ、秋物商材が順調に立ち上がるとみている。
(観光型ホテル)…スポーツ関係の全国大会が開催されるため、予約件数は2か月先まで前年を上回っている。
(都市型ホテル)…この先は大きな祭りが控えており、お盆には多くの人が地元に帰ってくる。そのため、9月までは帰省客などの宿泊利用により、売上は好調に推移するとみている。
(電気機械器具製造業)…これまで以上に半導体製品の大口価格が上昇する見込みである。そのため、従業員への還元も期待できる。
(金融業)…夏祭りの時期を迎えて、年間を通じて地元の集客力が最高潮となることから、それに乗じて消費金額の大幅増加が期待できる。
(アウトソーシング企業)…単価の上昇が見込まれており、景気は良くなるとみている。

○「変わらない」
(旅行代理店)…良くなるような材料が見当たらない。夏休み需要もあまり伸びておらず、財布のひもが固くなってきているように見受けられる。団体旅行はそれほど大きな変動がないため、個人消費がうまく回っていないのではないか。
(観光名所)…良くなっている感じはあるものの、そのほとんどを占めるフリー客の動きが読めないため、この先の景気が良くなるとも悪くなるともいえない。
(出版・印刷・同関連産業)…自治体の大きなイベントなどの仕事も、価格で大手業者に取られてしまうケースが増えてきている。
(一般機械器具製造業)…国内受注は堅調であるものの、海外需要が弱くなってきており、全体としての伸びは期待できない。
(建設業)…工事受注額は当初の見込みどおりであるため、この先2~3か月は現状のままで推移するとみている。
(広告代理店)…広告量の動きは、一部の都市は堅調であるものの、東北他県の動きや東京からの入込が鈍い。
(学校就職担当者)…新規採用、増員計画が年度当初より増加していないため、大きな変化はない。また、首都圏企業と比較すると、地元の採用試験の開始時期は2か月以上遅く、雇用環境に応じた柔軟性に乏しい印象がある。

○「やや悪くなる」
(百貨店)…秋物の入荷が始まる時期であるものの、高めの気温が予想されており、急に秋物の動きが活性化するとは考えにくい。これまでの慎重な購買姿勢とあわせて、更に厳しくなるのではないか。
(スーパー)…競合店の出店や改装により、今後も厳しい状況が続くとみている。節約志向が更に強まり、客は無駄な買物をしなくなるのではないか。
(コンビニ)…最盛期の現在に比べれば、当然来客数は減少するが、残暑が続く見込みのため、売上が大きく減少することはないとみている。ただし、秋は大きな祭りやイベントがなく、売上が大きく上がることもない。
(食品専門店)…今後はますます人手不足が顕著となり、商品価格に転嫁せざるを得ない状況になる。そのため、消費者意識は専門店よりもより安価な大手資本の総合スーパーに流れていくことが見込まれる。
(一般レストラン)…地元は農作業に関わる人が多く、秋は稲刈りなどがあり、人が外に出てこられなくなる。このことから、外食系はとても静かになってしまう。人数的にもかなり多いため、売上への影響は避けられない。
(経営コンサルタント)…東北各地における、豪雨災害の影響を懸念している。
(職業安定所)…プラスチック加工業、時計製造業、小売業で、若干の人員整理が行われる予定と聞いている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。  以 上