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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成30年1月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

  • 表A-東北の現状判断(季節調整値)
  • 表B-東北の先行き判断(季節調整値)
  • 表C-東北の現状判断(原数値)
  • 表D-東北の先行き判断(原数値)

調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「44.5」と3ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲5.3ポイントと大幅に下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「48.2」と3ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲1.6ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3ヶ月前との比較、方向性)

現状判断DIは「43.4」と2ヶ月連続で前月を下回った。前月と比較し▲4.6ポイントと大幅に下回った。

(2)先行き判断(2~3ヶ月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「48.8」と3ヶ月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+0.1ポイントとわずかに上回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成30年1月25日~31日
回答者数 171/189名、回答率90.5%(全国1,854/2,050名、90.4%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由

○「やや良くなっている」
(家電量販店)…冷蔵庫や洗濯機の買換え需要の単価が上がっている。テレビも大型商品が売れており、前年の単価を若干上回っている。さらに、寒さのため季節商材である暖房商品が今月の売上に貢献している。
(乗用車販売店)…自動車メーカーの不正検査問題によるリコールの影響が大分落ち着いてきており、客の雰囲気も良くなっている。
(住関連専門店)…今月は来客数が多く、大雪で客足が鈍ってもその後には持ち直している。需要の高い小型商材を多く取り扱うようにしたことが奏功しているとみている。
(ガソリンスタンド)…気温低下や降雪の影響により、灯油を中心に季節商材の販売量が伸びている。
(ショッピングセンター)…前年に引き続き、駅前の集客は増加傾向にある。
(住宅販売会社)…遅れていた受注が順次契約となっている。
(人材派遣会社)…採用難が続いているため、中小企業の採用活動が活発になっている。ハローワークなどによる採用が難しくなった企業が、お金をかけて募集をするという傾向が強まっている。

○「変わらない」
(百貨店)…降雪、低温の影響で売上が前年を下回っているが、婦人服の防寒衣料などは引き続き好調であるなど、天候要因を除けば特に景気の基調に変化はない。宝飾品などの一部アイテムの動きに鈍さはあるものの、高額商材そのものは引き続き売れているため、消費の冷え込みもみられていない。クリアランスも降雪前は例年と比べてにぎわっており、初売りの福袋は体験型が人気になるなど、欲しいものは多少価格が高くても買う傾向に変化はない。
(衣料品専門店)…寒波の到来で冬物商材へのニーズが高いものの、売れ筋商品が売り切れとなるなど、対応しきれていない。また、悪天候による道路状況の悪化が、消費者の外出する気分に水を差している。
(遊園地)…正月期間のみの営業であるが、3日目の雪が影響して、来客数は前年を若干下回っている。
(美容室)…ここ半年、客単価が前年比95%の状態が続いている。
(食料品製造業)…販売量は3か月前と変わらず、前年比約15%の減少となっている。そのため、景気が低迷していることに変化はない。
(出版・印刷・同関連産業)…復興需要が終わり、発注量が減っている。ただし、建設関係の広告依頼は増えている。
(電気機械器具製造業)…新商品開発のスピードやスパンが、緩むことなく進められている。
(輸送業)…経費の中でも燃料費がじわじわ値上げをしている。これに対応しながら利益確保を図っている。
(広告業協会)…前年比のマイナス傾向はここ数か月変化がない。テレビ広告は微減であるが、特に新聞広告のマイナス幅が大きい。
(経営コンサルタント)…北東北と日本海側では例年以上に雪が多く、経済活動に悪影響を与えている。

○「やや悪くなっている」
(商店街)…一部では良かったと言われる初売りであるが、全体的には福袋などの売れ残りも多く、苦戦の新年スタートとなっている。その後のセールも、開催する店舗が多いため客の細分化が進み、それほどの成果はみられてない。更に下旬の寒波は来街者の足を完全に止めてしまっている。
(酒類販売店)…年明けは動きがあったものの、中旬からの寒波で大荒れとなり、人の動きに大きな影響を与えている。除雪作業などを考慮して消費者が夜に出歩かなくなっているため、来客数がゼロの日も少なくないと嘆いている飲食店も多く、販売量が激減している。これらの影響は想像以上に深刻である。
(コンビニ)…前年12月から今月にかけて、東北全体で大幅な来客数の減少がみられている。当県特有の要因もあるが、天候の問題もあるのか、他県においても来客数の減少が顕著である。
(一般レストラン)…例年にない冷え込みによる影響が大きすぎる。道路凍結による連日の交通機関の麻ひにより早めの帰宅を促す報道がなされ、夜の部に客が来ない状況となっている。また、県外からの客も、新幹線や飛行機に対する雪の影響を懸念して、来県自体が中止となり予約がキャンセルとなったケースもある。久しぶりに雪国ならではのデメリットを実感している。
(観光型旅館)…積雪量や交通機関の運休などが多く、集客を見込めない状況が続いている。
(都市型ホテル)…例年より寒い冬の影響なのか、宿泊、レストランといった個人を対象とした部門の来客数及び売上が減少気味であり、前年を下回っている。
(旅行代理店)…客はよりお買い得感のある商品に申し込む傾向があり、財布のひもが固い印象を受ける。
(通信会社)…1年後にBSで4K8K放送が始まるため、告知などを実施して話題性に期待した商品を投入したが、客の反応は鈍く盛り上がりに欠けている。そのため、1月に入ってからはテレビに関連するサービスメニューの新規加入者が大幅に減っている。また、年末までは少なかった解約者もやや増えている。
(建設業)…一定の受注額はあるものの、大型受注があった3か月前と比較すると金額が減少している。
(新聞社[求人広告])…首都圏への人材流出の流れが止まらず、慢性的な人手不足となっている。企業にはあきらめムードが漂い、求人数も増えていない。このまま東京オリンピックまで地方の人手不足が続くと、やっとこれから復興に向かう被災地企業が回復しないまま潰れてしまう危険性がある。
(職業安定所)…有効求人数は増加しているが、有効求職者は減少している。また、求職者は自己都合離職者、在職者が大幅に減少していることもあり、採用率が大幅に低下している。

○「悪くなっている」
(スーパー)…灯油価格やガソリン価格の上昇、野菜相場の高止まり、寒波による来客数の減少など、消費者のマインドは冷え切っている。
(高級レストラン)…寒さと雪で来客数が非常に悪い。全国的には景気が良いと言われているが、地方の景気は余り良くなく、同業者も同様である。
(木材木製品製造業)…業界全体としては、住宅着工数は依然として高水準で推移しており景気は良い。しかし、当社では原材料の90%以上をユーロ建てで輸入している。そのため、前年春からの急激な円安により、全く採算がとれていない。販売価格への転嫁もままならないため、厳しい状況である。

(2)先行き判断理由
○「やや良くなる」
(酒類販売店)…必要なもの以外に対する購買意欲がそう簡単に高まるとは考えにくいが、この先は、卒業、入学シーズンに入るため、多少なりとも動きがあるとみている。
(衣料品専門店)…現在の状況からみても、この先の就職活動や卒業、入学のマーケットは順調に動くとみている。少子化などにより年々パイは縮小しているものの、景気は悪くなく単価も落ちていないため、商況は少し良くなるとみている。
(都市型ホテル)…1~2月という厳冬の期間を過ぎて、3月は入学卒業や転勤の時期となる。そのため、ホテルとしては、歓送迎会やお祝いなどの入込によりにぎわう見込みである。
(旅行代理店)…今後の新規路線就航の予定や客の予約状況から、冬から春にかけての旅行需要は増加すると見込まれる。大雪の影響はあるものの、今後は回復基調に向かうとみている。
(建設業)…年度末や年度またぎで発注される公共事業受注への期待値を見込むと、2~3か月後の景気はやや回復すると見込んでいる。
(広告代理店)…現在は得意先の受注量、発注量共に動きが鈍いものの、新年に入り、取引先の多くの経営層からは前向きな発言が多いので、期待している。
(人材派遣会社)…新年度体制への移行時期であり、求職者の動きが活発になると見込まれる。また、無期労働契約への転換に向けた各社の動きや、求職者の動向に注視していきたい。
(民間職業紹介機関)…特に製造業の求人が増加しており、最近では派遣契約単価が高騰している。しかし、求職者の不足によりなかなか集まらないのが実情である。

○「変わらない」
(商店街)…寒さが余り長引かずに、来客数が回復することを期待しているが、春物商戦に対する様子見の状況も散見されている。
(百貨店)…景気が大きく変化する要因は見当たらないため、しばらく同じような状況が続くとみている。ただし、この先は春に向けて入学、卒業、新生活のシーズンとなるため、多少でも上向くことに期待している。
(スーパー)…野菜類の価格高騰はしばらく続く見込みである。また、野菜以外の旬の食材、魚、果物も例年より高い状況であり、前年の売上を確保するのがやっとといった状況が続くのではないか。
(家電量販店)…少子高齢化の影響により、客層は高齢化し来客数も伸びていない。売上が増加するような要因はないが、単価が上昇傾向にあるため、この先も売上が前年を大きく下回ることはないとみている。
(窯業・土石製品製造業)…公共工事や震災復興工事の減少に加え、寒波や大雪の影響で出荷量が減少している。
(電気機械器具製造業)…人手不足もあり、当面この状況は変わらないとみている。
(経営コンサルタント)…今年の冬は雪が多いため、経済活動への悪影響を懸念している。
(金属工業協同組合)…見積案件は多いものの、人、設備、単価、納期の関係、特に従業員の離職などによる人手不足により、対応できない状態が続いている。このままでは、事業縮小を余儀なくされる事態にもなりかねない。
(職業安定所)…人手不足が顕著な業種を中心に、募集時の賃金増がみられているものの、それにも限界があるため、当面は人材獲得が難しい。

○「やや悪くなる」
(コンビニ)…売上もさることながら、人件費の高騰で経費が掛かるため、今後は利益の確保が大変である。
(一般レストラン)…野菜、カニ、鍋の材料の値上がりが激しく、この先の景気に影響を及ぼし、不安定になるのではないか。
(観光型旅館)…予約の動きが例年よりも鈍い。先行きの景気に対する安心感はなく、上向いているという気配もみられない。

○「悪くなる」
(木材木製品製造業)…円安の進行が止まらず、コスト高は更に進むとみている。業界では体力の少ない所から淘汰が進み始めるのではないか。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。 以 上