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今月の景気ウォッチャー

最新の内閣府景気ウォッチャー調査結果についてのレポートを紹介します。

平成29年3月の景気ウォッチャー調査結果(東北分)

  • 表A-東北の現状判断(季節調整値)
  • 表B-東北の先行き判断(季節調整値)
  •            
  • 表C-東北の現状判断(原数値)
  • 表D-東北の先行き判断(原数値)
調査結果の概要

1.今月のDI※

季節調整値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性 季節調整値)

現状判断DIは「45.3」と4か月連続で前月を下回った。前月と比較し▲2.8ポイントとやや下回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性 季節調整値)
先行き判断DIは「47.4」と2か月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.3ポイントとやや下回った。

原数値
(1)現状判断(3か月前との比較、方向性)

現状判断DIは「49.1」と4か月ぶりに前月を上回った。前月と比較し+3.3ポイントとやや上回ったが、20か月連続で景気判断の基準となる50を下回った。

(2)先行き判断(2~3か月先の見通し、方向性)
先行き判断DIは「48.2」と4か月ぶりに前月を下回った。前月と比較し▲1.8ポイントとやや下回り、2か月ぶりに景気判断の基準となる50を下回った。

※DI(Diffusion Index)について…50を基準とし、50を超えると景気が良い方向にあることを示す。

2.調査の概要
調査期間 平成29年3月25日~31日
回答者数 195/210名、回答率92.9%(全国1,874/2,050名、91.4%)

3.特徴的と思われる判断理由(ウォッチャーのコメントから抜粋)
(1)現状判断理由
○「良くなっている」

(衣料品専門店)…天候にも恵まれ、4月から進学、就職をするフレッシュマン以外の客の動きも好調に推移している。特に女性客や体型の大きい客が伸びており、大変良い状況である。

○「やや良くなっている」
(商店街)…景気は少しずつ良くなっている。高度経済成長期やバブル期を知っている者にとっては物足りないかもしれないが、ここ2~3か月をみると、落ち着いているという表現がしっくりくる。
(書店)…新年度に向けて子どもの教育関係商品の購入がある。また、年度末に向けてセールがあるが、単価の高いものが動いている。
(乗用車販売店)…エコカー減税の基準厳格化を前に駆け込み需要が発生している。また、3年前の消費税増税前の駆け込み需要で登録された車の車検時期となり、点検整備入庫も増加している。
(住関連専門店)…年度末に向けて取引先の出荷台数が増えてきているため、販売量も改善している。
(高級レストラン)…卒業や合格発表の時期であり、客の動きが活発である。また、送別会などの法人利用も多数みられており、客単価も上昇している。このことから、行事的に伴う外食に対する消費意欲が改善してきているように見受けられる。
(一般レストラン)…3月に入り、混雑するとまではいかないものの、ようやく通常の状態に近づきつつある。年度末ということもあり、客単価も若干上昇しており、2~3か月前と比較し景気は良くなっている。
(観光型旅館)…卒業、入学、就職のお祝いを旅館で行う家族が増えている。また、祖父母の歳祝いなどの申込も増加している。
(旅行代理店)…海外旅行は、ヨーロッパ方面とハワイ方面の予約が少しずつ入ってきており、回復傾向にある。また、春休みの影響でテーマパークを利用した関西方面の国内旅行も予約数を伸ばしてきている。
(人材派遣会社)…有効求人倍率の高止まりの影響で企業側の採用が難しくなってきており、求人数の上昇が継続している。直近では、工場関連の募集が増えている。製造ラインの増設に伴う募集が多く、社員、パート両方での募集が増加傾向にある。

○「変わらない」
(百貨店)…若干ではあるが、インポート高額商材の動きが良くなってきている。ただし、生活に密着している食料品、衣料品の動きは変わらない。よって、景気が良くなっているという実感はない。
(スーパー)…消費者は普段の買物では無駄なものは買わないものの、ひな祭りやお彼岸などの時は、高品質なものや高額なものを購入している。
(コンビニ)…年度の変わり目は人の動きが活発化する時期であるが、今年は全体的に客の財布のひもが固い傾向にある。特に年配客は、介護保険の改正をにらんでか、来店頻度が減り、購入を必要最小限に留める傾向がある。
(家電量販店)…家電業界をけん引するような商品がない。
(酒類専門店)…全体的な景気は大きく変わっていないが、年度末で流通在庫量を絞ってきているため売上が落ちている。この時期は年々在庫を減らす方向に動いているため、3~4月にまたがった売上を考える必要がある。
(都市型ホテル)…宿泊、レストランは、個人需要、法人宴会需要共に回復傾向であり、前年並みまで戻している。ただし、プレミアムフライデーに関しては、特に反応はみられていない。
(通信会社)…消費者は、相変わらず価格を優先して商品を選択している。
(住宅販売会社)…内覧会を行っても来場者は以前よりかなり少ない。しかし、商談の進度の高い顧客が多く成約率が高くなっている。
(食料品製造業)…今月は前年のような大型の受注がなく、売上が前年を下回っている。
(窯業・土石製品製造業)…官需、民需共に大型物件がなく、これまで東北の需要を下支えしていた震災復興特需もピークを過ぎて減少傾向に向かっている。全国のなかでも、東北は前年比のマイナスが大きい地区となっている。
(建設業)…年度末のため、公共事業の設計変更契約などにより若干受注量が好転しているが、全体としては横ばいであり大きな変化はない。
(通信業)…顧客のなかで、年度末の契約更新時期を前に、競合他社への乗換えのために契約を解除する客が出始めている。
(金融業)…取引先からは前向きな話もないが、悪い話もない。米国の大統領の動向を様子見している状況が続いている。
(職業安定所)…管内の事業所を訪問するが、飲食サービス業では好調が一段落し、かなり客足が落ちていると聞いている。また、水産加工関係、冷凍関係の従事者からは、景気動向がやや伸び悩んでいる状況が聞かれている。

○「やや悪くなっている」
(観光名所)…ここ数か月の売上や来客数を支えていたインバウンド客が、落ち着きをみせている。そのため、来客数、乗船人数、売上が減少している。
(美容室)…従来の顧客の再来店率は横ばいであるが、新規客の再来店率は低下している。新たに動きはないが、固定客がある程度確実に再来店するということは、同じ金額でも確かなところを選ぶようになってきているのではないか。
(リフォーム業)…住宅ストック循環支援事業により断熱窓工事に追い風が吹いたが、年間トータルとしては前年を下回る結果となっている。
(出版・印刷・同関連産業)…繁忙期であるが、売上が前年に比べて20%ほど減少している。
(経営コンサルタント)…来客数が見込める時期にもかからず、郊外の大型ショッピングセンターでは、想定を下回る状況が続いている。
(飲食料品卸売業)…カップラーメンやペットボトル飲料について、以前と比べても消費者は安い商品に流れている。所得が上がらないこともあるのか、中食でも価格の安いものに飛びついているのではないか。
(新聞社[求人広告])…求人数は低いまま横ばいで推移している。企業側もアルバイトや非正規求人が多く、求人広告を出しても反応がない状態が続いている。また、正社員の限られた業種に応募が集中しており、選ばれない業種との格差がますます広がっている。

(2)先行き判断理由
○「やや良くなる」

(高級レストラン)…例年の同時期に比べて、予約などの問い合わせや申込が多く、客の消費に対する動きは活発である。
(観光型旅館)…前年と比較して、予約申込件数が増えている。
(都市型ホテル)…桜の開花に伴い、宿泊やレストランを利用する客が増えることを期待している。
(食料品製造業)…行楽シーズンを迎え、商品の動きが良くなることを期待している。
(建設業)…復興予算の関係からも、大型公共工事の見込める最終年度となるため、これまで遅れていた案件の出件が進むと見込んでいる。

○「変わらない」
(百貨店)…商品選択の二極化は継続しており、客も用途によってしっかり買い分けをしている。
(衣料品専門店)…冬物を購入した客に夏物の販売を強力に推し進めている。企業の採用も順調なようなので制服などの販売に期待している。
(一般レストラン)…エリア内での客の取り合いはあるが、景気に対する影響はほとんどない。全国レベルの大きな大会が増えないかぎりは、エリア内での景気の活性化には結びつかないとみている。
(旅行代理店)…ゴールデンウィークもあるため期待をしている。ただし、業界的にも、前年ほどの伸びはないとみている。
(木材木製品製造業)…賃貸住宅にバブルの現象がみられ、住宅需要に対する不安要素となっている。
(一般機械器具製造業)…国内の受注状況、輸出の先行き共に、大きな変化がない。
(広告代理店)…景気の先行きが不透明であり、取引先は様子見状態が続くとみている。
(公認会計士)…建設業の話では、夏~秋にかけての受注は確保できているが、その後については未定との話が多い。そのため、今後2~3か月は現状維持で推移するとみている。
(工場施設管理)…既存製品の受注減少については下げ止まっているものの、新製品の話が出てこないため、受注が増える見込みがない。
(人材派遣会社)…3月末卒業の地元大学の就職率をみても、前年より上昇している。また、ぎりぎりで卒業が決まり就職先が決まっていなかった学生でも、3月の時点でまだ募集をしている企業があったため、就職を決めることができている。このような状況からも、景気の良い状態が続くとみている。
(職業安定所)…事業所を訪問した感触では、今後の世界経済や復興関連に伴う景況に不安を持っている。また、人手不足が継続する見込みである。3月末に大手通信機器メーカーで人員整理の発生があるが、従前からの計画事項であり、国内グループの再編によるものである。
(学校就職担当者)…今後の求人獲得予定数は、年度当初の確認済み状況から、新規採用、増員など若干の増加を見込んでいる。

○「やや悪くなる」

(スーパー)…当店の隣接地に競合店が出店する。周囲の競合店も価格で対応していくため、数値のほうは厳しくなるとみている。
(家電量販店)…ヒット商品となるような家電製品がないため、先行きの見通しはあまり明るくない。世界経済の動向に不安要素もあり、客の消費マインドが低下しているのか、あまり積極的に買物をしている様子はみられていない。
(出版・印刷・同関連産業)…復興需要、復興対策も一段落し、売上の前年維持は難しくなってきている。

○「悪くなる」

(コンビニ)…人口がかなり流出しており、地元では後期高齢者の方ばかりとなっている。そのため、これから先の売上は厳しくなるとみている。

東北地域に関する解説は、当センターの責任でまとめたものです。